【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】Gibson / Custom Shop Murphy Lab Collection 1942 Banner J-45 Heavy Aged Vintage Sunburstを徹底分析！【アコースティックブランド徹底分析番外編＃1.6】

Harvest Guitarsの植松です。
前回の1.5で予告したように、今回はMurphy Lab Collectionに新たに追加された、、、Heavy AgedのJ-45を徹底解説いたします！
是非最後までお楽しみくださいませ！

Murphy Lab Collection Heavy Agedとは
J-45における1942年とは
Gibson / Custom Shop Murphy Lab Collection 1942 Banner J-45 Heavy Aged Vintage Sunburst
最後に

・Murphy Lab Collection Heavy Agedとは

これまでAcoustic Collectionには、Light Agedが主流で、極稀にUltra Light Agedが採用されていた
Murphy Lab Acoustic Collection。
今回新たなAgedモデル、、、Heavy Agedモデルが発表されました！

Aged処理レベル
ウルトラ・ライト（軽）
ライト
ヘビー
ウルトラ・ヘビー（重）

段階にすると３段階目に重く、よりヴィンテージ感の増した外観。サウンド、外観共に本当に戦中で制作されたかのような印象を受けます。
ではJ-45の歴史とともに、早速ご紹介いたしましょう！

・J-45における1942年とは

本機のリイシュー年でもある1942年。
第二次世界大戦真っ只中のこの年に、Gibson最大の名機、、、J-45が生まれました。
スプルーストップにマホガニーのサイドバック、マホガニーネックにローズウッド指板、そしてラウンドショルダーという組み合わせが特徴のJ-45。
しかしこの時期は、物資が不足していた時代。そのため様々なイレギュラー個体が制作されました。
例えば、、アジャスタブルトラスロットがないモデルであったり、通常スプルースの使われるボディトップにマホガニーが使用されたモデル、サイドバックにメイプルを使用したモデル等々、、、

ヘッド中央には、Only A Gibson is good enoughと書かれたバナーロゴが刻印され、ネックはもちろん極太ネック仕様。
49年までレギュラー仕様だったレクタンギュラーブリッジ（ロングサドル）、スキャロップト・ブレイシングが主な特徴として挙げられます。

現行のJ-45は、いわゆるドンシャリの音。コードストロークやカッティングに最適で、歌に寄り添うJ-45と思わせるような、
声を主役に置く、絶妙なレンジの狭さが特徴的ですが、戦中モデルは、サウンドキャラクターが異なっており、
レンジは広くきらびやかな高音、Martinのサウンドのように繊細で、きめ細やかなサウンドが特徴となっております。
本機も通常のJ-45と比べても、このような印象を受けます。戦中モデルならではの良さと言えるでしょう。

・Gibson / Custom Shop Murphy Lab Collection 1942 Banner J-45 Heavy Aged Vintage Sunburst

¥ 1,045,000 (税込)

さて、改めまして、Gibson / Custom Shop Murphy Lab Collection 1942 Banner J-45 Heavy Aged Vintage Sunburstをご紹介いたしましょう。

ボディマテリアルは、サーマリーエイジド加工の施されたアディロンダック・レッド・スプルース・トップ、
マホガニーサイドバック。
マホガニーネックにローズウッド指板のJ-45定番仕様スペックです。

本機の特徴の1つでもあるブレーシングには、トップのみ伝統的なニカワ接着が施されたTraditional Hand-scalloped X-bracingを採用。
もちろん、ナット、サドルは目の詰まった良質な牛骨を使用しております。戦中モデル特有のレクタンギュラーブリッジ（ロング）。
塗装は、Murphy Lab専用、マーフィーラッカーを使用。

サーマリー加工、ニカワ接着が施されたブレーシング、マーフィーラッカー、、、もうお分かりいただけますよね。
チューニングしている最中から、期待が高まるほどの音色で、和音単音ともにバランスが取れたサウンド。
通常のＪ-45と比べてやや落ち着いており、Gibsonの中で戦中モデルのサウンドキャラクターをいかにして再現するか、
試行錯誤を重ねたであろう部分が垣間見えます。

Murphy Lab一番の特徴でもあるルックス。
本機は前述した通り、ヘビーエイジドレベルが採用されているため、ライトエイジドと比べるとより荒々しさが顕著に！
特にかなり大きな塗装の剥がれが再現された、サウンドホール、ピックガード周辺の塗装。
このようなルックスをお望みになっている方も多いのではないでしょうか。
伝統的なヴィンテージサンバーストカラーや周辺の打痕や傷と相まって、まるで芸術品のようにも感じます。

ネックはやはり極太。
戦中モデルならではのこの太さは、好き嫌いが分かれる部分ではあると思いますが、このネックだからこそのサウンドがあるというか、、
これも味があるというか、、、大きく削れたネックのエイジングと相まって、握り込まれたような感触を受けます。
（個人的にはがっしり握り込めるため、指弾きをする方やがっしり握り込むタイプの方には非常におすすめです。）

この頃はフレットが20フレット仕様ではなく、19フレット。
この仕様もしっかりと再現されております！

意匠のこったヘッドのバナーロゴ、伝統的な3連式オープンバックチューナー、そして各細かな金属サビ、くすみ汚れ。
そのどれもが、このギターにおける説得力というか、雰囲気を醸し出すのに一役買っています。

Gibson特有のアーチトップ、バック機構、ニカワ接着ダヴテイルネックジョイントと前述した仕様、言うまでもなく、、、
最高峰レベルの外観とサウンドを持った一本と言えるでしょう！

・最後に

お楽しみいただけましたでしょうか。
ビンテージJ-45が手に届かない価格となってしまった今、Murphy Labをお選びいただくのは、非常にいい選択になるのではないでしょうか！
これ以外のJ-45やGibsonのアコースティックギターをお探しの方は、是非当店までお越し下さいませ！

それでは良いギターライフを！

今回ご紹介したモデル

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