”ファズ”という深淵の沼への入口、FZ-1W
少し期間が空きました。名古屋栄店エフェクター/メタル担当の白井です。
名古屋栄店では6月に新品エフェクターを大量導入、さらにこちら

新品歪みペダルだけのショーケースができました!我ながら濃い棚だ…
TS系、トランスペアレント系、アンプライク系、超ハイゲイン系などなど、気に入るペダルが必ずあるはずです!
ちなみにこちらにメーカー縛り棚↓

定番のBOSS棚もございます。

あとパン屋も始めました。

さて、そんな歪みペダルを語る上で避けて通れないのがファズペダル。
正直沼が深すぎて触れたくな(ry
近年アーティストの使用で再注目されている感のあるファズ。
激歪みでモ゛ーモ゛ー籠もって使いにくい…けど実はギター側のボリュームを操作すると幅広いサウンドメイクができる
…というのは恐らく偉大な先人達によって語られ尽くした内容。
この”ファズ”というペダル。ディープなファンが特に多くて、私程度ではとても軽々しく触れることが出来ないとんでもない底なし沼となっています。
では今回何をお話するのか。
このブログのタイトルは「おいでよ」です。「ようこそ」「あつまれ」するために一人でも多くこのエフェクター沼に引きずり込む…招待する企画となっています。
実は最初のファズとしてこれ以上無いアイテムが超大手メーカーからリリースされています。そちらをご紹介したいと思います!
全米ナンバーワンブランドが「1」の名を与えたペダル
エフェクターのアメリカナンバーワンシェアを誇るブランドをご存知でしょうか?
そう、何を隠そう日本が世界に誇る「BOSS」。ちなみにアンプも2位です。(1位はFender。Marshallじゃないんですね)
当店にも当然備えていますし、全国どこに行っても手に入る超ド定番エフェクターブランドです。
そんなBOSSからリリースされている

を沼エントリーファズとしてご紹介したいと思います。
ところで皆様「TB-2W」というBOSSのファズペダルは覚えてらっしゃいますでしょうか?覚えてますよね、現物をあまり見ないだけで。
2021年にSola Sound Tone Bender Professional MKIIとBOSSのコラボレーションによって3000台限定でリリースされた、現在ではプレミアがついているファズペダルです。
ヴィテンージパーツを使い、3000台に一切のバラつきなく作り上げた事がSola Soundから驚かれた、というエピソードもあったりします。
Tone Benderといえば1960年代後半から現在にかけて、イギリス製ファズの大親分的な存在です。この出自はMaestro社のFZ-1のイギリス版だとかむしろ改良がきっかけだとか深めの沼ポイントがありますが…希少度も含め、ペダル自体もかなり沼度高めです。
そんなTB-2W作成で得た知見を元にBOSSの「フルアナログ」ファズとしてリリースされたのがFZ-1Wです。
そもそもWAZA CRAFTシリーズとはなんぞや
BOSSペダルは長く世界中で愛されていますが、流通品のためハイエンドペダルと比較したら改造の余地もあります。
事実1990年代から2000年代には世間にBOSSのモディファイ品が溢れていました。
そんな中、「BOSS製品を一番良く知っているのは中の人」とのことで、「BOSSによるモディファイ」から始まったのがWAZA CRAFTシリーズです。
ちなみに回路図を1からICチップを使わないフルアナログで作り直しており、まさにBOSSにしかできないモディファイとも言えます。(対象的にデジタルでの再設計が「X」シリーズとなります。)
この際にパーツ供給に合わせて他のレギュラーペダルも中の基盤が変わっていたりします。「バッファーが違う」というのは動画で見たことがありましたが、それ以外も変わっているそうです。BOSSペダルは簡単に開くので、機会があれば一度旧モデルと現行モデルを比較してみてください。
既存機種のフルアナログ再設計が基本テーマなWAZA CRAFTですが、現状BOSSにオリジナルが存在しないWAZA CRAFTが2機種(TB-2Wも含めれば3機種)あります。
それが今回ご紹介のFZ-1WとBP-1Wです。
BOSSのラインナップにおいて「1」を関するモデルはそのカテゴリの出発点的な意味合いを持ち、非常に重要なポジションとなるそうです。
BOSSにはすでに現行機種でもあるデジタルのZ-5がありそちらも良いペダルなのですが、「ファズ沼」へと落ちそう度合いで言えば圧倒的にFZ-1Wが勝っているかと思います。
プレイヤーごとに目指せる理想のファズサウンド
一概にファズと言っても全くサウンドの違う機種が代表機種となり「〇〇系」と分類されています。
もっとも身近なのが「FUZZ FACE系」と「Big Muff系」になります。これにFUZZ FACEの回路”が”よく似た「Tone Bender系」、FUZZ FACEのクローンを作るつもりが奇天烈なものが出来上がった「Fuzz Factory系」といったところが入る感じでしょうか。
ファズエントリーでどのファズから触れるかによって、ファズに対するイメージは大きく変わるかと思います。
鈴鳴りクリーンから太いリフサウンドまで、そしてブチブチと途切れるサウンドのFUZZ FACE。
音の壁を作るような轟音サウンドのBig Muff。
どっちが自分に合うのか最初は分からないでしょう。
店頭で弾き比べるのも大いにありなのですが、それぞれの分類の中でまた音が違って迷宮入りなんてことも。Big Muffとかは特に本家のバリエーションからもわかるように、時代によって音が全く違って来ますからね。
そこで「良いから踏んでみろ!」なファズがFZ-1Wになります。
こちらのペダル、「Vintage」モードと「Modern」モードが切替可能となっています。

