Harvest Guitarsの植松です。
新たに、ブランド紹介ブログを制作いたします!
記念すべき第一回目は、アコースティックギター、エレキギターにおいて、絶大な人気を誇る「Gibson」を徹底分析していきます!
是非最後までお楽しみください!
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・目次

・「Gibson」とは
世界中の数多のギタリスト、シンガーソングライターから絶大な人気を誇る「Gibson」。
現在は、ナッシュヴィルに本社を構えており、アコースティックギター、エレキギター問わず、数多くの名機を創出。業界に与えた影響は計り知れません。
その中でも、Gibsonの誇る最大の名機「J-45」は、アコースティックギターの定番モデルの一つとして君臨し、今なお人気が衰えることはありません。
まずはそんなGibsonの鍵を握る、歴史をご説明いたしましょう。
・Gibsonの歴史
1) マンドリン制作開始~GIbson創業
MARTINと並ぶ二大ブランドである、GIbson。創業は100年以上前に遡ります。
1894年、職人であったオーヴィル・ヘンリー・ギブソンはマンドリンの制作を開始。個人制作の工房としてスタートを切りました。
そのギブソン氏が、1902年、取得していたマンドリンの特許を、5人の実業家に売却したことがきっかけとなり、the Gibson Mandolin-Guitar Mfg. Co, Ltd.(ザ・ギブソン・マンドリン・ギター・マニュファクチュアリング・カンパニー)が創設されました。
2) アコースティックギター制作開始~Gibson初のフラットトップギター
同年に、GIbson初のアコースティックギターである、Style1を発表。(後に、Style-0 Artistとコレクターから呼ばれる。)
その後、小さめのサイズ感であるLシリーズはリリースされていたものの、Style1含め、すべてアーチトップ構造で作成されていました。
この流れが変わり始めたのは、1926年。
Gibson初のフラットトップ構造のギターである、L-0、L-1を発表。
これが、GIbsonにおける、多種多様な名機の生まれた、大きな要因となったと言えるでしょう。
3)Gibson初のラウンドショルダー~ジャンボとJ-35、そしてSJ-200の開発
1929年には、当時ハワイアンミュージックが流行していたことを受け、HGシリーズを発表。
こちらのシリーズの中で、HG-24と呼ばれるモデルが登場し、これが後のJ-45の基盤となる、14フレットジョイント、そしてGibson初となる、ラウンドショルダーが製作されました。
その後、1934年に、スチール弦として初のラウンドショルダーボディ、14フレットジョイントである、ジャンボを発売。
【ドレッドノートとラウンドショルダーの違い】
ちなみに、Martinの開発した、ドレッドノートとの差異がよく議論に上がることがあります。
違いとしては、ボデイの窪みの深さによる音の違いでしょう。
ドレッドノートは、窪みが浅いため音量が出やすく、広がりやすい。対してラウンドショルダーは、窪みが深いため力強い、
泥臭いサウンドが特徴です。


(左)ドレッドノート、(右)ラウンドショルダー
1936年には、その流れを受けた、後続器である、J-35が発売されました!
1939年になると、その上位機種にあたるJ-55が発売。
流れに乗るGibsonは、1937年に、カウボーイスターであったレイ・ウィットリーに依頼され、キングオブザフラットトップの異名で知られる、SJ-200を制作。当時の最上級モデルとして発売されました。
4)GIbson最大の名器【J-45】~第二次世界大戦の影響
1942年に、第二次世界大戦が勃発。GIbsonにも、戦争による影響が次々と押し寄せてきます。
軍の徴兵による従業員不足、そして資材確保が困難になったことが影響し、J-35や上位機種であったJ-55等、
次々と販売が停止。(1937年に発売されたSJ-200も、1943年には販売が停止してしまいました。)
そんな中、それらの代替機としてサザンジャンボやL-00を開発。そしてGibsonアコースティックギターの顔とも呼べるギターが制作されました。
そう、あの【J-45】。(同年、J-45をナチュラルフィニッシュ化した、J-50も発売しています。)
今でこそハイエンドギターとして知られていますが、当時はスチューデントモデルとして発売され、廉価版のギターとして売り出されていました。
あの泥臭くて男らしさのある、迫力満点のサウンドは、この時期に作られたからこそ生まれたのかもしれません。

