毎日しっかりお手入れをして、もっっっと楽しく楽器を吹こう!トロンボーン編!
2019-05-30 こんにちは!管楽器担当の吉村です!先日、癒しを求めて行った猫カフェで必要以上(?)に癒されてしまって、猫モフりたい衝動に歯止めがききません。猫最高・・・。
今日は久々のお手入れシリーズ、トロンボーン編です!(お待たせいたしました)

さっそくですが、まずはスライドについて。
トロンボーンにとって命とも言えるのがスライド。伸びるとこですね。ここの調子が悪くなると、楽器が本来持つ魅力を発揮できなくなってしまうので、特に大切に扱ってほしいところです。
注意してほしいのが、スライドを持つ位置。
ケースに出し入れするときは、スライドの両端を持ってほしいんです!なぜかと言うと、とっても長いトロンボーンのスライドは、真ん中を持つと曲がってしまう可能性があるからです。

もちろん、一回持っただけでぐにゃぐにゃになる…なんてことはありませんが(笑)、何度も何度も繰り返すうちにゆるやかーーに曲がってしまう可能性が。ここが曲がってしまうと、演奏するときにスライドがスムーズに動かなくなってしまいます。
トロンボーンはいつでもスルスル動くスライドで演奏できたら楽しいですから、特に気を使ってあげてくださいね。でも、どんなに気をつけていても、気付かないうちに曲がってしまうこともありえます。楽器を買ってから何年も経っていたり、動きが鈍いかな?と思ったら楽器屋さんに点検してもらうのがおススメ。
次に、演奏する前に使うオイルについて!
スライド内管の先端って、すこし太くなっていますよね。

(写真がわかりにくくてスミマセン、心の目で見てください
ここをストッキングといいます。まずはストッキングにスライドオイルを塗ります。名前が似ているからってスライドグリスを使ってはダメですよ!!

スライドオイル色々。
ロータリーがあるテナーバストロンボーンやバストロンボーンにはローターオイルを注します。

ロータリーのキャップを取ったときに見える軸の隙間と、裏のローター軸にもスピンドルオイルを注して、レバーをパタパタッと押して馴染ませるとGOOD!

ロータリーがサビで固着してしまったりごみなどが挟まると、ロータリーの動きが悪くなってしまいます。ロータリーのお掃除はリペアマンの手による分解が必要になってしまうので、毎日のお手入れで防げるところをしっかり防ぐよう意識していきましょう!
そもそもオイルってなんで注さなきゃいけないのかって話をしておきます。
実はオイルには、スライドなどの動きを良くすること以外にもたくさんの役割があるんです!
1.金属へのダメージを防ぐ
スライドや抜差し管は、(当たり前ですが)金属でできています。演奏中にはスライドをたくさん動かすので、硬い金属同士がこすれて消耗してしまいます。
私たちも乾燥した時期になると肌がカサカサになってしまいますよね。それを防ぐためにハンドクリームなどを塗って潤いを与えると思います。楽器も同じで、カサカサの状態では金属にもダメージが加わってしまうんですね?。なので、スライドは常にオイルで潤った状態にしておく必要があるのです。
2.ノイズを抑える
先ほど少し説明したように、オイルがなくなると金属同士がこすれてしまいます。すると、スライドを動かしたときに金属がこすれる「シャカシャカ」という感じの乾いた音が聞こえます。楽器を吹いているときに楽器からこんな音がしたら、気になってしまいますよね。練習に集中するためにも、しっかりケアしてあげたいポイントです。
3.サビを防ぐ
金管楽器にとってサビは大敵。サビが進行しすぎると、スライドの内側の管と外側の管がくっついてしまい動かせなくなることも。こうなってしまうと修理も大掛かりになることがありますし、時間もかかります。
そもそもなぜサビができるのかというと、金属と空気中の酸素が反応して「酸化」という現象を起こしているからです。金管楽器によく見られる緑色のアイツも、酸化によってできています。酸素に触れることでサビが出来るのであれば、酸素に触れさせなければいい!オイルで金属の表面をコーティングしてあげれば、直接空気に触れることが少なくなるので、酸化する可能性が低くなる…というわけなのです。
という感じでオイルの大切さを語ってみました。普段何気なく使っているオイルにも、こんなにたくさんの役割があったんですね。
でも、そもそもオイルがあるかないかでは吹奏感が大きく変わってくるんです。楽器にオイルが満たされていると、吹いたときに一体感を感じられるというか、楽器全体が鳴ってくれるような感覚があります。芯があって密度の高い音色 を作るために、オイルは欠かせないものだと思っています。(あくまで吉村の主観なので、気になる人は実験してみてください!)
そして演奏が終わったあと!
汚れや水分を管体の中から取り除くために、抜差し管やマウスピースにスワブを通しましょう。
スワブは、楽器に対応したものを使わないと、詰まりの原因になります。スライドには、YAMAHAの「トロンボーン スライド用」、抜差し管には「トロンボーン&ユーフォ用」と書いてあるスワブがぴったりです!
スワブを通すときは、紐や布が絡まっていないことを確認してから通します。絡まったまま無理に通そうとすると、スワブが詰まる原因になりますよ!
ときどきはクリーニングロッドにガーゼを巻いて、抜差し管の中を掃除してあげましょう。スワブだけでは取りきれない汚れをガーゼで拭き取るイメージでしょうか。
汚れや古くなったグリス・オイルがたまって固まってしまうと、抜差し管が抜けなくなってしまう可能性があるので、こまめなお掃除が大切です。

また、マウスピースは中の隙間が小さく汚れがたまりやすいので、時々マウスピースブラシを使って掃除しましょう!ブラスソープやマウスピースクリーナーを使うのも良いですよ。
片付ける前には、楽器をキレイに拭きあげます。
ラッカー仕上げの楽器にはラッカークロスやラッカーポリッシュを使って磨くとキレイになりますよ!

最後に、
・ウォーターキイの動作不良がないか、コルクの割れや欠け・バネが折れていないか
・石突きゴム(スライドの先端についているゴム)がなくなっていないか
・スライドロックリングがゆるゆるになっていないか
を確認してあげましょう。

消耗しやすいパーツであると同時に、演奏のしやすさや管理の際の安全面に関わるところばかりです。「あれ?」と思ったら楽器屋さんに行って点検してもらいましょう。定期的に交換をお願いしても良いと思います。
金管楽器は共通のお手入れ方法も多いので、ぜひ以前のブログも参考にしてみてくださいね!
以前のブログはコチラから↓
トランペットのお手入れについて
ホルンのお手入れについて
とにもかくにも「金管楽器はお掃除とオイルが大事!」ということです。お手入れの仕方ひとつで、演奏するのがもっと楽しくなっちゃうかもしれませんよ!
それでは素敵な楽器LIFEを!
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