【Fender】(Vol.2) 過去シリーズを解説!-日本・メキシコ編-【イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア】

***

さて、ここからは(日本・メキシコ)製過去シリーズの解説に入ります。
とはいえUSA製シリーズと比べるとかなり内容は軽くなります。
まだ Vol1.をご覧になっていない方は、サラッとでもお目通し頂けたら幸いです。

【Fender】過去シリーズを解説!Vol.1-USA編-【イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア】

<目次>

<ご注意点>

※Vol.1と同じ内容となりますので、前回の記事をご覧いただいた方は読み飛ばしてください

※記事で取り扱うのは過去のUSAシリーズが中心となります。メキシコと日本のラインは重要なシリーズや押さえておくべきポイントをピックアップしており、完全網羅ではございませんのであらかじめご留意下さいませ。

※また記事では各シリーズごとに価格帯を示しておりますが、前回の記事と同様販売価格は変動しますのでご了承下さいませ。あくまでもブログ執筆時(2026年4月初旬)の相場価格となります。
(価格競争が発生しにくいため、特に中古商品は新品よりも目まぐるしく金額が変わる(基本的に高くなる)傾向にございますので、その点も踏まえてご検討いただければと存じます。)

※シリーズごとの相場価格は、ストラトキャスターやテレキャスターを基準に表記したものです。(ジャズマスター、ジャガー、ムスタングなどでは、同じグレードでも金額が上がる傾向がございます。)

※ご案内の流れの中で、弊社の通販サイトにて出品している商品をピックアップしている箇所がございますが、価格に関して上記の点と同じく、予告なく変更となる場合がございます。
また該当の商品の販売後、自動でブログから消去されるようなシステムは組んでおりませんので、売り切れとなっていた場合はご容赦いただきますようお願い申し上げます。
(基本的に商品ページのジャンプしていただければ在庫情報が確認できるようになっておりますが、こちらも完全リアルタイムではございません。迅速な情報更新を心がけてはおりますが、お求めの際は各店舗へ直接ご確認いただくことを強くおすすめいたします。)

以上をご確認の上、本稿を読み進めていただければ幸いです。

それでは、今回もよろしくお願いいたします!

・余談

前回の投稿で非現行品のUSAシリーズについてお話いたしました。なかなか全てに目を通すのは大変だったかとじます。
この情報量が物語るとおり遠い昔から現在に至るまで、エレキギターの「本場」はアメリカだったのは事実です。

一方その頃、日本では Fender ギターのコピーモデルが大流行。(※)直近のニュースでストラトキャスターのボディシェイプに、著作権が認められたことが話題になりましたが、当時の状況にFender が取った対策は「訴訟」ではなく「包摂」でした。これがかの「Fender Japan」の起源です。

PR TIMES -フェンダー、「Stratocaster®」ボディデザインの著作権保護に関する重要判決を獲得-(2026/3/10)

流れをキッチリ追いたい方は上のページをご覧ください。ここでは概要を簡潔にしつつ、個人的な本件の捉え方についてお話します。

まず要点は次のとおり。

  • フェンダーが自社製品のコピーモデル製造元を相手に訴訟を起こした
  • Fender勝訴、ストラトに「著作権」が認められる
  • 今後、ヨーロッパ圏で同じようなことをしたメーカーは同様に罰せられることになる

最大限簡略化するとこんなところでしょうか。

もちろん販売員としては今後の市場の動向を気にするべきですが、本稿では少し違う角度から振り返ってみます。

2026年3月9日付のFMIC公表によれば、デュッセルドルフ地方裁判所は、Stratocasterのボディデザインにドイツおよび欧州著作権法上の広い保護が及ぶと判断した。FMICは、このデザインが「応用美術の著作物」に当たり、単なる機能形状ではなく、独創的な創作表現を含むと説明している。
~(中略)~
この法理のもとでは、Stratocasterのボディが、演奏性や人間工学だけから機械的に決まった形ではなく、輪郭、曲線、コンター加工などに創作的選択が含まれているなら、著作権保護の対象になり得る。FMIC公表も、今回の判断は「純粋に機能的なデザインではなく、独創的な創作表現を反映している」と明言している。

