楽器がほしいけど何を買えばいいの!?というアナタへ。後編です。
2019-03-19再びこんにちは!管楽器担当の吉村です!
前号ではフルート選びのポイントのひとつ、管体材質による違いをまとめました。
前号はこちら!
さっそくですが今回はキイについてお話していきます。
まず、カバードキイかリングキイという2つの選択肢があります。こればっかりは説明するより写真のほうがわかりやすいでしょう。普通の見た目(?)のほうがカバードキイ、ドーナツみたいに穴があるのがリングキイです。

リングキイのメリットは、指で穴をふさぐため音の響きが感じられて心地良いこと、グリッサンドなどの特殊奏法ができることなどがあります。
デメリットは、とにかく慣れるまでは穴をふさぐのが大変だということ。手が小さい方や慣れていない方は、穴がふさぎにくい可能性もあります。穴をふさぐための補助器具も存在しますが、リングキイにする意味が半減してしまうのでは…?と個人的に思っております(笑)。
手が小さい方や、リングキイにこだわりがないという方でしたら、まずはカバードキイから試してみるのをおススメします。
合わせて考えたいのがオフセットかインライン。これはキイの配置の違いです。左手薬指で押えるキイを見てみましょう。赤い丸で囲った部分の配列がずれているのがオフセット、一直線なのがインラインです。オフセットのほうが、薬指が届きやすい配列であることがわかります。

そしてこれは、先ほど説明したカバードキイかリングキイかという話に関わってきます。
キイの配列/キイの形状 のパターンは
1) オフセット/カバード
2) インライン/リング
3) オフセット/リング
の3種類が存在します。1と2が一般的で、3はあまり見かけないように感じます。オフセットかインラインかは、キイの形状と合わせて指の運びに大きく影響する部分なので、実際に店頭で持ってみるのが1番わかりやすいと思います。
カタカナばっかりみてると頭がおかしくなってきますね。ゴメンナサイ(笑)。
次に解説するのは、Eメカの有無について。「Eメカニズム」というシステムの名前を略してこう呼んでいます。写真に写っている、1本のレバーのようなもののことです。

仕組みを話すと長くなるので割愛しますが、楽器の構造上どうしても鳴りにくくなってしまう「第三オクターブ目のEの音が出しやすくなる」というスゴイやつ。高い音が鳴らしやすくなるんだなー、くらいに考えてもらって良いと思います(笑)。
第三オクターブ目のEはなかなかのクセモノで、この音がうまく鳴らなくてめげそうになる!ってことも多いと聞きます。Eメカがあるだけで、演奏中のストレスが少なくなると思いますよ。
最後に、キイのアームの形状について。キイのアームというのは、キイカップというお皿の部分に伸びている腕のようなもののことです。

まずは写真を見比べてみましょう。アームがキイカップの真ん中まで伸びているものと、キイカップのふちで支えているものがありますね。アームがキイカップの真ん中まで伸びていると、キイをふさぐ力が均等にかかるので調整が狂いにくいと言われています。高級な楽器に採用されることが多い、人気の仕様です。
また、アームがキイカップの真ん中まで伸びているものはすっきりしていてスタイリッシュな感じがします。対してアームがキイカップのふちまでのものは、丸みがあってやわらかい印象です。見た目はどちらも捨てがたい!
というわけで、ざっくりですがフルート選びのポイントを解説してみました。こんな違いがあるんだなーって頭に入れておくと、楽器を見るのが今まで以上に楽しくなると思います!
もちろん、楽器を選ぶポイントは今回紹介していないところにもあります。各メーカー、各モデルごとに魅力があるので、ぜひ一度お店に足を運んで、実際に楽器に触れたり音を出してみることをおススメします!試奏も大歓迎ですよ!
それでは素敵な楽器LIFEを!そして、素敵な楽器との出会いがありますように!