沼澤尚さんクリニック 【Pearl楽器主催】に行ってまいりました!(SHIBUYA WESTアーカイブ)

長年の憧れの方とお会いできる事が実現!担当曽我。沼澤尚さんに会えました。

2019-03-04
前回の沼澤尚さん監修スネアの関連記事
あこがれるドラマーには近づきたい 2019年5月6日


使い古したCSヘッドを貼ってみました。真似をする という事はやっぱり気持ちの上でも違いますね!サウンドはストンと腑に落ちる感じがしましたが、やはり 沼澤さんのグルーヴは 真似できない!by担当曽我
PEARL / TNF1455S/C TYPE2【ジョー・ポーカロ・コラボスティック付き】

御茶ノ水ドラム館 曽我でございます。
こちらは、過去のアーカイブ記事でございます。現在 SHIBUYA WESTはイシバシ楽器のドラム機能として 御茶ノ水ドラム館に移転致しました。
SHIBUYA WEST時代のブログですが、是非 これも移転!(笑)
2月24日 Pearl楽器様主催の 沼澤尚さんSpecial Drum Clinicに行ってきました!

このクリニックは2018年に発売された
THE Ultimate Shell Snare Drums supervised by 沼澤尚 TNF1455S/CとTNS1455S/C 

沼澤 尚's Masterworks「オーセンティックなルーツの継承をテーマにトライした、2種類のカスタムドラム。
こちらの紹介イベント と言い切ってしまうには 贅沢な内容でした。
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会場は 神奈川県のPOWERS2元住吉さん。定刻通りに クリニックはスタートしました。
今回のクリニックには、blues.the-butcher-590213の 永井『ホトケ』隆さん(G,VO)、中條卓(B)さんがお手伝いで登場。
お手伝いと言いながらも、なんと贅沢な!クリニックは中央部分にドラムセットを組み、そのサイドにアンプを配置した『生音』仕様。MCや歌はマイクでしたが、各楽器の持つ音が『純粋』に聞こえるという演出でしょうか。極上のブルースナンバーで幕開けしたクリニック!というより ライブ!


■スネアドラムの音作り

質疑応答形式 というと、なんだか かしこまった感じではありますが、本当にフランクな感じながらも
僕も含め、クリニック参加の方々もシビアな目線や姿勢を感じる空気!
沼澤さんから裏のヘッドのスナッピーの締め具合の作り方、表ヘッド、裏ヘッドに対する考え方が説明されました。スナッピーのスイッチの締め方に秘密がありますが、他のドラマーの方の(超有名ドラマー)の方法と 
沼澤さんの手法も違うのですが 『正解なんて無い』というお話の仕方でした。
その後 実際スネアのピッチを変えながら 永井『ホトケ』隆さん、中條卓さんと楽曲の演奏で
『実際、そのスネアのチューニングの作用が どのように曲に反映するか』を演奏されてました。



■『僕は教えてもらった事を真似しているだけです』

終始 沼澤さんは 説明を理論的に、かつ わかりやすい話を説明されてます。その合間に 『こういうやり方を、ジョーポーカロに教えてもらった・・』『ジェフがこのヘッドだからマネしただけ』と、とにかく『偉大な先生や先人から学んだ事を 真似をしてるだけ』と話されます。手法を説明されてるのであり、『これを しっかり自分で理解して自分で決める』というお話をされてました。

曽我が個人的に思ったのが、沼澤さんも素晴らしいドラマーなのですが、ラルフ・ハンフリー氏や、ジェームス・ギャドソン氏、ジョー・ポーカロ氏のコーチングの方法がそのまま今回のクリニックに反映していたのではないだろうかと思いました。そして沼澤さんが それをレクチャーしてくれたのが 今回のクリニックで。沼澤さん御本人は、『人に教えるって苦手』とおっしゃてますが、曽我的には教育者としても素晴らしい人なんだ と なんだかドラム以外の事まで沼澤さんから 学んでしまった感じでした。手法を学んで その先を自分で考える というのが、一番の方法だと思いました。


■ギター職人の友人との会話で生まれた 
沼澤尚さん監修スネアのシェルコンセプト

公式ページには 
TYPE1は
60年代に3プライの真ん中にポプラを挟むスタイルは、本当はどういう理由だったのか定かではないにしろ、間違いなくあのサウンドのキャラクターになっていたに違いない。これがとんでもなく素晴らしいレゾナンスを生んでいたことにただただビックリ。スティックがヘッドに当たってからシェルに共鳴して立ち上がる音のスピードの速さと、その広がる大きさが今までには経験したことがないような驚きのサウンド。


TYPE2は
究極の薄さに挑戦したことで、なんとここで上品さに繋がる結果になるなんて想像もしていなかった。常に心がけているのは、全てにおいてのコントロールと品の良さと秘めているはずの本能とのバランスが取れた共存。囁くような小さい音量ではしっかりとその強固な存在感を表現し、ありとあらゆるダイナミックスの変化に信じられないレベルで反応し、それぞれのシェルがお互いにその変化と同様に共鳴し始めていたのだ。