引用元: PR TIMES -フェンダー、「Stratocaster®」ボディデザインの著作権保護に関する重要判決を獲得-(太字や下線による強調はブログ作成者による)

「著作権」と似たようなもので「意匠権」というのがあります。
「著作権」は表現自体や引用部にもある「応用美術の著作物」を保護するためのもです。一方「意匠権」は主に日用雑貨や家電などの広く「工業製品」(厳密に言えばその「デザイン」)の保護を目的とします。
そしてこの一連の流れで、「『Stratocaster®』のボディシェイプが『意匠権』ではなく『著作権』で保護された」ことが重要です。

ここで今一度、「Fenderのギターは『道具』である」という主張を思い出してください(前回記事参照)。この判決結果から上の主張は破綻する可能性を見せました。
少なくとも(少し大袈裟に言いますが、)「Fenderのギターはただの『道具』でしかない」という主張は、完璧に否定されたことになります。

そんなことを考えているうちに、この言説に初めて触れたときに感じた、わだかまりのようなものの正体がわかりました。

「道具」という表現に含まれる、ブランドの歴史や先人たちの悪戦苦闘の跡、エレキギターという文化の背景にあるストーリーを蔑ろにするようなニュアンス、これが私は快く思わなかったのだと思います。
演奏活動を合理化していった結果産まれたただの副産物のようなモノとして、弾きやすいだけで面白みや深みのない楽器だと、Fenderのエレキギターが定義づけられているようで、なんだか嫌だったんだとわかりました。
(もちろん自分が未熟だったが故にこうした捉え方をしただけで、実際にそれを言うほとんどの人はFenderのギターの汎用性や万能さを称えるニュアンスで言っている訳でしたが笑)

楽器屋店員やメーカー関係者、ギター職人(特にキャリアが長い人)などによくみられる、「ブランド至上主義」のような思想は自分には無いと思っています。
ただ、流石に毎日そのギターやブランドと向き合っていると、思い入れや愛着のようなものを抱いてしまうものなのかもしれません、、

さてFenderとしては、ストラト風のボディを基調とする全モデル全ブランドを撲滅する意図がないのは明らかです。
しかし一部で悪質なコピーモデルが流通しているのもまた事実で、それらに対する警鐘の意を込めての立ち回りだと、私は捉えています。

本件はFenderが様々な意味で「ブランドを守る」ためにとった防衛策だと思うので、エレキギターというコンテンツや市場のバランスが完全崩壊するようなことにはならないのではないかと、やや楽観的に状況を見ています。

とはいえ、同じ業界にいる人間はしばらくの間その動向を注視せざるを得ないでしょうね。同時に周りの目もありますので、業界に深く関わっている人ほど、(特にSNSなどで)言及を避けている印象も受けます。私もそれに倣って、ひとまずはニュートラルな態度でコトの顛末を見守っていく所存です。

Fender Japan(1982-2015)

お待たせいたしました。満を持してこの題材に切り込んでいきます。

皆様とっくにご存知かもしれませんが、Fender Japan Fender Made in Japan は実は異なる運営母体です。

Fender Japan の各モデルをすべて取り上げていてはキリがないので、ここでは以下の2点を抑えて頂ければと思います。

①モデル名の表記について
数字とアルファベットの組み合わせになっているけどよくわからないという方へ。

②製造年について
結局いつのフェンジャパを探せばいいのか途方に暮れている方へ。
「当たり年」って?
「JVシリアル」とか「Eシリアル」って?