【Only A Gibson is good enough】
ヘッド中央にそう書かれたこの文は、満足できるのは、ギブソンだけという意味。1942年から1946年の間に生産されたJ-45に書かれており、当時のGibsonにおけるパッションを感じます。
【J-45とSouthern Jumboの違い】
同時期に発売されたこのモデルもよく比較に上がります。
J-45は質素なビジュアルなのに対して、Southern Jumboは、J-45の形はそのままにインレイやバインディング等の装飾を施されたモデル。
サウンドとしては、Southern Jumboの方が音の輪郭があり、テンション感のあるサウンド。対してJ-45は、ドンシャリ感のあるジャキジャキとしたサウンドが特徴的です。
(J-45、Southern Jumbo共に、1960年代に一度スクエアショルダーに変更がありましたが、現在はラウンドショルダーで制作されています。)


(左)J-45(右)Southern Jumbo
1944年、Gibsonは、シカゴ・ミュージック・インストゥルメンツ・カンパニーに買収されました。
5)大戦後のGibson~黄金期から現在に至るまで
第二次大戦後、フォークソングブームが押し寄せ、需要に答えるべく種類、生産本数を増大させていきます。
代表的な例を挙げていきましょう。
1946年、43年より販売を停止していたSJ-200が、仕様変更がありつつもJ-200の名前となって再生産。
51年には、その廉価版であるJ-185を製作。
さらには、まだエレアコと呼ばれる言葉が存在しなかった1951年に、ピックアップを乗せたアコギであるCF100Eを発売し、
1954年には、ビートルズのジョンレノンが使用していたことでも有名な、J160Eを発売しています。
(エレアコとしても非常に珍しい、まるでエレキギターのようなボリューム、トーンノブに、P90シングルピック・アップを搭載した一本。)
1960年代に入ると、Gibson初のスクエアショルダーとして名高いHUMMING BIRD、そしてその上位機種であるDave等、多くのアコースティックギターが発売。
現在のGIbsonレギュラーラインナップにも名を連ねる名器も多く、
特にHUMMING BIRDのサウンドは、ハニートーンと呼ばれる、J-45とはまた違ったとろけるような甘いサウンドとして有名。現在でも人気が衰えることを知りません。
その後、アコースティックギター業界全体に氷河期、それに伴うノーリン・カンパニーへの売却、
立て直し失敗による経営陣交代がありつつも、今なお人気が衰えることはなく、多くのギタリストが絶大な信頼を寄せる【GIbsonサウンド】を確立したと言えるでしょう。
・Gibsonアコースティックギターの特徴
年代別の仕様を説明する前に、Gibsonアコースティックギターの特徴を5点ほど説明していきましょう。
1)ニトロセルロースラッカー
Vintageギターには欠かせない、ラッカー塗装。昔から使われていた塗装ということもあり、Vintageリイシューモデルには、こぞって使われる塗装ですが、
GIbsonは、レギュラー、カスタムショップライン全てにおいて、ニトロセルロースラッカーが施されております。
極薄塗装のため、木の鳴りがより近くに感じられ、無骨な、男らしいGIbsonサウンドに一役買っている要因の一つと言えるでしょう。
2)ダヴテイルネックジョイント、にかわ接着
Martinも採用している、ダヴテイルネックジョイント。
ネック側の接着部分(末広がり)と、その形にあるボディの凹み溝を接着して制作されます。
その部分を接着するのが、にかわ接着!木を接着することに長けており、熱で分解することも出来るため、ギター製作に適した接着方法と言えるでしょう。
この2つを掛け合わせることで、より強固で抜けにくいネックが作られていきます。

