Yanagisawa A-800入荷
2018-03-22 日本全国ウン百万のサックス愛好家のみなさまコンニチハ！！名古屋栄店管楽器担当のミスミでございます。
さてさて、この企画も第四弾！前回まではビンテージをご紹介してまいりましたが、今回は国産サックスにスポットを当ててみましょう。
本日ご紹介させて頂く掘り出し物は・・・
やっぱり紹介するのやめようかしら（笑
なんてのは冗談で、
Yanagisawa A-800でございます！
現在ではセルマー・ヤマハと並んで世界3大サックスブランドと称され、日本が世界に誇るサックス専門ブランドヤナギサワのアルトサックス。
こちらは1980年代に製造されていた「エリモナ」の愛称で親しまれたA-800。ネック正面とベル正面に取り付けられたメダルプレートが印象的ですね。
あれ？？Primaロゴがあるので正しくは、A-80でしょうか。
現在もヤナギサワサックスの卸を行う2社、全音楽譜出版とプリマ楽器が当時も日本国内にヤナギサワサックスを流通させておりましたが、当時はそれぞれの取扱会社でモデル名が異なりました。プリマ楽器が取り扱う場合2ケタのモデル名（A-80、A-88）、全音が取り扱う場合は3ケタのモデル名（A-800、A-880）となっておりました。（シルバーソニック等は除く）
これは1990年代まで続けられておりましたが、991・901シリーズの発売を機にモデル名の統合が行われたようです。また現在ではPrima刻印も終了されております。ようやくユーザーフレンドリーなモデル名になりましたね（笑
いかがでしょうか、この素晴らしいコンディション。。。シリアルから恐らく1980年代前半に製造、ワタシとほぼ同い年。この時代のヤナギサワは同じモデルながらもキィパーツ等の形状を徐々に改善させております。仕様から見ても比較的初期に製造された個体ではないでしょうか。。。
経年に伴うサビの浮きは見られますが、使用による劣化はほとんどありません（ビックリ！
先日ご紹介したA-50もなかなかの逸品でしたがこちらのA-800も素晴らしい。
吹かずに手元に置いておきたいくらい。
ダメージの出やすいU字管やベルもキレイですね。
吹いてみてもまるで新品のような印象。ヘヴィ管と評され、華やかな響きの9xxシリーズに比べると落ち着きのある重量感のある音色の800シリーズ。ネック正面のメダルプレートや低音ダブルアームなども吹奏感に大きく影響がありそうですね。
この年代のヤナギサワサックスに関しては長年の製造途中に度重なるマイナーチェンジが加えられ、操作性の向上などが図られたようです。例えばこの個体、LowC・E♭レバーやHighF#レバーはマーク6のような形状をしておりますが、後年に製造された個体は現行品とほぼ変わらない形状に、テーブル連動キィも追加されるなど常に進化を続けていました。逆にもっと以前に製造されたA-50等にはサムフック・レストがエンジ色の個体も見られます。年代別に仕様の移り変わりが分かるように並べて比べられたら面白そうですね・・・板橋区小豆沢の工場には実機があるのでしょうか。。。
また、ヤナギサワサックスにはプロトタイプ・試作機のような、思わず「なんじゃこりゃ？」と思うモデルも中古市場ではわずかに流通しておりまして、買取査定のたびにケースを開けるときのワクワク感を抑えることができません！それが面白くもあり、査定の難しいところでもあります。
かつて私もエリモナや現行品などヤナギサワサックスを所持してきましたが、どのモデルも世界トップレベルの楽器であったことは間違いありません。
話は飛びますが、2005年頃にプリマ楽器創業60周年を記念して、14k素材のネックが発売（価格は600,000円くらいだったか？）されたことがありますが、プリマの営業担当さんに「こんなのも作っちゃったんですヨ」なんて見せてもらったのが、なんと管体素材（ネック管からベル管まで）に14kを贅沢に使用したアルトサックスでした。（贅沢にもほどがある）たしかモデル刻印はA-9914だった気がします・・・あの楽器は今、いずこへ。。。著名なプレイヤーの方が使用しているのでしょうか？ぜひまた吹いてみたいモデルです。・・・買えませんが。
宝くじが当たったら買います。まずは宝くじを買うところから始めないと（笑
全タンポ交換を含む全体調整済み。
ヤナギサワの歴史を感じられる逸品です。