順番に確認して行きましょう。

モデル名の表記について

【中古】FENDER JAPAN / ST57-70 (Tobacco Sunburst)【福岡店】

Fender Japan のモデル名は次のように表記されることが一般的です。

◎◎〇〇-△△

そして画像のストラト(ST57-70)に当てはめると、次のように分解可能です。
◎◎=ST | 〇〇=57 | △△ =70

以下の解説をお読みいただければ、このモデル名(文字ヅラだけ)からおおよそどのようなギターかが分かるようになります。
当初より各モデルの型番に正式名称としてあてがわれていた表記なので、当店含めほとんどの楽器店で共通の原則となります。
基本的な考え方をチェックしてください↓

***

◎◎〇〇-△△

exe) TL52-65

上記のモデル名表記について、以下のような法則が成り立ちます。

◎◎=機種名(モデル)
※テレキャスなら”TL“、ストラトなら”ST“、ジャズマスなら”JM“…といった具合です。
ジャガー→”JG” / ムスタング→”MG“ / シンライン→”TH“ / ジャズベース→”JB“ …など

〇〇=年式(スペック)
※52年のスペックのテレキャスであれば”TL52“、62年スペックのストラトなら”ST62“…
若干の知識は必要ですが、例えば “ST57”なら「メイプル指板」、”ST62”なら「ローズ指板」”ST72”なら「ラージヘッド」で…ということもわかります。

△△=金額(グレード)
当時の販売価格を示します。
exe)
6万5千円で取引されていたものは”◎◎〇〇-65
8万円で取引されていたものは”◎◎〇〇-80
11万5千円なら”◎◎〇〇-115” …
つまりハイフン(-)の後ろにくる数字が大きいほど高いグレードのモデルということがわかります。

***

このように (機種)(年式)-(価格)” の順で表記されるのがならわしです。(当時のカタログなどでも基本的にこのかたちで表記されています)

以上を踏まえると例のTL52-65″
52年式の¥65,000-で取引されていたテレキャスターであるということがわかります。

※「◎◎〇〇-△△」の後ろに”TX”や”US”や”LS” と付いているものがありますが、後ほど説明するので一度棚上げでお願いします。

⚠️ご注意⚠️
当時と現在では金額に対するグレードの感覚が著しく異なります!

例えば ”TL52-65” は上述の通り販売価格:¥65,000ということになりますが、Fenderの新品の金額としてどのような印象をお持ちになりますか?
現在の市場を少しでも知っている方は「かなり安い」と思われるはずです。もはや、現在6万円台のギターを買おうと思ったら、Fenderの新品は基本的に選択肢から除外されます。
万が一この金額で新品の Fender が売られていたら少し警戒した方が良いレベルです。
(この価格帯はちょうど、エントリーブランドのSquier のClassic Vibe シリーズぐらいの金額となります。もう数年もすれば、Squierの方が高いなんて状況になるでしょう。)

景気や経済成長の影響はもちろん、楽器自体の価値高騰も要因となりこのような状況になっています。「モデル名でハイフン(-)の後ろ2桁はグレードを示す数字であること」は知識として入れておくべきですが、「その数字(金額)を現在の市場価値にそのまま転用するのは誤りであること」も頭の片隅に置いておいて頂ければと思います。
実際に例に挙げた ”TL52-65“ は現在の中古市場で、多少状態が悪くても(傷などが多く入っていても)10万円前後の値がつくのが相場です。初期の個体、それこそJVシリアル(後述)のような個体は、20万円以上の値がついても違和感はないです。自分の短いキャリアのなかでも、JVシリアルの”TL52-65“が30万円近い金額で実売が出たこともありました。

モデル名の読み解き方はよろしいでしょうか。
以下のモデルを練習問題がてら、実例として見てみましょう。

Q.このモデルはどんなギターでしょうか!

「JG66-85」

正解は…

FENDER JAPAN / JG66-85 3Tone Sunburst

モデル名が”JG66-85″なので、
A. 66年式の¥85,000-で取引されていたジャガー
となります。

フェンダージャパンのモデル名の基本は以上でバッチリです!
以下の内容はもう一歩踏み込んだお話になります。

補足)モデル名にイレギュラーでアルファベットが更に付いている場合(◎◎〇〇-△△□□など)

exe) “ST58-70TX
ほとんどの場合、これはピックアップについての表記となります。
”TX“→PUに Texas Special を搭載
つまり58年スタイルのテキサススペシャルピックアップを備えたストラト(販売価格:¥70,000-)」を意味します。

<その他PUとその略称>
“US”や”AM”=アメリカ製のピックアップ
“LS”=Lace Sensor
“SD”=Seymour Duncan


“SPL”=大幅改造/複数種類のピックアップ
※Special の略
(ややマニアックですが、”DRAGSTER”というハムバッカーが載っていることもあります。)