FUZZ FACEのようなきらびやかな高音と強烈なゲート感、ギター本体のボリュームへの追従性と、名前の通りヴィンテージサウンドに適したVitangeモードと、ゲインアップしスムースで使いやすいサウンドのModernモードとなります。
このFZ-1Wの面白い所なのですが、プレイヤーによってどちらが良いと思うか分かれる点にあると思います。
モード切替のあるペダルだと「こっちは最高だけどもう片方はあんまり…」や「こっちのモードが上位互換では?」のような意見が出たり「いい」と評されるモードが固定されがちな印象なのですが、FZ-1Wに関してはプレイヤーのスタイルによって気に入るモードがバラけている印象です。
私のプレイで恐縮ですが実際に音を聴いて頂ければイメージがつかみやすいでしょうか?
使用機材はこちら


せっかくなのでいつもの試奏用ストラトではなく、いいギターを使いました。アンプはファズにはやはり真空管がベターです。
Vintage Mode
Modern Mode
モードによって弾きたくなるフレーズも変わってくるペダルで、甲乙つけがたい…私はファズを使うときの用途的にヴィンテージかな?という感じなのですが、ここは実際に踏んで試してみるのがベストでしょう。
ちなみにストラトのフロントピックアップでボリュームを絞ると現れる鈴鳴りクリーン。あれはFUZZ FACE系ならではで、FZ-1Wでは特にヴィンテージモードのときに綺麗に出てくれます。
そして、ファズの深淵へ
すでにBOSSの本気を感じる素晴らしいファズなのですが、数多のファズフリーク達が底なし沼から帰ってこないように、ファズというエフェクターは細かな違いで音が変わってしまう魔性のアイテムとなっています。
加えてファズは、なかなかデジタルモデリングでの再現が難しい分野。
昨今のマルチエフェクターは非常にハイレベルですが、実機に触れて沼に落ちるきっかけとしても申し分ないペダルとなっています。(ちなみに現在私のメインギアはLINE6のHELIXですが、ファズと以前ご紹介したEQDのDisaster Transport SRだけは実機を外せなくなっています。)
そのままFZ-1Wを使い続けるもよし、特定グループのファズ沼へ落ちていくもよし、ファズ全体、さらにはエフェクター全体にディープにハマっていくも良し。
そんなきっかけになりうるペダルだと思います。コワクナイヨ-
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