本日のネタは、、、
当店でも人気の高いアサプラのSLシリーズのドラムヘッドに迫る!

ASPRは国産のドラムヘッドメーカー、
古くから主に国内ドラムメーカー向けにヘッドを供給しておりました。
そんなアサプラが2011年に販売を開始したSLシリーズ、
今回はその特徴と魅力を動画も交え解説してみたいと思います!
■ASPR SLシリーズのヘッドとは
高張力繊維「テクノーラ」という繊維を使用したドラムヘッドで、
いわゆる現代の一般的な「プラスチックフィルム」を使用したヘッドとは
全く特徴の異なる存在として注目を浴びております。

このSLシリーズは化学繊維であるテクノーラを布状に織り、
合成皮革材料と組合せることにより、
本皮により近いニュアンスを追求したドラムヘッドです。

このように糸が縦横に張られる構造のため、
周辺部と中心部でのテンションの差が比較的少なく、
周辺部での倍音が少ないタイトな音色が特徴です。

■鉄の8倍の引張強度を持つという繊維「テクノーラ」
このSLシリーズに使用している繊維テクノーラは、
引っ張りでの強度がなんと鉄の8倍と言われております。
それゆえ、シートベルトや防弾服、航空機部材等にも使われる強靭な繊維。
よって耐久性は抜群なんです!
当店スタッフで使用している者の話によると
なんと5年使っているそうです。
※本人いわく、極端な偏ったチューニングを避けて
マメにメンテしてれば、年単位で長持ちしますよ!とのこと
価格面ではプラスティックヘッドの代表
REMO 114BA 当店価格1,739円
それと比べると、
標準的なTE-01Cで7,128円なので約4倍なんですが、
耐久性を考えると十分すぎる高コスパに感じます。
厚みも打面用のTE-01Cで0.35mmなので
プラスティックヘッドの1.5倍程も有るんですが、
その厚さを感じさせない繊細さも特徴の一つです。
ちなみにSL HEADの厚みは以下の4パターンです。
※スネアサイドのみ(0.17?)のみです。
【薄い】 000<00(0.17?)<01(0.35mm)<02(0.49?)【厚い】
ちなみに01は厚みは違うものの、REMOアンバサダー相当のモデルです。
と、ここまで主に構造的な特長を説明致しましたが、、、
ここからは動画で具体的な音色を体感していただきましょう!
■サウンドの特徴
【今回動画撮影で使用したモデル】


TAMA ARTSTAR ES 14×6.5 BRASS AE265
当店の試奏室常備モデルです。
いかんせん古いモデルなので、だいぶシェル凹あり。
ブラスの6.5インチ 8テンションなので
だいぶオープンで図太く鳴ってくれますが、
シェル凹の影響も手伝ってやや暴れやすく、
コントロールが難しいのが難点。
今回はこのスネアを同じようなチューニングにして、
ノーミュートで比較してみましょう!
※録音、撮影はYAMAHA EAD10を使用しています。
●永遠の定番 REMO 114BAと114SAの組み合わせ
たいていのスネアのデフォルトの組み合わせといえば
こちらのレモ コーテッドアンバサダー114BAとノーマルスネアサイド114SA
プラスティックフィルムの定番の組み合わせでお聞きください。
如何ですか??
あ、いつもの音だ!って感じる方も多いはずです(笑)
●ASPR SLシリーズTE-01CとTE-01Sの組み合わせ
さて今回のテーマのヘッドです、
最も定番な厚みのTE-01CとTE-01Sでのパターンです。
レモとアサプラ比較してみて如何ですか?
かなり印象違うでしょう??
個人的な感想では、
レモ:ブラスシェル6.5インチのスネアの癖がそのまま出ている印象、
オープンでハイからローまで「ドン」と出るイメージ。
ただし、8テンションであり、弱点とも言える「輪郭のボケ」が感じられ、
細かいロールなどの反応・粒立ちが少々弱いイメージ。
アサプラSL:ブラスシェルの「ボワッ」とした感じがなく、
かなりタイトになる印象。ミッドレンジが凝縮しつつも、ローも感じられます。
細かいロールも反応よく明確になっています。ややサステインは短いようです。
今回使用したスネアは敢えて
「暴れがち」になりやすいスペックをチョイスしました。
SLヘッドでは、このようなスネアには非常に効果的で、
良く鳴るけど「コントロールが難しい」スネアにオススメです。
プラスチックヘッドでもドット付やミュート付きなどでは、
アタックはでるけども音が硬くなる、
コントロールは効くけど音量が物足りない、、、
なんて経験はありませんか??
そんな方に是非オススメなのがこの組み合わせです!
あたたかみのあるサウンドを維持しつつも、
・輪郭をクッキリさせる
・倍音をコントロールさせる
・幅広いチューニングレンジ
このような効果が期待できるヘッドなのです。
音が太く、芯があるサウンドになりますので、
特にレコーディングでも真価を発揮するのではないでしょうか??
また、ここまでタイトな変化は要らないけれど、
スナッピーの粒立ちは欲しい、そんな方にオススメの組み合わせが、、、
●REMO 114BAとASPR SLシリーズTE-01Sの組み合わせ
打面はレモ114BA
裏面はアサプラTE-01Sの組み合わせです。
この組み合わせではレモのオープンさを残しつつ、
裏面のアサプラTE-01Sで明確な粒立ちと若干の余韻コントロールを実現。
両者の良いトコ取りの非常にバランスの取れた音色も作れます。

このように裏面のみをSLヘッドにするだけでも十分効果が出ます。
耐久面も向上するので、是非お試し頂きたいパターンです。
■繊維を使用したカラーバリエーションの豊富さ
普通はドラムヘッドは「白」のイメージが強いものですが、
SLシリーズ(打面用)では、おおもとの素材に色を付けることにより、
様々なカラーヘッドが制作可能です。
・そこで当店人気のカラーヘッドをご紹介!
※実は全15種類あるのですが、実物のあるオススメ4種を厳選しました。

aspr / TE-01C Enji SL HEAD 14インチ
人気のエンジ、少し落ち着きのある赤が上品です。

aspr / TE-01C MIKAN SL HEAD 14インチ
なんと色名「みかん」
その名の通りの淡い橙色はまるでミカン、国産ブランドらしいです。

aspr / TE-01C Peach SL HEAD 14インチ
こちらも果物シリーズ「ピーチ」
淡いピンクはこの時期ピッタリ、非常に綺麗な色です。

aspr / TE-01C Khaki Green SL HEAD 14インチ
カーキグリーンは、抹茶のような日本のわびさびを感じる美しさです。
このように見た目にも楽しめるドラムヘッドは他にはありません。
これもSLシリーズを使う楽しみではないでしょうか??
■SLヘッドは新たな選択肢
高張力繊維と合成皮革を使用した次世代のドラムヘッド
SLヘッドは如何でしたでしょうか??
これまではプラスチックヘッドがメインのドラムヘッド業界ですが、
このSLヘッドの登場により、選択肢がグッと広がった気がします。
ASPRでは本皮ヘッドの開発も進めており、
今後のさらなるラインナップ強化への期待が高まりますね!
それではまた!
■過去記事はこちらから■
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■この記事を書いた人
松岡 武 Takeshi Matsuoka中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します! |
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