(写真)ダヴテイルネックジョイント
鳩の尾のような形を取っているため、鳩(Dove)と尾(tail)の単語を合わせた名前となっております。
3)ドームトップ/バック
フラットに見えるGIbsonのアコギですが、実はトップとバックで、緩やかなドーム形状を取っています。
これは、ボディの対して適切なテンション感を維持するためにこの形状を取っており、その結果として、強度の増幅、音の跳ね返りが向上しレンジ感が増します。
4)オール単板仕様
アコギを選ぶうえで、一つの指標となる単板か合板の違い。
Gibsonは、J-160Eのような、大音量を前提としたエレアコのハウリング防止のため、あえて合板を選択しているもの以外は、すべて単板を使用しています。
一般的に単板のほうが音の立ち上がりが良く、豊かな倍音感のある特性を持っているため、アコギには最適な板と言えるでしょう。
5)LRBaggs製ピックアップ搭載
ピックアップが付いているエレアコに関しては、基本的にLRBaggs製を用いて製作されます。
よく見られるピックアップは、VTCピックアップですが、一部製品には、Anthemピックアップと呼ばれる上位機種が搭載されています。
ピックアップ | 機能 |
---|---|
ELEMENT VTC | ボリューム、トーン |
Anthem | ボリューム、マイクレベル・コントロール アンダーサドルのElementとマイクミックスコントロール、 フェイズスイッチ |


(左)ELEMENT VTC (右)Anthem
・年代による仕様の違い
さて、ある程度説明し終わった所で、年代による違いを3つほど、説明していきましょう。
(ここでは、代表的なものに絞ってご紹介いたします。)
1)ブリッジ
まずは、違いの出やすいブリッジから。
年代としては、大まかに4つのブリッジと、SJ-200に使われているマスターシュブリッジ、Doveオリジナルブリッジの合計6つの種類が挙げられます。



(左)レクタンギュラーブリッジ(右)ベリーアップブリッジ(右)アジャスタブルブリッジ
レクタンギュラーブリッジは、戦前から使われている伝統的なブリッジ。
対してベリーアップブリッジは、1950年代から使われ始めたブリッジ。現行のJ-45等、多くのモデルに搭載されている、最もスタンダードなブリッジと言えるでしょう。
60年代のブリッジとして有名なアジャスタブルブリッジは、56年頃からオプションとして搭載するように。
60sのOriginalシリーズにも採用されていたもので、両端のネジを回すことでサドルの高さを簡単に調整できるのが特徴的です。



(左)ベリーダウンブリッジ(真ん中)マスターシュブリッジ(右)Doveオリジナルブリッジ
お次は1968年途中に登場した、ベリーダウンブリッジ。現行で使われていることはほとんどありませんが、Custom Shopの一部製品に関しては、使っていることもあるようです。
マスターシュブリッジは、SJ-200に搭載されているブリッジで、まるで王冠かのような、特徴的なフォルム。
最上級シリーズであるSJシリーズのブリッジには、非常に相応しいフォルムであると言えるでしょう。
Doveオリジナルブリッジは、ブリッジの両端に鳩を取り入れているのが特徴的なデザイン。Doveのみの特別感が感じられます。
2)ブレイシング
アコギの要とも言えるブレイシングは、代表的なもので、4つほど。主に現行で使われているのは2つとなっております。
それぞれご紹介いたしましょう。
1954年まで使われていたスキャロップドXブレイシングは、現行のJ-45 Standard等、多くのモデルに採用されている定番ブレイシングで、Xブレイシングを削っているのが特徴。強度は高くないものの、タッチにセンシティブな印象を受けます。
対して、ノンスキャロップドXブレイシングは、現行ラインナップではあまり見かけないブレイシングで、54~55年あたりの登場。(L-00 Original Ebonyは、こちらを採用)
先程のスキャロップドXブレイシングは、Xブレイシングを削っていましたが、こちらは削り込んでいないのが特徴的で、コンプ感のあるサウンド。
ラダーブレイシングは、Gibsonの中でかなり長い歴史をもっており、代表的な機種はLG-1。
暴れ馬なサウンドとも呼ばれている、低音の少なめなサウンドが特徴的です。
SJ-200に搭載されたことを起源に持つダブルXブレイシングは、主に1970年あたりから多く使われだしており、Xブレイシングを2つかけ合わせた形状。
そのため、強度が高い設計になるとされております。
3)ネック
ネックの種類は、主に2つ。
レギュラーネックとナローネックの2つが挙げられます。




