クラヴィオットの単板はやっぱりイイね!メイプルvsバーチ

ドラムの定番といえる2つの素材の特性がわかります

2020-02-02 こんにちは、
御茶ノ水ドラム館のドラム研究員松岡です。

今回のテーマは
クラビオットの2台の単板スネアを使って、
メイプルとバーチの違いを是非知って頂こうということで、、、

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メイプルの中でも高級材の「カーリーメイプル」
バーチの中でも質の高いとされる「レッドバーチ」の
それぞれの単板スネアを同じピッチにチューニングして、
かんたんではありますが、YAMAHA EAD10を使った動画で
その音質をそれぞれ比較してみました。

特に単板スネアでは、素材の特性が一番引き出せるので、
この2台での比較はメイプルvsバーチが非常に分かりやすいと思います。

実は過去にもクラビオットで似たようなことしてますので、
気になった方は過去記事も是非ご覧くださいませ。



《今回のスネア》

■CRAVIOTTO PRIVATE RESERVE
クラヴィオット・スネアドラムは全米屈指のドラム・マスタービルダーであった
故ジョニー・クラヴィオットが設立したブランド。
彼の目利きによって選定された上質の木材を余すところなく引き出す
究極のソリッドシェル(単板)ドラムはまさに芸術品。
プライベートリザーブシリーズは、不定期でしか入荷の無い希少材を使用した、
いわゆる「1点モノ」に近く大量生産が困難なシリーズです。
2016年にクラヴィオット氏は惜しくも他界してしまいましたが、
彼が遺した、彼の手によって選定された特に貴重な木材により製作されたのが、
このプライベートリザーブ・スネアドラムです。



●CRAVIOTTO / Private Reserve Curly maple Tube Lug Edition 14X5.5

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とにかくトラ杢が美しい!カーリーメイプル
硬質な素材でメイプルの持つ上品さが見た目からも感じ取れます。
メイプル材といえばドラムシェルでもっとも多く使われる素材、
その中でも最高クラスの木材を使用している逸品。
商品ページ



●CRAVIOTTO / Private Reserve Red Birch Tube Lug Edition 14X5.5


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バーチの中心の硬い部分であり、赤みの強い「レッドバーチ」
ヤマハの名器YD9000等にも使用されていたとされます。
ドラムの素材としては比較的多く用いられる「バーチ材」
その中では単板シェルは珍しく、メイプルとの比較にはもってこい!
商品ページ



では早速動画をご覧ください!

上下のヘッドのピッチを極力同じに揃えた、
ローピッチ・ミディアムピッチ・ハイピッチでの比較です。




さて、いかがでしょうか?

自分としてはイメージ通り、予想通りという感じでしたが、
流石のクラビオット単板、どちらもチューニングレンジも広く素直で、
木材の特性がフルに生かされているように感じました!


【カーリーメイプル材】

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・メイプルらしい明るい音色、特に高音が綺麗
・全体的に音域のバランスが良く、レンジが広い
・とりわけハイが綺麗、繊細で美しいトーン


これぞメイプルといった、ブライトな音色。
また、細かいタッチにも非常に繊細に反応し、ダイナミクスレンジも広いです。
とにかく生音が美しく、アコースティックな音色を大事にしたいジャンルにオススメ。
チューニングレンジもやはり広く素直な印象です。
特にジャズ系には文句なしでオススメ、
コンサート系も十分対応できる繊細さと音の輪郭を有します。
それ以外のジャンルでも幅広くマッチする、超万能なスネアという印象です。



【レッドバーチ材】

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・メイプルに比べダークでややドライなサウンド
・少し低域寄りのバランスのあるサウンド
・ワイルドでガッツのあるイメージのトーン


バーチ材のイメージ通りのサウンド。
メイプルよりは少し歪んだようなサウンドで、
「コン」というよりは「ゴン」といった感じの音色。
バーチ系の特徴とも言えますがハイレンジは少し控えめで、
音色の美しさはメイプルに分がありますが、
少しドライなサステインと存在感のある音色が魅力的。
その分録音などで威力を発揮してくれそうで、
ファンク、ポップスなどで特に活躍してくれそうな印象です。



こうやって極力同じチューニングに揃えてあげると、
特に素材の「クセ」が分かりやすく感じられます。

正直、同じ機種でも同じようにチューニング揃えるのは
なかなか困難なこともあるのですが、
さすがは「クラヴィオットの単板スネア」
非常に精巧で精度が高く、チューニングの調整もスムーズでした。

昨秋、CRAVIOTTOの工場はカリフォルニアからナッシュビルに移転。
現在渋谷WESTに入荷しているこの2台は、カリフォルニア工場製。
いずれもクラヴィオット氏の亡き後に生産されていますが、
工場移転前の製品は、クラビオット氏が選定した木材で製作されているそうです。
なので、シェル内部に彼のサインはありませんが、
彼の50年を越える経験をもつ目利きにより仕入れられた、
最高級の木材を使用しており、その美しさ、サウンド共に他社モデルにはない
存在感、風格を間違いなく感じ取る事の出来る2台といえるでしょう。

若干スネアとしては高額な部類のクラヴィオットの単板スネアですが、
一度叩けばみなさんその性能に驚かされています。

木材の特性を100%生かした、素直で扱いやすいスネア。
どちらも非常 に「わかりやすい」スネアですので、
どんなキャリアのドラマーにも自信をもっておススメできます!



現在、こちらの商品は2台とも御茶ノ水ドラム館に展示販売中!
是非店頭でこの2台の違いをお試しくださいませ!!


MATSUOKA