2024年9月、約20年ぶりに敢行された
パール楽器の台湾工場のファクトリーツアー!
現在MASTERWORKSを含む上級モデルなどを主に生産している主力工場、
台湾真珠楽器有限公司。
1990年代までは国内(千葉県の八千代)にメイン工場を置いていたパールですが、
2000年頃よりハイクラスのものもすべて台湾工場で生産されるようになります。
※エンブレムプレートを見るとすぐにわかりますが、
台湾工場製はMADE IN TAIWANの文字が確認できると思います。
現在では、国内では窯などはなく加工のみの工房として運用されていますが、
窯を持ってメインで生産しているのは今回訪問した「台湾」工場。
今回はパール楽器協賛により、その台湾工場見学ツアーに訪問してまいりました!
-いざ台湾へ
成田空港から飛行機で4時間程度、沖縄より少し遠いくらいの距離感の台湾。
昼過ぎに成田を発ち、夕方には既に台北へ到着(意外と近い)
台湾に到着!熱帯だからそら暑い!(でも東京も十分暑いんだなぁと痛感)
到着した空港は台北市、
しかし工場のあるのは台中市、距離にして150kmほど離れた場所にあります。
そこまで先ほどのバスで高速道路を突っ走り、
ホテルに着くころにはすでに20:00ごろに、、、
この日はホテルに一泊し、明日の工場訪問に備えます。
ー工場訪問
ホテルの外にはチャーターのバス、行き先が台湾真珠楽器公司なのが熱い!
ホテルからバスで30分ほど、市街地からちょっと離れた工業地帯にあるパール台湾工場に到着
ドラム工場らしく、玄関にはドラムセットが!しかもMASTERWORKS!!
試作品らしいこのセットは、なんとコパープレートパーツ、カッコイイ!!
※量産化は出来なかったようですが、非常に美しくゴージャスでした。
整然とした清潔感のある事務所にお邪魔します!
アーティストさんたちも訪問したことがあるようで、壁にはサインヘッドが!
-ここから工場見学に出発!
まずは木材の選定、加工から始まります。
パールではもちろん自社窯でシェルも製作してますので、
様々な種類の木材を選別し、加工する必要があります。
ここでは、サイズごとの裁断、スカーフカット加工がおこなわれておりました。
●スカーフカットとは、、、
パールのシェル独自のシェルの「継ぎ目」で、
切り口を斜めにすることにより、
1プライが均等な厚みの強度が高いシェルになるように加工されています。
裁断された木材は、サイズ、種類、部位などに仕分けされ保管されていました。
※外側に使えるものは木目のよりよいものがチョイスされます
そしていよいよ窯でのシェル成形!
こちらの窯は八千代工場から持ち込んだものも多数あるとのこと、
国産時代と製法は変わってません!
サイズごとにバラエティ豊富、多数の窯が揃っていました。
まずは接着剤を均等に塗っていきます。
このように職人さんが思い切りよく窯に木材を投入していきます!
木材がドラムの筒形に成形される瞬間です
また、レインフォースも同様にこのようにシッカリと接着されます。
ちなみにカスタムクラシック等の単板シェルを加工する工程もあったのですが、
残念ながらコチラは撮影NG!
メイプルの単板に水を含ませ電子レンジと似た原理で加熱、
熱い状態で職人さん2人がかりで一気に曲げていきます。
ここは熟練を要する作業ですが、いとも簡単に曲げて真円のシェルに加工されていました。
これでも10%くらいは割れてしまうそうで、やはり難しい作業には変わりないようです。
出来上がって乾燥させたシェルは、
それぞれのサイズにカット!そしてエッジを切って行きます。
これでシェルのラフが完成!
以前は45度エッジのみでしたが、現在は様々なエッジに対応!
こちらは塗装前の下準備、内面と外面を同時に研磨、さらにエッジも研磨していきます。
こちらはいわゆる浮造り加工用の機械、
ブラシで柔らかい面を削り、木目のコントラストを出していきます。
このように塗装前からこんなにくっきりした杢目が!美しい!
パールのドラムには様々なフィニッシュがあり、
そのフィニッシュに合わせ、職人さんたちが1点1点丁寧に仕上げていきます。
このように手間暇かかってます、特にスパークルフィニッシュの作り方は特徴的で、
スプレーガンに混ぜるのではなく、ラメをシェルに豪快にぶっかけます(笑)
このやり方は今はパールのみであろうと言うこと、
この手法により立体的で美しいスパークルフィニッシュに仕上がりマス。
ここから仕上げにクリアー塗装。
クリアを重ね塗りしてはバフがけを繰り返し、艷やかで美しいシェルへと仕上がってゆくのです。
美しく仕上がったシェルは、パーツ類を取り付けるために機械によって正確な位置に穴あけ加工。
更にエッジにパラフィン(ロウ)を塗り、より滑らかなエッジに仕上げていきます
こうして出来上がったシェルたちは、、、
丁寧にパーツが組み込まれて、
梱包され、皆様のもとへ届けられるのです。
いかがでしたでしょうか??
現地の職人さんたちが脇目も振らず真摯にドラムと向き合っていたのが印象的でした。
台湾は古くからドラム系の工場も多いですが、
とりわけパールの工場は仕事が実に丁寧で、
暑い中皆さん非常に的確に作業されておられました。
こうしてパールのドラムたちは現地の職人さんたちの
熟練の技術と情熱によって作られていたのでした。
後編は、、、
今回買い付けて来た「ファクトリーツアー限定品」をご紹介していきます。
今回のツアー参加店舗でしか買えない限定仕様、限定カラー多数!
入荷までもう少し!続報をお待ち下さい!!!