Harvest Guitarsの植松です。
さあ、今回の番外編は、Gibsonの中でも異質の存在である、J-160E(1960S)のご紹介です!
ぜひ最後までお楽しみ下さい!
過去の紹介ブログはこちらからご覧いただけます。
アコースティックブランド徹底分析シリーズはこちらから↴
【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】アコースティックギターの大定番「Gibson」を徹底分析!【アコースティックブランド徹底分析#1】
【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】ISHIBASHI Made to Measure 1957 SJ-200 Double Pickguard Murphy Lab を徹底分析!【アコースティックブランド徹底分析番外編#1.1】
【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】GIBSON / J-45 ADJ 1960年 を徹底分析!【アコースティックブランド徹底分析番外編#1.2】
【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】Gibson / ISHIBASHI Dealer Select 1950s J-45 Original Murphy Lab Light Aged Vintage Sunburstを徹底分析!【アコースティックブランド徹底分析番外編#1.3】
その他のブログはこちらから↴
【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】Fenderの作り出す、新たなギター「アコスタソニック」に迫る!
【御茶ノ水本店ハーベストギターズ】エレアコの革命児「MATON」とはいかに!
- 目次

・Gibsonにおける1960年代とは
Gibsonにおける1960年代とは、まさに最盛期!
フォークブームからの影響で、アコースティックギターに最も焦点のあたっていた時期であり、
ハニートーンで知られるHummingbird、その上位機種であるDoveもこの時期に生まれました。
代表的な仕様としては、アジャスタブルサドル、1965年に登場したナローネックが挙げられます。
ボディカラーは、50年代のBrown sunburstに代わりCherry sunburstのモデルが中心。
例に漏れず、今回ご紹介する一本も、この仕様が多く採用されたモデルとなっております。
・Gibson / 1960S J-160E
販売価格 ¥508,000(税込み)


改めて、今回ご紹介いたしますのは、Gibson / 1960S J-160E。
シリアルナンバー631015、その他仕様から、1969年製と思われます。
1960年代は、シリアルナンバーだけで判別するのは困難で、仕様を含めて判定しております。
【そもそもJ-160Eってどんなモデル?】
J-160Eが登場したのは、1954年。まだピエゾピックアップの存在していなかった時代です。
ボディトップにエレクトリックギター用のマグネティックPUである、P-90を搭載した外観は、多くの人々を魅了。
当時としては画期的なモデルで、ラダーブレイシングやオール合板等のハウリング対策がなされておりました。
使用アーティストは、ビートルズのジョン・レノンや、ジョージ・ハリスンらが挙げられます。
J-160Eは、1960年後半から徐々に、ラウンドショルダーからスクエアショルダーへの移行がなされてきましたが、
移行が終了したのは1970年初頭。
今回の一本は、その過渡期に制作されており、スクエアショルダー型となっております。
アジャスタブルベリーダウンブリッジからも、当時の雰囲気を感じることが出来ます。
(ベリーダウンブリッジは、1968年に登場したブリッジ→詳しくはこちら)
チェリーサンバーストカラー、ピックガードの組み合わせは、非常に珍しく
こちらの一本の希少性を、より上げる要因となっております!


スプルーストップに、マホガニーサイドバックの王道スペックで、オール合板仕様。
そして、J160Eには切っても切り離せないラダーブレイシングももちろん採用されております。
実際につなげてみると、生鳴りの時からは考えられないような、中音域のある、クリーミーで温かなサウンド。
J160Eが、ライブが想定されて作られていたんだと、つくづく感じることが出来ます。
外観を覗くと、ボディトップからサイドバックにかけて、隙間もないほどびっしりと詰まったウェザーチェックが!
ここまで綺麗に詰まっている個体は、なかなか見かけません。
打痕やキズが相まって、外観はまさに歴戦の覇者!
センターシームの内側に木材パッチが施されていたり、ピックガードの浮きがございますが、
年代を考えますと、まずまずの印象です。


マホガニーネックに、ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)の組み合わせ。
クラウンインレイに近いような指板インレイは、指板の存在感を知らしめる一因となっております。
長らく使用されているからか不思議と握り心地が良く、肌なじみの良い感触。
ナット幅は約43mm。この頃よく見られる、薄めのネックシェイプです。
ボディに負けず劣らず、ウェザーチェックがびっしり。
ネックヒールにストラップピンを外したあと、9フレットの端に打痕のようなへこみ、ネックに多少のダメージが散見されます。
ロッドは正常、フレットは残り5割ほど。


ボディやネック同様、ウェザーチェックや打痕等のものは散見されるものの、
金属部分のサビは、あまり見受けられません。(トラシロッドカバーのネジ穴は破損しています。)
さすが、Gibsonのヴィンテージと思わせるヘッドですが、
特に、色染みたGibsonヘッドロゴとクラウンインレイには、風格を感じられずにはいられませんね。
・最後に
いかがでしたでしょうか。
ヴィンテージ好きにはたまらない一本である、J-160E。細かな仕様、歴史的にも非常に価値の高い一本ですので、
ぜひお早めにご検討くださいませ!
それでは、良いギターライフを!