当時のハイグレードなモデルには、PUをアメリカ製の高価なモノにして製造されていた機種が数多く存在しました。イレギュラーな表記の、体感8割ほどはこのケースです。

その他イレギュラーな表記があるとすれば

カラー(フィニッシュ)が補足されている場合
exe) “ST57-55CAR
→CAR=Candy Apple Red
5万5千円で販売していた57ストラト(ボディカラーがキャンディアップルレッド)

exe) “ST-65SP
SP=スパークル
※特別仕様や史実にないスペックのモデルは年式が省略される場合あり

・スペックを補足する場合
exe)”ST72-70MN
→72ストラトはローズ指板の可能性もあるので指板材を補足(メイプル指板の70s ストラトであることを示唆)
※ローズ指板ならRW(ーズッド)、メイプル指板のMNは(イプルック)の略です。MP(ル)でないのは、もう「そういうモノ」だと思っていただく他ございません、、

exe)”ST72-85SC
SC=スキャロップ(指板)

exe)”TL62B-80”
B=バインディング(ボディエッジ)

他にも多数例はありますが、あくまでイレギュラーパターンのオマケです。基本形の “◎◎〇〇-△△” さえ抑えていればそこまで混乱は無いかと存じます。

フェンジャパのモデル名については以上でマスターしたとお考えいただき差し支えございません。
次は製造年についてご案内します。

製造年について

その個体の製造年はシリアルナンバーを参照すると知ることができます。
本稿では製造年ごとに3つの時期(世代)に分類してご案内します。

***

<第1世代>
「日本製」を示す刻印が “MADE IN JAPAN”

・JV+5桁 MADE IN JAPAN 1982年-1984年
↑これが所謂「JVシリアル」です!

・SQ+5桁 MADE IN JAPAN 1983年-1984年
↑超高評価されている初期のSquier
※今でこそエントリーブランドですが、この時期は別物と言って良いほどのクオリティで、JVシリアルと並ぶ「ジャパンヴィンテージ」の筆頭格です。後年一部のアーティストが愛用していた背景もあり、逆に箔が付いているように思えます。

・E+6桁 MADE IN JAPAN 1984年-1987年
↑「Eシリアル」

・A+6桁 MADE IN JAPAN 1985年-1986年
・B+6桁 MADE IN JAPAN 1985年-1986年
・C+6桁 MADE IN JAPAN 1985年-1986年
・F+6桁 MADE IN JAPAN 1986年-1987年
・G+6桁 MADE IN JAPAN 1987年-1988年
・H+6桁 MADE IN JAPAN 1988年-1989年
・I+6桁 MADE IN JAPAN 1989年-1990年
・J+6桁 MADE IN JAPAN 1989年-1990年
・K+6桁 MADE IN JAPAN 1990年-1991年
・L+6桁 MADE IN JAPAN 1991年-1992年
・M+6桁 MADE IN JAPAN 1992年-1993年
・N+6桁 MADE IN JAPAN 1993年-1994年
・O+6桁 MADE IN JAPAN 1993年-1994年
・P+6桁 MADE IN JAPAN 1993年-1994年
・Q+6桁 MADE IN JAPAN 1993年-1994年
・S+6桁 MADE IN JAPAN 1994年-1995年
・T+6桁 MADE IN JAPAN 1994年-1995年
・U+6桁 MADE IN JAPAN 1995年-1996年
・V+6桁 MADE IN JAPAN 1996年-1997年

<第2世代>
「日本製」を示す刻印が “Crafted in Japan”

・N+5桁 Crafted in Japan 1995年-1996年
・A+6桁 Crafted in Japan 1997年-1998年
・O0+5桁 Crafted in Japan 1997年-2000年
・P0+5桁 Crafted in Japan 1999年-2002年
・Q0+5桁 Crafted in Japan 2002年-2004年
・R0+5桁 Crafted in Japan 2004年-2006年
・S0+5桁 Crafted in Japan 2006年-2008年
・T0+5桁 Crafted in Japan 2007年-2008年

