【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】Gibson/1960s J-160Eを徹底分析!【アコースティックブランド徹底分析番外編#1.4】

Harvest Guitarsの植松です。
さあ、今回の番外編は、Gibsonの中でも異質の存在である、J-160E(1960S)のご紹介です!
ぜひ最後までお楽しみ下さい!

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Gibsonにおける1960年代とは、まさに最盛期
フォークブームからの影響で、アコースティックギターに最も焦点のあたっていた時期であり、
ハニートーンで知られるHummingbird、その上位機種であるDoveもこの時期に生まれました。

代表的な仕様としては、アジャスタブルサドル、1965年に登場したナローネックが挙げられます。
ボディカラーは、50年代のBrown sunburstに代わりCherry sunburstのモデルが中心。
例に漏れず、今回ご紹介する一本も、この仕様が多く採用されたモデルとなっております。


改めて、今回ご紹介いたしますのは、Gibson / 1960S J-160E。
シリアルナンバー631015、その他仕様から、1969年製と思われます。
1960年代は、シリアルナンバーだけで判別するのは困難で、仕様を含めて判定しております。

【そもそもJ-160Eってどんなモデル?】
J-160Eが登場したのは、1954年。まだピエゾピックアップの存在していなかった時代です。
ボディトップにエレクトリックギター用のマグネティックPUである、P-90を搭載した外観は、多くの人々を魅了。
当時としては画期的なモデルで、ラダーブレイシングやオール合板等のハウリング対策がなされておりました。
使用アーティストは、ビートルズのジョン・レノンや、ジョージ・ハリスンらが挙げられます。

J-160Eは、1960年後半から徐々に、ラウンドショルダーからスクエアショルダーへの移行がなされてきましたが、
移行が終了したのは1970年初頭。
今回の一本は、その過渡期に制作されており、スクエアショルダー型となっております。
アジャスタブルベリーダウンブリッジからも、当時の雰囲気を感じることが出来ます。
(ベリーダウンブリッジは、1968年に登場したブリッジ→詳しくはこちら

チェリーサンバーストカラー、ピックガードの組み合わせは、非常に珍しく
こちらの一本の希少性を、より上げる要因となっております

スプルーストップに、マホガニーサイドバックの王道スペックで、オール合板仕様。
そして、J160Eには切っても切り離せないラダーブレイシングももちろん採用されております。
実際につなげてみると、生鳴りの時からは考えられないような、中音域のある、クリーミーで温かなサウンド
J160Eが、ライブが想定されて作られていたんだと、つくづく感じることが出来ます。

外観を覗くと、ボディトップからサイドバックにかけて、隙間もないほどびっしりと詰まったウェザーチェックが!
ここまで綺麗に詰まっている個体は、なかなか見かけません。
打痕やキズが相まって、外観はまさに歴戦の覇者!

センターシームの内側に木材パッチが施されていたり、ピックガードの浮きがございますが、
年代を考えますと、まずまずの印象です。

マホガニーネックに、ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)の組み合わせ。
クラウンインレイに近いような指板インレイは、指板の存在感を知らしめる一因となっております。

長らく使用されているからか不思議と握り心地が良く、肌なじみの良い感触。
ナット幅は約43mm。この頃よく見られる、薄めのネックシェイプです。

ボディに負けず劣らず、ウェザーチェックがびっしり。
ネックヒールにストラップピンを外したあと、9フレットの端に打痕のようなへこみ、ネックに多少のダメージが散見されます。
ロッドは正常、フレットは残り5割ほど。

ボディやネック同様、ウェザーチェックや打痕等のものは散見されるものの、
金属部分のサビは、あまり見受けられません。(トラシロッドカバーのネジ穴は破損しています。)

さすが、Gibsonのヴィンテージと思わせるヘッドですが、
特に、色染みたGibsonヘッドロゴとクラウンインレイには、風格を感じられずにはいられませんね。


いかがでしたでしょうか。
ヴィンテージ好きにはたまらない一本である、J-160E。細かな仕様、歴史的にも非常に価値の高い一本ですので、
ぜひお早めにご検討くださいませ!

それでは、良いギターライフを!

店舗情報

イシバシ楽器御茶ノ水本店

OCHANOMIZU HONTEN

〒101-0062

東京都千代田区神田駿河台2-2

TEL:03-3233-1484

営業時間:11:00 ~ 19:00

アクセス:【JR】御茶ノ水駅(徒歩1分)

【東京メトロ】丸の内線 御茶ノ水駅(徒歩2分)

【東京メトロ】千代田線 新御茶ノ水駅(徒歩2分)

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