非常識な”プラズマ”の歪み
いつもイシバシ楽器名古屋栄店をご利用頂きましてありがとうございます。メタル担当/エフェクター担当の白井です。
エフェクター沼へようこそ。前回は私のEQD好き、空間系好き視点から引きずり込む沼でございました。
…このタイトル、某スローライフなゲームっぽいですが…きっと大丈夫。エフェクターの沼からワニだか魑魅魍魎だかが、足をすべらせた獲物を飲み込もうとしているだけですので。
今回のテーマは「常識を疑え」です。
歪みエフェクターといえば皆様はどのようなものをイメージするでしょうか？
オーバードライブ？ディストーション？はたまたファズ？
回路の組み方や使うパーツによってサウンドが大きく変わっていくものの、基本的には電子回路に信号を過入力させて音楽的に音割れを起こすのが一般的です。言ってしまえばアンプの歪みも元はコレです。（真空管アンプによる歪みの始まりは、意図せず歪んでしまったのですが）
この過入力セクションに使うのがオペアンプなのかダイオードなのか？そしてどんなオペアンプやダイオードを使うのか？個体差は？経年変化は？などなど…
手を出すと本当に抜け出せなくなる底なし沼もあるのですが、今回のエフェクターはそんな常識を『電撃で破壊』するやつです。
Gamechanger Audio PLASMA Coil
見るからに異様な外観。ピッキングに反応して走る電流。この電流、飾りじゃありません。
一般的な歪みエフェクターは、ゲルマニウムやシリコン、LEDのダイオードやオペアンプによって常識的な方法で歪ませています。
…が、こちらのPLASMA Coilは3500Vのプラズマをキセノン管に放電。その力でギターサウンドを歪ませています。
3500Vってどれくらいかな？と思って調べてみたら電撃殺虫器とか害獣用電気柵とか出てきました。…通電中に中身に触らないでくださいね。
サウンドに関しては聴いていただくのが最もわかりやすいでしょう。
過去に聴いてきたであろうどの歪みとも違った、まさにイナズマを感じるような強烈な歪み。
ゲートファズが一番近いでしょうか。これだけで一曲できそうです。
入力が止まるとキセノン管への放電が止まる→音も止まって自然かつ強力なノイズゲートになる、という新しいフレーズを生み出しそうなサウンドです。
ちなみに「VOLTAGE」のノブを操作すると放電量が変わって歪み量が変わります。
こちらのPLASMA Coil、先にリリースされ世界初のキセノン管ディストーションとして話題になったPLASMA Pedalの、Third Man Records（ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトが代表）とのタッグ・カスタムモデルになります。
ちなみにこのThirdman Recordのカスタムエフェクター、他にもあるのですが揃いも揃って個性的です。
PLASMA Coilではオクターバーを内蔵して電撃サウンドをより強烈にしています。
オクターバーはキセノン管の前に配置されているため、オクターバーの設定を変えると電流の見た目も変わります。楽しくてずっと見れいられます、科学館の電気コーナー的な。
当然ベースでもOK。よっぽど過激なジャンル以外ではかけっぱなしだと怒られると思いますが（笑）、ゴリゴリ主張するにはピッタリです。
はっきり言って、普通の音楽でかけっぱなしにできる歪みではありません。（かけっぱなしで成立できる超イカした音楽を知ってるorやってる方は是非名古屋栄店エフェクター担当までお教え下さい。飛びつきます。）
ですがここ一発のリフやリードで強烈な印象を残すのに個性的なエフェクターはこの上なく有効です。
ついでに対バンのギタリストから「あいつ、なんかヤバイエフェクター入れてる！」と話題になること間違いなしです。
定番エフェクターもいいのは言わずもがなですが、ギタリストにとって人と違った個性を出すというのはとても大事なポイントだと私は考えています。
超個性的なサウンドでビリビリ痺れてみませんか？（本当に触ると怪我じゃ済まないのでお気をつけを…）
ちなみにPLASMA Coilを含む、Gamechanger Audioのエフェクターが現在名古屋栄店では全機種ご試奏可能です。
どれもこれも一筋縄ではいかない曲者たちなので、ぜひ一度触って頂きたい「沼」揃いとなっています！
