?家庭練習に大活躍、電子ドラムってどうなの???
2016-09-20 こんにちは、渋谷WESTの松岡です。
基礎知識シリーズも7回目、
今回のネタはドラムの練習に役立つツールについて、
後編の電子ドラム編でございます。
■過去記事はこちらから■
わからないことは楽器屋さんに聞け!スネア選びのカンタン基礎知識
わからないことは楽器屋さんに聞け!スネア選びのカンタン基礎知識2
わからないことは楽器屋さんに聞け!ドラムヘッド選びの基礎知識
わからないことは楽器屋さんに聞け!スティック選びの基礎知識
わからないことは楽器屋さんに聞け!キックペダル選びの基礎知識
わからないことは楽器屋さんに聞け!練習ツール選びの基礎知識1
前回は練習パッドについて解説して参りましたが、
今回はいまやもっともポピュラーな方法とも言える電子ドラム
そもそも電子ドラムって練習になるの?
とお考えの方にも是非ご覧頂きたい内容でございます。
■電子ドラムでの練習について
電子ドラムは1980年代から有りましたが、
もともとはドラムシンセ的なもので、
練習向けというイメージでは有りませんでした。
しかし1990年代に入り、自宅でも静かに出来る!
といったニュアンスをウリにしたものが多くなり、
※特にヤマハのDTX VER2なんかは
「サイレント・セッション・ドラム」という別名があったほどです。
自宅練習用のドラムとしての側面が強くなっていきます。
しかしながら、まだまだ電子ドラムは比較的高額な商品、
それなりに販売数はありましたが、現在ほどはメジャーな存在では無かったようで、
そもそも練習用というよりは「生のドラム」に組み込んだり、
シーケンサーのような役目で使用していた方も多かったのでは無いでしょうか?
そして2000年代に入り、YAMAHAがDTXPLORERを発売し、
一気に家庭向けへの扉が開きました。
当時の販売価格は約8万円、10万円オーバーの機種が主流だった中で、
10万円を切った価格設定、シンプルな操作性が受け、爆発的ヒット商品になりました。

YAMAHA DTXPLORER
負けじとローランドもTD-3KW-Sなど、
独自の特許を持つメッシュパッドを武器にしながら
低価格に抑えた機種などを発売し、
今日まで続くヤマハvsローランドの電子ドラム合戦が始まりました。

ROLAND TD-3KW-S
そして2010年代には
YAMAHAがDTX400シリーズを発売し、
ついには新品で5万円の壁を切る時代が到来、
ROLANDもTD-1シリーズで同様の価格帯を発売し、
家庭向け練習ツールのポジションを不動のものにしたのです。
特に打面には各社のこだわりが見られ、
例えばROLANDはメッシュのパッド、YAMAHAはシリコンのパッドなど、
リアリティを追求した作りで日々進化しております。

YAMAHAのシリコンパッド
YAMAHA / XP100SD ヤマハ ドラムパッド スネア用 DTX-PAD

ROLANDのメッシュパッド
Roland / PD-125BK ローランド Vパッド
■電子ドラムの長所と短所
電子ドラムの長所としては、
・生ドラムに比べ騒音が少ない
・好きな音色で楽しく練習できる
・音が聴けるためシミュレーションがしやすい
・全体のコンビネーションの練習もしやすい
・メトロノームやコーチング機能、ソングや録音機能などの電子ならではの便利な機能が駆使できる。
特にコーチング機能は電子ドラムならでは、正確なショットの練習などに役立ちます。
反対に短所は
・生ドラムと比べると、跳ね返りが大きい
・生ドラムに比べると、音色の変化に乏しい
・生ドラムに比べると、サイズ感が違う
・チューニングなど、生ドラム独自の特性については学べない。
生ドラムならではの音色変化が無い為、ミスショットもきれいに鳴ってしまったり、
音色に飽きてしまったり、電子ドラムで出来たプレイが、
生ドラムではそのまま出来ないなど、生ドラムとのすり合わせが必要です。
電子ドラムは非常に便利なツールですが
電子ドラム≠生ドラムであるため、有る程度別物の認識が必要です。
やはり体の使い方やショットの方法、演奏感も生ドラムとは100%同じではない為、
その差異を理解したうえで演奏する方が望ましいと思います。
また、いくら生ドラムよりも「低騒音」といえ、
パッドを叩く音やキックを踏む音は「ゼロ」では有りません。
特に足元の振動に関しては、階下への影響が大きく、
如何に振動を抑えるかに悩まされることも多々あるかもしれません。
※私もこれで電子ドラムを手放したことがあります、、、
しかしながらこんなものもあります

【ローランドノイズイーターシリーズ】
ローランドから販売されている、振動防止用のアイテム
かなり階下への振動が低減されるので、振動にお悩みの方は是非お試し下さい。
ちなみにゴム製のパッドよりは、先述の「メッシュ」や「シリコン」のほうが
振動・騒音は少なくなる傾向にありますが、やはりそれでも「ゼロ」ではないので、
叩ける環境や時間帯には気を配ってプレイすることが望ましいです。
■価格帯別おススメモデル
価格帯別のおススメ機種を一 部ご紹介致します。
《?10万円》
低価格帯でも十分な性能を有する機種が盛りだくさん!
10万円を切る機種では、コンパクトなものも多く、
家庭でも気軽に小スペースで練習を楽しむことができます。
高音質、簡単操作、ツインペダルにも対応した人気機種

【YAMAHA DTX430Kシリーズ】
低価格ながらコンパクト低騒音にこだわったTD-1KV

【ROLAND TD-1KVシリーズ】
《10?20万円》
中価格帯は機能、性能もグレードアップ、よりこだわりを持って練習出来ます!
シリコンパッドに拡張性ある高性能音源のベーシックなライン

【YAMAHA DTX502シリーズ】
高音質にメッシュパッドによるリアルな演奏感のベーシックなライン

【ROLAND TD-11シリーズ】
このように低騒音に特化した機種も出ております。

【ROLAND TD-11KQ-PS】
《20万円?》
中価格帯から高価格帯レンジ、演奏感と音質もさらに充実しています。
Vパッド、Vシンバルの性能を存分に発揮できる、高性能、高音質音源のハイクラスモデル

【ROLAND TD-25シリーズ】
高音質音源DTX700をベースにした、演奏感が心地よい「音」にこだわったシリーズ。

【YAMAHA DTX700シリーズ】
《40万円?》


【TD-30シリーズ/DTX900シリーズ】
(TD-30は廃盤、今後TD-50シリーズに移行)
プロ向けでもある各社ハイエンドモデル
家庭で叩くには少し大きめですが、
ご予算と場所に余裕があれば是非手に入れたいクラスです。
表現力と音質などの音源性能が格段にハイクオリティです。
ざっと紹介してしまいましたが、、、
このように各社の進化してきた電子ドラム、
今や電子ドラム自体が楽器といってよいほどの完成度にもなりつつあります。
特に生ドラムとの感覚の相違の解消や、日本の住宅事情などを各社考慮しており、
今後更なる画期的なアイテムが期待されます。
まず、ドラムの練習をガッツリやりたいという方には
電子ドラムは正直おススメです。
ただし、生ドラムを叩くことを前提に練習される方は、
生ドラムでの練習も忘れずに並行して下さいね。
今回ご紹介したものは、それぞれに多様な機種や、
当社オリジナルのセットアップのなどの物もございます。
なかなかどれが良いかわからないという方は、
是非楽器店のスタッフに気軽にご相談くださいね♪
それでは、また!
■この記事を書いた人
松岡 武 Takeshi Matsuoka中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します! |