(左)レギュラーネック(右)ナローネック
レギュラーネックは、現行のネックとして使用されているものでもあり、ヘッド角度14度、42~43mmのナット幅(現行モデルは、約43.8mm)が特徴的です。
対してナローネックは、1965年ごろに登場したネック。
ヘッド角度14度、約39mmの細いナット幅が特徴的です。
・現行ラインナップ
現行のモデルラインナップは、大きく2つに分類することができます。
1つ目は、比較的お求めやすいレギュラーラインナップ、2つ目は、すべて手作業で制作されたカスタムショップラインナップとなっております。
では、より細かな内容に迫っていきましょう。
1)レギュラーモデルラインナップ
レギュラーラインナップモデルには、現代的な要素を盛り込んだモダンコレクションと、ヴィンテージの再現にこだわったオリジナルコレクションの2種類が、ラインナップされております。
今回は、モダンコレクション一番の定番機種であるJ-45と、オリジナルコレクションのJ-45Originalの60sモデルを題材に、違いをご説明いたします。


(写真)全体像。写真左がJ-45Standard、右がJ-45Originalの60sモデルとなります。


(写真)ヘッド。
Standardの方は、ヘッドロゴがキラキラした文様なのに対し、60sモデルは、60年代によく見られる金色のロゴ。
その他にも、トラスロットカバー、ナットに相違点が見受けられます。


(写真)ペグ
色も異なりますが、決定的な点が一つ。
Standardは、一つずつ独立したグローバータイプのロトマチックペグを搭載しているのに対し、60sモデルは、3つずつの塊となっている3連式クルーソンペグ仕様となっております。


(写真)ロゼッタ、ピックガード
シングルリングロゼッタのStandardに対し、60sモデルは、ダブルリングロゼッタが特徴。
ピックガードは、シンプルなティアドロップピックガードとラージピックガード。視覚的印象に大きく影響を及ぼしていると言えるでしょう。


(写真)ブリッジ
年代が現れやすいブリッジですが、Standardの方は、50年代から見られるベリーアップブリッジ。
対して、60sモデルは、56年頃から登場のアジャスタブルブリッジを搭載しております。
(補足)Standardは、VTCピック・アップが搭載されていますが、60sモデルは、ピック・アップ非搭載となっております。
相違点/機種 | J-45 Standard | J-45 Original 60s |
---|---|---|
ヘッド | パール | 金色 |
トラスロッドカバー | バインディングあり | バインディングなし |
ナット | Tusq(人口象牙) | 牛骨 |
ペグ | グローバータイプのロトマチックペグ | 3連式クルーソンタイプペグ |
ロゼッタ | シングルリングロゼッタ | ダブルリングロゼッタ |
ピックガード | ティアドロップピックガード | ラージピックガード |
ブリッジ | ベリーアップブリッジ | アジャスタブルブリッジ |
ネックプロファイル | Slim Taper | Round |
2)カスタムショップラインアップ
カスタムショップ製とは、歴戦の職人がすべて手作業で制作するモデルで、レギュラーラインナップとは一線を画します。
細かく分けると3つに分けられ、レギュラーコレクション、ヒストリックコレクション、そして最上位モデルであるMurphyLabが挙げられます。
特にMurphyLabに関しては、2023年に始まったばかりのモデルラインナップ。他のラインナップと違う点は、ずばり、Aged処理にあると言えるでしょう。
Aged処理には、軽度なウルトラライトから、かなりAged処理のされたウルトラヘビーまで、4段階のAged処理をラインナップしております。
Aged処理レベル |
---|
ウルトラ・ライト(軽) |
ライト |
ヘビー |
ウルトラ・ヘビー(重) |
(補足)現状アコースティックギターは、基本ライトAged処理がなされております。
こちらでは、MurphyLabの製品を題材に、カスタムショップ製に迫っていきましょう。
【御茶ノ水HARVEST_GUITARS】Gibson / Murphy Lab 1942 Banner Southern Jumbo Light Aged Vintage Sunburst 【S/N:21404040】

