わからないことは楽器屋さんに聞け!?第1回 ビーター選手権!?

同じ条件でビーターを踏み比べてサウンドの違いを比べてみました!

2017-08-23 こんにちは、SHIBUYA_WEST 松岡です。

今回のネタは地味?ながらも縁の下の力持ち、

実は超重要な
キックペダルのビーターについて、、、

夏休みスペシャル企画 第1回 ビーター選手権!


51459 B

を開催してみたいと思います。※2回目は果たしてあるのか??



キックペダルは持ってるけど
ビーターはあまり気にした事がない、、、、

そんな方も結構居るのでは??

音も変わるし踏み心地も変わる、
そんな重要なアイテム、
9種類のビーターを夏休みの自由研究的に踏み比べました!

今回は、私が良く踏み慣れている、
ヤマハFP8500Cペダルを使用し実験し、
あくまで個人的な感想を採点方式で表してみました。

※最高点は★5つです。



【今回使用したペダル】

13219 B

◆YAMAHA FP8500C◆

ダブルチェーン、ロングボードタイプ、真円カム。
ヤマハらしい極めてシンプルな構造で癖が無いモデルです。

それぞれ9種のビーターを付け替えて、
踏み方を統一して実際のバスドラムで踏んでみました。

ちなみに使用バスドラムは
ヤマハの最上級モデルPHXをぜいたくにも使用しております!

踏み方は
・クローズ
・クローズ(押し付け強)
・オープン(弱め)
・オープン(強め)
・弱<<<<<強へとダイナミクスを変化


でなるべく同じテンションで踏んでおります。

それでは、動画も交えて比べてみましょう。
※動画のフロアタムだいぶ共鳴してます それも含めて参考にして頂ければ、、、(汗


■デフォルトのフェルトビーター(U0621140/パーツ扱い)
重さ80g

34237 B

56295 B

FP8500C購入当初についてるもので、
至ってよくあるシンプルなフェルトビーターです。

今回比べた中では最軽量、
フェルトは若干硬め、玉の大きさは普通といった具合。

非常に軽くて、ペダルとの相性はバッチリ。小回りも利く感じ。

しかし、音質はやや物足りなさが、、、
重量軽いせいか、低音のパンチが足りない印象があります。

その割にフェルトが硬めで、アタックは目立つ印象です。
デフォルトとしては良いですが、
カスタムに使うにはやや物足りなさがありました。




【総評】
総合バランス★★★
音質★★
コントロール性★★★★
音量★★
低音★★
アタック★★★



■ダンマー 206フェルトビーター
重さ90g ※ブラックタイプ

36017 B

57615 B

カスタム用ビーターのド定番フェルトビーター

とにかくバランスが良く、音量も結構稼げるので、
普通のフェルトビーターで物足りない方にオススメのモデル

かなり重そうなイメージでしたが、
実際は90gと重過ぎず軽過ぎず、コントロールもしやすい万能な印象。

フェルトは若干硬めで、アタックも十分に出せます。

どこか飛び抜けた特徴は無いが、安心の使いやすさには納得。
ただ、ジャズ系に使うにはややパワー過剰な気はします。




【総評】
総合バランス★★★★
音質★★★★
コントロール性★★★★
音量★★★★
低音★★★★
アタック★★★★



■パール B-300Fビーター
重さ92g(カウンターウェイト含む)

36782 B

50065 B

パールのP-3000/2100シリーズ標準装備モデル。

見た目はちょっと派手なフェルトビーターですが、
中に防振ゴムが仕込まれており、余分な倍音をカットする触れ込み。

見かけは軽そうに見えましたが、
意外にも92gとそれほど軽くなかったのが驚きでした。
フェルトも程よい硬さで、踏み心地が柔らかい印象です。

あまり重さを感じさせない、非常に小回りが利く印象です。
コントロールもしやすく、弱打から強打までスムーズに打ちやすいです。

音色としては、上手くまとまった印象はあるものの、
それほど音量重視なビーターではないようです。
内部のゴムの影響か音色がタイトになり、
余分なサステインが取れる印象を受けました。
また、強打した時には、特有のアタック音がでるようです

音色面では好き嫌いはあるかもしれませんが、
軽いタッチでさまざまなジャンルに対応できるビーターに感じました。





【総評】
総合バランス★★★★
音質★★★★
コントロール性★★★★★
音量★★★
低音★★★
アタック★★★



■DW SM101ビーター

重さ  102g

36201 B

43581 B

DWの標準装備ビーターです。
DWのペダルはずっとこのモデル、それだけ評判も良いことが伺えます。
重さは今回唯一100g越えの重量級。
フェルトの打面部も縦のRの硬 めのタイプです。

重さがあるため、結構遠心力を感じ、やや硬めの踏み心地です。
元々のペダルが重めだと少しコントロールが難しいかもしれません。

しかし、音色のバランスはさすがのDW、音が綺麗です。
音量も十分、低音も豊かで、なおかつアタックがはっきりしているため、
埋もれず粒立ち良くバスドラの「オイシイ音域」を引き出せる印象です。