<第3世代>
「日本製」を示す刻印が “Made In Japan”

・T0+5桁 Made In Japan 2007年-2010年
・U0+5桁 Made In Japan 2010年-2012年
・JD+年数の下2桁+6桁 Made In Japan 2012年-
※Fender Japan から Fender Made in Japan になった現在においても ”JD◯◯(年数下二桁)〜“ の法則は継続しています。
exe)今年(2026年)製造の個体は ”(Made In Japan) JD26〜“ から始まるシリアルナンバーとなります。

***

年表の丸暗記は必要ありません(ググればすぐ出てきます)。
抑えるべきは「日本製」の意を示す刻印です。

“MADE IN JAPAN” / “Crafted In Japan“ / ”Made In Japan”
の3パターンがございます。

これを製造年ごとの分類(第1〜3世代)に採用しております。
この「日本製」刻印の切り替わりのタイミングは、ギターの製造体制の転換点でもあるからです。

まず、わかりやすいのは第2世代の “Crafted In Japan” 表記です。
Craft =組み立てる(組み込む)
と覚えていただけると良いかと思います。

工場内で組み込みのみを行なっていた時期のFender Japan はそのような意味でCrafted In Japan” の刻印が入っております。

続いて「メイドインジャパン」は”MADE IN JAPAN“ と “Made In Japan” のふた通り表記がありますが、第1世代(初期)はすべて大文字の ”MADE IN JAPAN“ 、第2世代(“Crafted In Japan”期)を経て、第3世代(大文字小文字混合)の “Made In Japan” に変化していきます。

2種類の「メイドインジャパン」の間に「クラフテッドインジャパン」の時期が挟まっている形ですね。
( “MADE IN JAPAN” → “Crafted In Japan” → “Made In Japan” )

どの時期の個体が良いかは人それぞれ・モデルそれぞれですが、一般に「JVシリアル」「Eシリアル」と呼ばれる人気な時期は、 “MADE IN JAPAN” 刻印の時期、つまり第1世代の個体です。

すなわちフェンジャパでギターをお探しの場合は、「日本製」を示す刻印が “MADE IN JAPAN” のものからご検討いただくことをオススメします。
(その中でも特に「JVシリアル」や「Eシリアル」、場合によっては「SQシリアル (Squier)」は特にチェックすべきだと考えます。
※もちろん初期の個体であるほど金額は上がりますので、ご予算に応じてご検討くださいませ。)

***

現在のスクワイアーといえば、「価格の割につくりがしっかりしている」と、Fender と価格を比較しての「お手頃さありき」で高い支持を得ていますが、ゴールデンエイジのSQはそんなレベルではありませんでした。

一部のレジェンドギタリストがライブでも使用するレベルで評価していたのが、そのクオリティの高さを物語っています。



スクワイアーのストラトを演奏するイングウェイ(Yngwie Malmsteen)
Evil Eye | Yngwie Malmsteen, Alcatrazz 1984
※画質は良くないですが、動画の3:00-3:10ぐらいのところとか分かりやすいです

あとはやはり、ビートルズのジョージ・ハリソン(George Harrison)が(流石にサブ機として、のようですが)愛用していたエピソードはあまりにも有名です。

TIL that George Harrison used a cheaper Squier Stratocaster instead of a more expensive Fender at The Prince’s Trust Rock Gala in 1987

稀に中古で入りますが、SST-(30/33/36/45/50)こと Silver Series (当時の日本製Squierライン)の個体は、やはり恐ろしく音が良いです。上に述べた背景もあり、金額は右肩上がりになっていますが(直近で見たのはSST-33で10万円ぐらいだったと思います)それでもなお、イカれたコスパしてると思います。

