?サイズ、ウェイトで選ぶシンバルの違い?
2017-01-03 新年あけましておめでとうございます、渋谷WESTの松岡です。
前年に引き続きの基礎知識シリーズを
今年もさらに充実させてお送りしていきたいと思います。
さて今回も前回シンバル編の続き!
わからないことは楽器屋さんに聞け!シンバル選びの基礎知識1
わからないことは楽器屋さんに聞け!シンバル選びの基礎知識2
3回目の今回は
シンバルのサイズによる音色、特性の違いを解説致します!

■サイズによる違い
前々回のブログで、
種類での違いでさらっとサイズにも触れていますが、、、
基本的にシンバルは
サイズが大きくなればなるほど
音程が下がるという特性があります。
例えばスプラッシュシンバルの8インチと
クラッシュシンバルの18インチでは全然音程が違いますよね?
このように小さいシンバルは音程が高く、
大きいシンバルは音程が低くなる特徴があります。
以下の動画では、
同じ厚みの同じ種類のシンバルのサイズ違いで比較しております。
左手側 Zildjian A16インチ Thin Crash

右手側 Zildjian A18インチ Thin Crash

16インチはハイピッチ、18インチはローピッチで、
サイズ差による音程の変化がお分かりいただけると思います。
小さいシンバルは立ち上がりの早い、短いサウンド、
大きいシンバルの方は、サステインが長くなります。
特にスプラッシュシンバルは小さいため、
あのような「クシャっ」とした独特のショートサステインが生み出されるわけです。
■厚み(重さ)による違い
さて、ここからがまた重要なポイント
厚みや重さによる違いについて。
例えば
ロッククラッシュやシンクラッシュなど、
いろいろな名称があると思いますが、、、
ズバリ、シンバルの厚み(重さ)が違います。
よく、カタログや商品ページなんかでも
THIN,MEDUIM,HEAVYなどの重さ表記や
2,800gなど実際の重さを表記していたりすることもしばしばみられると思います。
シンバルの厚みが変わると、何が変わるの??というと
音色的にかなり色々な部分が変わります。
まずは音量。
ロッククラッシュなどは、やはり音量が必要というわけで、
基本的に厚みのあるつくりになっております。
逆にシンクラッシュなど薄いつくりのものは、音量よりもキレ重視。
発音が早くそして減衰も早いです。
その結果、
同じサイズの場合
【立ち上がりの良さ】
薄い>>>>>厚い
【音量】
厚い>>>>>薄い
【サステインの長さ】
厚い>>>>>薄い
基本としては上記の傾向が見られます。
熟練してくると、ある程度重さの表記のみで
サウンドの傾向が把握できたりもします。
以下の動画では、
同じ種類、同じサイズの厚み違いで比較しております。
左手側 Zildjian A16インチ Thin Crash

右手側 Zildjian A16インチ Rock Crash

そして、厚みの違いはピッチにも影響します。
同じサイズで同じ種類ならば、
厚めのものの方がややハイピッチ(明るめ)になる傾向もあります。
シンクラッシュ(薄め)はどちらかというと
落ち着いておりアコースティック向き、
ロッククラッシュ(厚め)は名前の通りエネルギッシュで
ロックなどの大音量セッション向きと言えます。
もちろん耐久性も厚めの方が向上するため、
練習スタジオや学生サークルなどでは厚めのものが好まれるようです。
ちなみにライドでは
【ピング音の硬さ】
厚い>>>>>薄い
【音の広がり】
薄い>>>>>厚い
このような傾向も出てきます。
ロック系でジャズ向けの薄いライドを使用しても
広がり過ぎて音が通らない!
逆にジャズ系でロック向けライドを使用しても
硬すぎて上品な雰囲気が出ない!
なんてことが起こってしまいます。
このように厚み(重さ)はシンバル選びにとって
非常に重要な要素であると言えます。
■仕上げによる違い
よく、シンバルにやたらキラキラした見た目のものもありますよね?

このようなシンバルは
「ブリリアント仕上げ」といい
仕上げの段階で入念なバフ掛けを行い、
このような光り輝くルックスを生み出しております。
このようなシンバルの特徴としては、、、
立ち上がりが早いシャープなサウンド
見た目通りの明るく煌びやかな音色が特徴。
音抜けも向上し、明るく通りの良いサウンドになります。
以下の動画では、
同じ様なウェイトの二枚のクラッシュで比較しました。
左手側 Zildjian A Custom 18インチ Crash

右手側 Zildjian A18インチ Thin Crash

このようなシンバルは、
音抜けとクイックなレスポンスが要求されるジャンル、
フュージョン系やメタル系に使用されることが多いように感じます。
■これまでの説明を踏まえて
下の動画は、
あえてまったく特性の違った2枚のライドを叩き比べてみました。
左手側 Zildjian K Constentinople 20インチ Renaissance Ride 1822g(ジルジャン ボストン工場選定品!)
※ノーマル仕上げでランダムハンマリング、かなり薄目のジャズライド

右手側 Zildjian A 21インチ MegaBell Ride 4000g
※なんと重さ4kg! カップが異様にでっかいメタル向けライド、ブリリアント仕上げ

いかがですか??
実際叩く強さはあんまり変えてないですが、
音量の差が特に感じられると思います。
シンバルの基礎知識、如何でしたか?
シンバル一つでこんなにも印象や音量、
叩き心地すらも大きく変わるものです。
個人的にはスネア以上にシンバルは
ジャンルによっての使い分けが必要なアイテムだと感じます。
実際スネアはある程度チューニングで何とかできる部分もあるので、、、
それが基本的に不可能なシンバルは、
プレイするジャンルに合わせたものがより必要になってくるように思います。
実際、アイテム数も膨大で、
さまざまなシチュエーションに対応するには
それだけの種類が必要だということです。
今回、3回にわたって解説したことは
あくまで基本的な部分ではありますが、
皆様のシンバル選びの参考になれば幸いでございます。
それではまた!
■過去記事はこちらから■
わからないことは楽器屋さんに聞け!スネア選びのカンタン基礎知識
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■この記事を書いた人
松岡 武 Takeshi Matsuoka中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します! |