コントロールは幾分慣れが必要に感じましたが、
トータルバランスで完成度の高いビーターに感じました。





【総評】
総合バランス★★★★
音質★★★★★
コントロール性★★
音量★★★★★
低音★★★★
アタック★★★★



■タマ CB900PS Power-Strike Cobra ビーター
重さ90g

42580 B

34541 B

現行のアイアンコブラの標準ビーター

かなり特徴的なハンマーのようなルックスのビーターです。
「面」でヘッドを捉えるので、なかなかパワフルでいいアタックが出る印象。
バスドラの音に「まとまり感」があり、タイトで個性的なサウンドを生み出します。
重さも程よく、意外にもコントロールもしやすい印象でした。

ただ、形状が少し特殊なため、
打面を「点」で打ち抜くような独特の踏み癖が有ります。
好みの問題は有りますが(私は結構好きです)、
多少慣れは必要なのかな?とは感じました。





【総評】
総合バランス★★★★
音質★★★★
コントロール性★★★
音量★★★★
低音★★★
アタック★★★★



■タマ DS30ビーター(ROLANDロゴ)

重さ96g

40235 B

37388 B

タマのデュアルビーター(フェルト/樹脂)
「面」でヘッドを捉える系のビーターとしては、
最大級ではないでしょうか?かなり重めのビーターです。

音色はこの「広い打面」と「重量」のおかげで、
非常にラウドでパワフル、アタックも低音も申し分ないです。
音質も意外なほどにまとまりがあるように感じます。

ただし、重さが結構あるために、
ペダルの機種によってはかなり鈍重になります。
ピアニシモのプレイよりは、
強打でガンガン攻めるドラマー向けです。





【総評】
総合バランス★★★
音質★★★★
コントロール性★★
音量★★★★
低音★★★★
アタック★★★★



■タマ CB900AS Accu-Strike Cobraビーター
重さ94g

47403 B

38864 B

現行のスピードコブラの標準ビーターで、
CB900PSの樹脂タイプのモデルです。

基本的な踏み心地はCB900PSに準ずるものの、
樹脂で有るためにやや跳ね返り感は強いです。
また、音質はかなり「アタッキー」に寄っていて、
独特のオーバートーンがあります。
ツーバスの高速連打、またメタル系のサウンドにはぴったりでしょう。
埋もれない「ビチビチ」した音色が欲しい方にはオススメです。




【総評】
総合バランス★★★★
音質★★★
コントロール性★★★
音量★★★★
低音★★★
アタック★★★★★



■ダンマー 205ウッドビーター
重さ85g

43786 B

43904 B

ウッドビーターの定番
通称「赤リンゴ」でおなじみのダンマー205モデル。

見た目物凄く重そうに見えますが、
90gを切っており、実はそれほど重くない(驚き)モデルです。
なので、意外に癖少なくコントロールはしやすい印象でした。

音色は期待通りの「アタッキー」なサウンド、
これぞウッドビーターといった感じ。

低音もそれなりに出ますが、
かなりアタックが強調された独特の音色のため、
音の輪郭をはっきりさせたいドラマー向けです。




【総評】
総合バランス★★★★
音質★★★
コントロール性★★★
音量★★★★★
低音★★★
アタック★★★★★



■ローランド メッシュヘッド用樹脂ビーター
重さ93g

32424 B

41268 B

元々「生ドラ」用では有りませんが(笑)
結構重めでパワー十分です。
どのレンジも同じような音質(当たり前か)
オール樹脂なので、ウッドビーターのように硬く、
アタック音もかなり「ベチベチ」した印象。
音量は十分デカく、低音もそこそこ稼げました。
かなりアタック強めなので、
強打で「バチバチ」した音が欲しい方は試してみる価値あります。




【総評】
総合バランス★★★
音質★★
コントロール性★★
音量★★★
低音★★★★
アタック★★★★★



◆試奏を終えて…

今回は9種類を比べてみましたが、、、

・重いビーター
音量が出る
低音が強い
遠心力強めでコントロールが難しい


・軽いビーター

コントロールがしやすい
ピアニシモの音が綺麗


・打面が広い「面で当たる」ビーター
音量が出る
アタックも出る


・素材の硬いビーター
アタック感が強い
音がタイトになる


このような傾向がおおむね当てはまると思います。

勿論、お使いのペダルにより、
この傾向通りになるとは限りませんが、
もし、今お使いの物に「物足りなさ」を感じていたら、
この傾向を参考にして選んでみると良いでしょう。

【大事な豆知識】
現行のモデルはほとんどビーターシャフトの規格が共通ですが、
昔の(大体2000年以前)ヤマハ、タマのペダルはビーター取り付け穴が小さいのです。
なので、シャフトが太めの「DW」「パール」「ダンマー」は取り付けできないのでご注意を、、、



私もいままで、いろんなビーターを使った事がありましたが、
全く同じ条件、環境で比べてみたことは初めてでした。

予想通りな面も、反対に意外性を感じた点も多く、
改めてビーター選びって難しいなぁと感じた次第です。

正直、好みやペダルとの相性、個人との相性も有るので、
今回の実験結果はみなさんと同じ意見にならないかもしれません。

なので、ここでの評価は「イチ個人の感想」
として捉えていただければ幸いです。

今回の内容が、
皆さんのビーター選びに役立てれば嬉しいです!

それでは、また!

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