8万円代で見かけたら即買いでも良いかと。最低でもサブ機は務まるのではないでしょうか。ここからもさらに価値が上がるでしょうしね。

フェンジャパの文脈でジョージハリソンときたらオールローズテレにも触れざるを得ません。

Fender Custom Shop George Harrison Tribute Rosewood Telecaster 税込販売価格:1,922,400円

画像はカスタムショップ製のモデルですが、フェンジャパ時代の通常ラインのモデルは前回入荷時に40万円ほどだったと記憶しております。(しかも即売れ!)
音出ししてみて思ったのですが、意外にテレキャスらしいジャキっとした音を出すんですね。ローズ指板の音の傾向から“オールローズ“テレとあれば、甘くしっとりした音が出るとイメージしていました。どちらかといえばアルダーよりアッシュボディに近い印象でした。チャキチャキさせたり、意外とファズに突っ込んで暴れさせたりも出来そうです。あとはルックスが流石に良すぎます。見た目の上品さとサウンドのギャップも相まって、私はかなり気に入ってしまいました。

Squier 伝説(+α)
-完-

***

今日では「ジャパンヴィンテージ」という言葉も違和感なく使われるようになりましたが、こう呼ばれるのもこの頃のギターたちです。
上位シリーズの“EXTRAD”モデルもこの時期に製造されております。
国内外問わず引く手数多で、入荷してもすぐ売れてしまいます。ご来店時に発見したら運が良かったと思って、ぜひお試しください!

ひとまず Fender Japan は以上になります。
より深く細かいところまで知りたい方は、当時のフェンジャパカタログのアーカイブや、楽器店のスタッフ(フェンジャパ全盛期のころから現役だったベテランが好ましいです)の話をご参考にして頂ければと存じます。ボディやネックのスタンプ、限定モデルやオーダーモデルについてなど、語る題材は尽きません

▼オススメのサイト▼
楽器カタログの世界-70年代から90年代 ギター、キーボード、エフェクター、アンプのカタログたち-

引用元:https://guitar-catalog.com/guitar-and-amp/fenderjapan/1983-twang1/sp_jp_03.html

冒頭でご紹介しました楽器関連カタログのアーカイブが載っているサイトです。楽器好きなプレイヤーやディーラーにとって、宝の山のようなサイトですので是非訪れてみてくださいませ。(もちろんフェンダーブランド以外の資料も豊富にございます。)

Pawn Shop (2011〜2014)

スタンダード系(?)

◯Jaguarillo

「もしこんなモデルがあったら?」という架空のモデルのラインナップを持つ、Pawn Shop (読み方:「ポーン・ショップ」)シリーズのご紹介です。
主にメキシコで展開していたシリーズですが、いくつかのモデルは Fender Japan でもリイシューモデルで製造していた経緯がございます。

画像はJean-Ken Johnny氏 (MAN WITH A MISSION) が出逢った、Fender / Pawn Shop Jaguarillo (ご本人のモデルはCandy Apple Red のフィニッシュ)です。
シグネイチャーモデルのFender / Jean-Ken Johnny Jaguarは各所にこの元ネタへのリスペクトがあり、現行品で唯一ともいえる”Pawn Shop”のDNAをもつモデルです。

Fender / Jean-Ken Johnny Jaguar

音楽サイト “MusicRadar” では、Pawn Shop は次のように説明されております。

These Mexican-made additions maintain this line’s mix ‘n’ match approach, by borrowing and blending parts and design features from various existing instruments to create Fenders that ‘could have been’ – either officially, or as the result of some serious aftermarket alterations.

出典:Musicradar-Fender Pawn Shop Jaguarillo review-
https://www.musicradar.com/reviews/guitars/fender-pawn-shop-jaguarillo-570454

<和訳(超ざっくり)>
メキシコ製のこれらのモデルは、既存の様々な楽器からパーツやデザインの特徴を借りて組み合わせることで、「あり得たかもしれない」フェンダーギターを生み出すという、このシリーズのミックス&マッチのアプローチを踏襲しています。これは公式に発売されたものもあれば、アフターマーケットでの大幅な改造によって実現されたものもあります。

ちなみに、”Pawn Shop”は「質屋」を意味します。
ギタリストの皆様の中に眠る、「存在しない記憶」(存在しないモデル)を再臨させようという、なかなか面白い試みではあったようです。
一方でこうした個性がフェンダーに求められていたのかは、議論の余地があります。
レアモデルなのは間違いないのですが、取引価格などを見るとプレイヤーの需要にはあっていなかったのかもしれないです。流通量が少ないのでコレクション的価値は高いはずですが、それが顕在化するのはもう数年先になりそうです。
他の “Pawn Shop” シリーズたちも、せっかくなのでご紹介させていただきます。