さて題材は、1942年リイシューモデルのSouthern Jumboをチョイスいたしました。ライトAgedの一本で、まるでヴィンテージギターを彷彿とさせるようなビジュアル。
ウェザーチェック、打痕、ベグのサビ具合等、レギュラーラインナップはおろか、同じカスタムショップのヒストリックコレクションからでも感じることのできない、
独特の風格のある1本に仕上がっております。
では、より詳細に迫っていきます。


(写真)トップ、バック
塗装には、ラッカー塗装が施されておりますが、他の製品と異なるのはマーフィー・ラッカーを使用している点にあります。
マーフィー・ラッカーとは、硬い性質をもったラッカーのことを指します。これにより、ヴィンテージにより近い感覚のウェザーチェックが作り出されています。


(写真)細かな詳細
細かなウェザーチェックが、ボディ全体にびっしりとついており、独特の風格に一役買っている大きな要因の一つと言えるでしょう。


(指板とネック)
ネックにもウェザーチェックがびっしりついております。


(写真)サウンドホール、ピックガード
サウンドホールラベルは、エイジングが施され、ピックガードにもストロークによる傷がしっかりと再現されております。


(写真)ヘッド、ペグ周り
ヴィンテージ特有のペグ周りの酸化、色落ち度合いを見事に再現。
ヴィンテージと見間違える完成度の高さ。肌なじみのよい演奏性。全てにおいてトップクラスのアコースティックギターで、本物のヴィンテージギターに
引けを取りません。確かに、ヒストリックコレクションにもV.O.S仕上げのようなヴィンテージに近い仕上げ方をするものもありますが、ここまで再現出来るのは、 Murphy Lab
特有の再現力あってこそであると感じます。
今後も進化を続けるMurphy Labに目が離せません。
・シリーズ(サイズ)による違い
サイズ感は大まかに4つあり、それぞれJシリーズ、SJシリーズ、Lシリーズ、Hummingbird/Dove(スクエアショルダー)に分類がなされております。
では一体何が違うのか、このブログの締めとして、最後にご説明いたしましょう。
1)Jシリーズ





まずは、Gibson一番の定番シリーズであるJシリーズからご紹介いたしましよう。
歴史の部分でも少し解説いたしましたが、ラウンドショルダー型のモデルで、ボデイの窪みが深い形状が特徴的。
一番の定番機種であるJ-45の他にも、Southern Jumbo、J-35、J-50等、多くの人気モデルの型となっております。
よく見られるのは、シトカスプルーストップに、マホガニーサイドバックというボディマテリアルで、
Gibsonのアコギと言えば、、、で想像されるような、ジャキジャキとした、ドンシャリ感のあるサウンドが一番の特徴と言えるでしょう。
2)SJシリーズ





続いてご紹介するのは、Jシリーズを更に大きくしたSJシリーズ。
キングオブザフラットトップの異名で知られる、SJ-200が代表的なシリーズで、位置づけ的には、J-45よりも上のグレードとされております。
マスターシュ型のブリッジやヘッドのクラウンインレイ、ジャンボボディは、フラットトップギターの最高峰モデルであることを言わしめるかのような風貌。
SJ-200は、シトカスプルーストップに、メイプルサイドバックというボディマテリアル。
風貌だけではなく、サウンドも最高峰であることを表すかのような上品なサウンドで、まるで味付けのされたような音色をしております。
3)Lシリーズ





お次は、小さめのサイズ感で人気のあるLシリーズ。
紹介するシリーズの中でも最も歴史が長く、言わば、今の人気機種の元祖と言っても過言では無いでしょう。
ラウンドショルダーよりも、ボデイの窪みが深い形状で、肌なじみの非常に良い感触。
一番人気は、L-00 Standard。モダンコレクションの一つで、モダン仕様である、細めのスリムテーパーネックシェイプを採用しています。
ボディマテリアルは、シトカスプルーストップにマホガニーサイドバックの組み合わせが多い印象。
小柄なサイズ感とは思えない大迫力のサウンドで、バランスも良く、だれでも演奏しやすい、演奏性の良さが特徴と言えるでしょう。
4)Hummingbird/Dove
最後にご紹介するのは、スクエアショルダー型のモデルである、HummingbirdとDove。
ボディの型が一緒ではございますが、細かな仕様が異なっているため、別々にご紹介いたします。





