楽器屋さんに聞けシリーズ in TURKEY ?イスタンブールシンバル探求の旅??

2日目はISTANBUL AGOP社訪問、近代化された伝統のシンバル!

2017-12-26 こんにちは、渋谷WESTの松岡です。

今回も前回に引き続き
トルコへのシンバルの旅の続編をお送りします!



■2日目は、AGOP社への訪問です!

2日目はISTANBUL AGOPのファクトリーを訪問。
AGOP社は、ISTANBUL社を立ち上げた職人の、
Agop Tomurcuk(アゴップ・トムルジュク)氏が1996年に他界した後、
2人の息子たちが新たに立ち上げたブランドであります。

ロック系にも対応できる「アルケミー」シリーズを生み出したり、
アーティストの意見を反映させたシグネチャーモデルなど、
伝統の製法を忠実に守りながらも、
近代的で様々なジャンルに対応する多様性有るモデルを生み出しております。

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このように工場も近代化されて綺麗です。


入り口にはこのようなオシャレな看板が!

さて、中に進みますが、、、、
AGOP社は工場内の撮影がNG!!!

基本的には製法のはMEHMET社と同様の工程を取っているように見えましたが、
機械などの設備は比較的新しい物を使用しているようで、
工場が新しいだけあって、作業員の安全なども考慮した設備になっておりました。

しかし、、、
要所要所で撮影OK箇所がありましたのでご紹介していきましょう!



こちらはハンマリングルーム前にて
社長のArman Tomurcuk氏と2ショット!

とても気さくな方で、トルコの伝統的なシンバルに
現在の風を吹き込んでくれている、超アクティブなお方でした。



ハンマリングルームはこのように仕切られており、
吸音材が壁に貼り付けられたりと、騒音対策もなされているようでした。

ここで、私もハンマリング体験をさせてもらうのですが、、、

まずハンマーがやはり重い!
数発なら問題ないですが、これを一日中振り続けるのは非常に酷です。

私は小さい10インチのスプラッシュをハンマリングしてみたのですが、
全く綺麗に打てません、、、
まして形をコントロールするなど、至難の業です。

どうやらこれにはコツがあるようで、
ドラムのようにリバウンドを拾うのがコツらしいです。

しかしながら、リバウンドを拾う為には、
ハンマーをシンバルに当てる角度をまっすぐに、
芯で捉えないと全く跳ね返ってきません。
この作業は本当に熟練が必要、見よう見まねでは到底できません。

全ての成型をこの「ハンドハンマリング」でやっているなんて、
やっぱり手間かかっているんだなぁと再認識しました。

さて、工場見学を終え、昼食を取った後は、
お待ちかねの選定タイム!!



こんな広いストックルームから好みのシンバルを選び出すのは大変。

しかしながら、どれもこれもいいシンバルばかり、
ファーストインプレッションを大事にサクサク選ぶことが出来ました。

しかも、30周年モデルを選定しているとき、プロトタイプを発掘!
20インチと22インチがプロトで、仕上げやカップの形状が違いました。
叩いてみるとそれぞれがレギュラー品とは
また違ったテイストを持っており、非常に魅力的、即買い決定!
さらに22インチのトラディショナルのプロトタイプも発見、
こちらも買わせて頂きました!

気づくと計17枚のシンバルをチョイスしておりました!AGOP恐るべし。。。



※この中より30THプロトを含む数枚が既に販売済みになりました、有難うございます。

正直、在庫の量が多すぎて、まだまだ選び足りなかったのですが、
明日のBOSPHORUSも有るので打ち止め。
2日続けての選定で耳がヘトヘトになりましたが、
心地よい疲労感と充実感で胸いっぱいでした。

最後に、世界に1枚だけの松岡ハンマリングのスプラッシュを頂き(笑)
AGOP社での1日は終了!


※私の打った跡はどこへやら、上から職人さんが綺麗に叩き直してくれました。

その後は社長をはじめ、工場のみなさんと夕食を共にし、
怒涛の2日目が終了したのであった。

AGOP社を訪問して感じたのは、
とにかく、想像以上に現代的な工場であったこと。

製法的には伝統のハンドハンマリング手法を守りながらも、
職人たちの負担を減らすべくした工夫や、効率的な配置等も感じられ、
伝統製法とは裏腹に、近代化の進んだ工場であったのは驚きです。

また、アーティストとの積極的な意見交換や、
現代的サウンドとのマッチングを考えた製品開発など、
「現代のトルコシンバル」を体現し発信しているAGOP社、
そんな独自の企業努力が強く感じられました。

■ここで今回買い付けたシンバルで個人的なオススメをご紹介!

・SULTAN(サルタン)シリーズ
トルコシンバルらしい、弓矢の的みたいな?ルックスのモデル。

カップとボウの中央のみレイジング無しの仕上げで、
これによりわずかなミュート効果と、芯の強さが生み出されるようです。

あまり国内には通常入荷してこないようですが、
現地で叩き非常に気に入り購入を決めました!

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ISTANBUL AGOP Custom Series Sultan Model CRASH 16インチ 996g


ISTANBUL AGOP Custom Series Sultan Model CRASH 18インチ 1436g


ISTANBUL AGOP Custom Series Sultan Model RIDE 20インチ 2334g


試奏動画も用意してみました、
非常に素直でPOPS等にベストマッチしてくれそうです。
ライドも重めではないものの、きっちり粒立ちます。




こんなかんじで、
2日間があっとゆーまに過ぎて行きました
シンバルに囲まれ充実した毎日(笑)

さて、翌日は今回のトリ、ボスフォラス社見学です。

そちらは次回にて!


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■この記事を書いた人

松岡 武 Takeshi Matsuoka

中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します!


MATSUOKA