◯ Stratocaster Deluxe

引用元: Gear4music Fender Pawn Shop 70s Stratocaster Deluxe, MF, 2-Color Sunburst

初っ端から印象的なギターです。
モデル名に「70s」って入っちゃってますからね。普通ヴィンテージ系シリーズでしか使わない表現です。世界観からガッツリ固めてます。

◯ Offset Special

引用元: BARKS Fenderから「PAWN SHOP SEIRIES」登場、60年代後半から70年代中頃のエキセントリックなモデルにインスパイア

これもなかなか強烈。
「ジャズマスター+シンライン」のようなコンセプトなのでしょうか、、

◯ Super Sonic

引用元:Still Kickin Music FENDER PAWN SHOP SUPER-SONIC MINT! 2013 Orange Flake Offset Guitar +Bag HH 59247

お恥ずかしながら、このモデルは全く知りませんでした。いずれのモデルとも異なるオフセットボディに、ハムバッカーが2発、Fenderではこのモデルにしか使わないであろう形のピックガードとコンパネ、挙げ句の果てにはリバースヘッドと、何から何まで異端なギターです。(アンプの型名と被る)「スーパーソニック」という名称も、このモデルが認知されにくい状況を後押ししていると推測できます。
一体全体どんなサウンドなのでしょうか、、

◯ 番外編:Jag-Stang

引用元: PR TIMES カート・コバーン 伝説のフェンダーギターが復刻『KURT COBAIN JAG-STANG®︎』2021年10月13日(水)より販売開始

この手のコラージュ的発想で誕生したモデルで、1番有名なのはこちらだと思います。「番外編」としたのは、Pawn Shop シリーズでは製造されていないためです。
というより、考えてみれば Pawn Shop でやりたかったことって「第2のジャグスタング」を生み出すことだったのではないかと思います。
既存のモデル同士を掛け合わせ、新たなる・個性的なスタイルのモデルを誕生させたいという願いは、グランジやオルタナティブに代表されるカウンターカルチャーの思想と通ずるところがあります。
実際の認知度はこの項をご覧の皆様が感じている通りというのが現実ですが、、

KURT COBAIN JAG-STANG®

そもそも “Jag-Stang” は、カルト的人気と影響力を持っていた Kurt Cobain (Nirvana) の存在ありきでここまで広まったので、あの規模のムーブメントを起こすのは容易でないでしょう。ただそんな文化的背景に想いを馳せると、なんだか魅力的なモデルにも見えてきます。コレクターズアイテムとして、「ビザール風 Fender」というのは悪くないと思うので、数十年後に超高額で取引される時代が来るかもしれませんね。

その他限定モデル
(Limited Edition など)

Aerodyne Special Stratocaster
Fender / Made in Japan Limited Cyclone (2024年の限定モデル)

CycloneAerodyne など、限定モデルや復刻シリーズも定期的に市場へ投下されます。
直近では “Kusumi” という日本製限定シリーズ(モデル)が印象的でした。

◯Kusumi

Fender / Made in Japan Limited Kusumi Color Telecaster Thinline (2025年の限定モデル)

Pawn Shop が「コラージュ」だとすると、これらは「再構成」や「再解釈」といった表現が適当でしょうか。エアロダインもKusumiも、それぞれストラトやシンラインを基盤にしてはいますが、それに独自の要素を盛り込んで設計されています。

このように伝統を重んじつつも、かなりのハイペースでチャレンジ精神あふれるモデルが発表されています。現段階では詳しくご案内できませんが、今年も様々な新商品が解禁される予定です。引き続き店頭やSNSにて情報をチェックして頂ければ幸いです。

(宣伝): ISHIBASHI FSR

限定モデルといえば、わたくしトウガサキが考案したFSR(Fender / Factory Special Run)のモデルも発表となりました↓

Fender / ISHIBASHI FSR Made in Japan Traditional 60s Telecaster Sherwood Green Metallic

▼ブログでも紹介してます▼
【Fender】当店スタッフ考案の限定モデルが解禁!ISHIBASHI FSR Made in Japan Traditional 60s Telecaster Sherwood Green Metallic

→初回入荷分完売しました!
まことにありがとうございます。
追加オーダーを検討して貰っているので、次回の入荷をお待ちくださいませ。

イシバシ楽器限定販売のフェンダー・FSR “ファクトリー・スペシャル・ラン” をご紹介!