まずは、Hummingbirdからご紹介いたしましょう。
1960年に、Gibson初のスクエアショルダー型として登場し、独特な甘いサウンドは、ハニートーンという異名で知られています。
非常に目を引くピックガードのハチドリは、デザイナーであるハートフォード スナイダー氏によって編み出されたもので、Hummingbirdのアイデンティティーとも言えるでしょう。
バランスの取れたサウンドで、主張が強すぎないためか、甘いアルペジオやフィンガーピッキングはもちろんのこと
以外にもコードをかき鳴らすストロークにも最適。Gibsonの中でも、特にオールマイティーなギターです。





最後にDoveのご紹介。
Doveの登場は1962年で、Hummingbirdの上位機種として販売されたことは先程ご紹介いたしました。
そんなDoveですが、中でも目を引くのは、、、そう、ピックガードとブリッジ。Hummingbirdよりも豪華な装飾で、白色のハチドリが座っている部分は、美しいと思うのと同時に、圧倒されるような存在感を放っております。
サウンド面に関しましては、軽快でクリアなサウンドで、温かみのあるHummingbirdとは対象的なモデルです。
同じサイズ感なのに、ここまでサウンドが変わるのかと疑問に思う方も多いはずですが、これには、、、ボディ材とスケールに秘密が隠されております。
表にしてご覧いただきましょう。
相違点/機種 | Hummingbird | Dove |
---|---|---|
ボディ材 | シトカスプルーストップ/マホガニーサイドバック | シトカスプルーストップ/フレイムメイプルサイドバック |
スケール | ミディアムスケール(Gibsonスケール) | ロングスケール(Fenderスケール) |
まず1つ目は、ボディ材にフレイムメイプルが使われている点。
マホガニーの甘く温かい、中音域の出やすい特性とは異なり、音質が固く歯切れのよい、高音域が特出して出るのがメイプルの特性のため、あのようなサウンドの印象につながったのでしょう。
2つ目は、ロングスケールを使っている点。
J-45や、L-00のようなギブソンの基本モデルは、通常ミディアムスケールを使用しているのに対し、SJ-200、Doveは、ロングスケールを使用しております。
ロングスケールのような長いスケールは、テンション感が強く、きらびやかでクリアなサウンドになるため、ミディアムスケールを採用しているHummingbirdとは、対象的な印象を感じるのでしょう。
相違点/機種 | J-45 | SJ-200 | L-00 | Hummingbird | Dove |
---|---|---|---|---|---|
ボディシェイプ | ラウンドショルダー | ジャンボ | スモール | スクエアショルダー | スクエアショルダー |
ボディ材 | シトカスプルーストップ/マホガニーサイドバック | シトカスプルーストップ/フレイムメイプルサイドバック | シトカスプルーストップ/マホガニーサイドバック | シトカスプルーストップ/マホガニーサイドバック | シトカスプルーストップ/フレイムメイプルサイドバック |
ネック | マホガニー | 2ピースメイプル | マホガニー | マホガニー | マホガニー |
指板/ブリッジ | ローズウッド | ローズウッド | ローズウッド | ローズウッド | ローズウッド |
スケール | ミディアムスケール | ロングスケール | ミディアムスケール | ミディアムスケール | ロングスケール |
(補足)ネックシェイプ、ブレイシングは、コレクション等によって大きく変わるため、今回は省略させていただきました。
ネックシェイプに関しては、モダンコレクション→スリムテーパー(細め)、オリジナルコレクション→ラウンド(太め)であることが多いです。
・最後に
いかがでしたでしょうか。
Gibsonに対する知見が、大きく広がれば何よりです。
このような知識がついた状態で楽器店に行くと、また違った面白さがあると思いますので、是非お立ち寄りになってみて下さい。
ご来店お待ちしております!
それでは良いギターライフを!
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