ボコボコの美学 ハンマードメタルスネアの魅力

サウンドの幅が広がる!ラディックの「ハンマード仕上げ」を分析してみた

2020-08-27 メタルのスネアのラインナップが豊富なメーカーと言えばLUDWIG

今回はそんなラディックのメタルスネアの中でも特徴的な仕上げと言える
”ハンマード仕上げ”にフォーカスしてみようかと思います。

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■ハンマード仕上げとは??
金属シェルにハンマリングを施したフィニッシュ。
LUDWIGの場合は型番末尾に「K」がつきます 例)LM400K

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私の確認できた限りでは1980年代初頭あたりから存在するようです。
それ以前は他メーカーを含めてもこのような仕上げは無く、
ラディックが「元祖」と言えるんではないでしょうか?
※もし元祖ハンマードシェルを知っている方いればお教え下さい(笑)

90年代に入ったあたりからは他社からも「ハンマード」仕上げが登場していたが、
定番モデルとして採用している例は比較的少ない。
やはり加工の手間がかかるのか、現在ではハンマード仕上げを生産していないメーカーも多い。

しかしながらラディックでは現在でも変わらず生産を続けており、
豊富なバリエーションも魅力で変わらぬ根強い人気を誇っております。


■ハンマード仕上げによるサウンド特性

見た目の高級感を醸し出しているほか、勿論サウンドへの影響も大きい。

シンバルなどでも同じ様な原理なんですが、ハンマリングを施すことにより
シェルの振動に複雑な響きを生み出し、より豊かな倍音が得られる。

シェル全体のトーンも少しダークになる傾向があり、
通常のストレートなシェルに比較すると、音の立ち上がりが丸みを帯び、
全体的にファットな印象を与えているようです。

サステインの減衰もストレートシェルは直線的な印象ですが、
ハンマードシェルは少し揺れながら余韻を残すので、
減衰はやや早めで若干タイトな印象を持ちながらも、
ファットで豊かな音色が感じられると思います。

今回、動画でLM405と405Kを極力同じチューニングにして、並べて比較してみました。

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LM405C ACROLITE 14×6.5

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LM405K ACROLITE HAMMERED 14×6.5




同一サイズ、同一素材、同じようなチューニングの条件で比較した場合、
微々たる違いに感じるかもしれませんが、全体的にハンマードの方が若干タイトで、
ノーマル仕上げはクリアなツブ立ちとストレートな伸び、
ハンマード仕上げはややマイルドなツブ立ちが体感できました。
よりファットで複雑な倍音の「ひとクセ」ある音色が好みの方にオススメ。
使用するジャンルで向き、不向きや好みもあるとは思いますが、
一般的にノーマル仕上げよりも深みのある音色が期待できます。

シンプルにキレを求めるなら「ノーマル仕上げ」
音の深みを求めるなら「ハンマード仕上げ」がオススメです。


■ラディックのハンマードシェルは手作業で作られている!

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こちらの画像は2019年のLUDWIGファクトリーツアー時のものです。

この道30年超の職人デニスさんが丹精込めて加工しております。
やっぱり人の手で丹念に仕上げられた楽器はいいものです。

手間暇かかっている分、よりあたたかみのある音がするのかもしれませんね!


■スタッフおすすめ、ラディックハンマードモデル

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LB552K Bronze Phonic 14×6.5
ロック系におすすめのワイルドなモデル
アタッキーな印象のブロンズシェルに適度なふくよかさをプラス。
ガッツのあるパワフルな印象ながらもあたたかみのあるサウンド
ボリューム感もあり、歌モノのロックにおすすめです。

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LC660K Copper Phonic Hammered
ティンパニ製作でも有名なラディックならではの「銅」を使用したモデル。
柔らかいコパーならではの繊細なサウンド、深みのある響きを、
ハンマー仕上げにより上品さを際立出せている印象です。
キンキンとした金属質な音色ではないのでジャズ系等でもよく馴染んでくれそうです。
アコースティックなサウンドの中でその真価を発揮してくれそうなモデル。

現在御茶ノ水ドラム館では

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Ludwigスネアフェア『Special Ludwig To You』開催

まだまだ他にも定番400/402のハンマード
ブラックビューティのハンマード等、豊富に取り揃えています。

金属系のスネアならやはり歴史と伝統のあるLUDWIGはオススメ!
基本的にシンプルなので初心者でも使い易く、上級者でも納得のクオリティ。

是非、御茶ノ水ドラム館でお気に入りの1台を見つけてみては??