新作のFSRは上でご紹介した自分の考案モデルも含めて7モデルが解禁となりました!
デジマートマガジンに掲載いただきましたので、よかったらチェックしていただきたいです!

【Fender】イシバシ楽器限定の日本製FSRストラトキャスター2機種&テレキャスター3機種&ジャガー2機種

その他多数のオーダーモデルを展開中です!
ロングセラーで展開している現行モデルもございますが、いつどのモデルが生産終了になってしまうかわかりません。
価格もしばらくは右肩上がりになってしまうでしょうから、お好みのモデルがあれば即買いを強くオススメします!

・終わりに

かなりの長編になってしまいましたが、これで以上になります。
非現行品は製造と運営の体制が、時間(時期)と場所(製造国)の2軸で異なりますので、体系化がかなり困難です。(現行品であれば、同じ Fender の運営によって展開されているので、特定の観点からその時点の各シリーズを語るのは比較的容易です)。
しかしながらこれをしないと、モデルのコンセプトや各シリーズの位置付けが判然とせず、いざ新しいギターをお求めの際に迷いが絶えません。
単純な比較ができないシリーズ同士も、なるべく相互の関係が見えるように整理したつもりです。
ご希望に沿って適切な一本をお選びいただくために、目の前のモデルがブランドの中でどういった位置づけなのかを把握すると、ご検討がグッと楽になるかと思います。その手段として本記事を使い倒して貰えれば、書き手としては嬉しい限りです。

去年末の現行シリーズの解説記事と併せて、前回/今回 の非現行シリーズの解説記事に目を通して頂ければ、多少詳しい相手と Fender について語っても、知識で遅れを取ることはまずあり得ません
もっとも、プレイヤーや一般のお客様はそんな場面に遭遇すること自体、なかなか無いかもしれませんが、、

まだ歴の浅いキャリアですが、当店のフロア特性上、ほとんどの業務でこのブランドと向き合ってきました。
そして現時点までで得られたものを 前々回(現行品)/前回(USA非現行品)/今回(Mexico・Japan非現行品) と3つの記事で整理し、出し切ったつもりです。

Fender エレキギターにおいて、残る領域は「カスタムショップ」と「ヴィンテージ」です。
なお、この2つはこういった総まとめ的な記事を作成する予定はございません。体系化が必要なほど多岐にわたるモデル展開ではないからです。価格帯も踏まえると必然的に そのモデル/その個体 と、じっくり向き合ってご検討いただくスタイルになるかと存じます。
そのための予備知識として、新旧各シリーズの全体像を捉えていることは役に立つかもしれませんが。いずれにせよ、当店で Fender をお求めいただくすべての方へ、プラスに作用する情報発信を目指してまいります。

レギュラーラインの Fender で、お悩みのことがございましたら【イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア】にお任せ下さい。
まだまだ勉強中の身ですが、もっともっとブランドへの理解を深めて、皆様にベストなご案内ができるよう精進いたします。

それでは、今年度も気合を入れて店頭でお待ちしておりますので、是非お立ち寄りください。
何卒よろしくお願いいたします!

イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア
担当:東ヶ﨑(トウガサキ)

店舗情報

イシバシ楽器御茶ノ水本店

OCHANOMIZU HONTEN

〒101-0062

東京都千代田区神田駿河台2-2

TEL:03-3233-1484

営業時間:11:00 ~ 19:00

アクセス:【JR】御茶ノ水駅(徒歩1分)

【東京メトロ】丸の内線 御茶ノ水駅(徒歩2分)

【東京メトロ】千代田線 新御茶ノ水駅(徒歩2分)

SNS:
Twitter
Facebook
Instagram