とありました。
クリニックでは、『レスポールというギターがあって、そのレスポールのボディの木材の合わせ方をやってみたらどうなるか』で メイプル+ポプラがあって、そこから ポプラを挟むスタイル・・60年代のスネアによくあるスタイルです・・そこからスタートし、Pearlの方々とのコラボレーションを重ね生まれたスネアだそうです。その発想の秘密に感動しました。確かに、ギターの表面(トップ)にメイプル、胴の素材はマホガニー(マホガニーバック)はレスポールギターの代表的スペック。

そして実はドラムヘッドについては、沼澤さんはCSコーテッドがお気に入り。
理由は『ジェフ・ポーカロがそうだったから』がスタートで ジェフ・ポーカロはハードヒッターで耐久性を重視してたとの事ですが、沼澤さんは その真似からが やはりスタートだったそうです。
当然 曽我もこのスネアをお店で触っていますが 他のスネアにない特徴で 一番なのは『トップのチューニングピッチの変化が早い。』という事を感じます。これは僕にしてみれば大事な話ですが、チューニングが狂いやすいかと思いきや、そこに大きな影響は無く 両方とも とにかく、音を変化させやすい と思います。
メイプル+ポプラは、アタック的に優しいですが、ポプラを挟むと『締まる』感じがあります。なので、ライブハウスなどで環境の変化があれば ポプラを挟んだ方がいいのかなぁと思ったり。僕は個人的には、挟まない方が好きです。何故かというと、とにかく演奏者の気合いの入れ方に反応する サウンドの変化。= 気持ちが入りやすい なんて、勝手に思ってます。

沼澤さんの特注の本革スローン!

当店にも ビンテージスネアは沢山ありますが、やはり年代の劣化・・パーツに関しては 難しいんですね。正直に言えば、そこに関しては 現代版のスネアの方が 物理的にも、素材的にも 操作性は上がって然るべきなんです。パーツが新しいので、シェルがこのように薄くあるスペックで オーセンティックな沼澤さんのスネアは 長く使って皆様にサウンドが寄り添って行く感じを楽しんでいけるのでは?と思います。


■共演する人によって、スタンスや楽器を・・という事よりは 演奏を合わせる事を考えてる。


↑クリニック終了直後の写真。アーチザンのシンバルのコントロールが凄かった!ハイハットは16インチのクラッシュ!そして、この緑青!(サビによる汚れ)

沼澤さんの演奏スタンスの言葉で、『共演者によって楽器を大幅に変える事は無い』というお話がありました。
プロドラマーの中でも トップの沼澤さんですので 僕の範疇を超えた部分でのチョイスはあると思いますが、これは書き方が難しいのですが。。。 極端に言えば『ロックだからスチール』というようなチョイスでは無いそうです。その楽器がどう演奏されるべきなのか という『ご自身』への挑戦の部分が多い印象を受けました。。。ファンの皆様はご存じと思いますが、壮絶に謙虚な方ですので ご自身への挑戦がとんでもないレベルで厳しい方です。『僕を見に来るなら、この人を見に行って・・・』なんて発言も飛び出すクリニックの会場では勝手に曽我が思ったのは『一緒に共有をしましょう!』というような フラットなイメージを覚えずにはいられませんでした。



■曽我的見解で驚異的な演奏
『なぜハイハットシンバルが踊るのか!』


↑このハイハットとシンバルの距離!上からシンバルのサウンドをコントロールする沼澤さんの演奏がなければ、これは難しい!

沼澤さんの演奏は素晴らしいのですが、今回すごく印象を受けたのが『ハイハット!』クリニックでは、16のクラッシュを二枚ハイハット(!?)にされてたんですが、これが見事にリズムと一緒に『DANCE』するんです。音もそうなんですけど、見てて 右へ左へ上へ下へ!踊ってるんです!踊って!踏み方や、タッチ、叩きに行く角度,,, そんな分析は 野暮かもしれません。曲に合わせて ドラムが揺れる・・・これが、僕が何年もトリコになっている沼澤さんの素晴らしさです!(断言)

■最後に


僕は高校生の頃ですから・・・ おそらく18年くらい前のドラムを始めた頃から沼澤さんのファンでした。ですので、沼澤さんのドラムの変化も ずっと追いかけていて、当時から とんでもなく『気持ち良い』ドラムではありましたけど、僕が年齢を深めたのか、沼澤さんの変化もあるのかきっと、その両方だと思いますが 拝見してる僕の気持ちは 何も変わらない 当時と同じ『大ファン』です。今回、初めて沼澤さんとお会いしてお写真を撮らせてもらいました。『沼澤さんがジェフポーカロさんと一緒に写真を撮られたのと 同じ気持ちがきっと今の僕です』とお伝えできて、僕自身 ドラムを長く演奏してて、そして この仕事をしていて 本当に良かった!と思いました。

↑沼澤尚さんと曽我 沼澤さんのセットの前でクリニック後に。曽我にとっては人生最高の瞬間でありました。
ドラムという楽器を通じて、こんな風に人生の目標の時間にたどり着く事もあ るんです。
新たな目標も曽我としては出来ました。是非 一緒にドラムクリニックをやってみたい!
その時まで、ダメな生徒で いようと今は思っております。
かなり曽我の感想文になってしまいましたが(笑)


沼澤さん!Pearl楽器さん!ありがとうございました!