大切な楽器と仲良く付き合っていくために ‐ホルン編‐ !

ホルンのお手入れ方法について見直してみましょう!

2019-04-03 こんにちは!管楽器担当の吉村です!

最近肩こりがスゴイです。ほんっとに。整体とか行ってみたいんですが、どうやって病院を選んだらいいのかわからずにずっと放置しています。おススメの病院あったら教えてください(笑)
自分の体のお手入れもしてあげたいところですが、吉村は楽器屋さんなので、今日も楽器のお手入れについて説明していきます!

大切な楽器と仲良く付き合っていくために -ホルン編-!

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金属でできてる系(?)の楽器とか、ギターみたいに表面がつやつやしてる楽器というのは撮影が難しいです。写りこみというか、自分が写ってしまうのが嫌なんですよね…(笑)




まずは楽器を組み立てるとき!

これはデタッチャブルベル(ベルをはずしてケースに入れることができるホルン)の場合です。ベルを組み付ける際には、ベルと本体のネジが切ってある部分にはオイルやグリスをつけずに組み立てましょう。

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グリスなどにホコリが挟まってしまうと、ベルが組み付けにくくなったり、はずしにくくなる可能性が!動きが不自然だと感じたら、ホコリがたまっていないかを確認しましょう。もし汚れていたら、ティッシュやガーゼで汚れを取ってあげてください!



次に、演奏する前!

実際にオイルを注す前に、いつも何気なく使っているオイルにどんな役割があるのか説明していきます。

1.金属へのダメージを防ぐ
ホルンのロータリーや、ロータリーが収まっているケーシングといわれる部分は、(当たり前ですが)金属でできています。演奏中にはロータリーがたくさん動くので、硬い金属同士がこすれて消耗してしまいます。私たちも乾燥した時期になると肌がカサカサになってしまいますよね。それを防ぐためにハンドクリームなどを塗って潤いを与えると思います。楽器も同じで、カサカサの状態では金属にもダメージが加わってしまうんですね?。なので、ロータリーは常にオイルで潤った状態にしておく必要があるのです。

2.ノイズを抑える
先ほど少し説明したように、オイルがなくなると金属同士がこすれてしまいます。すると、ロータリーを動かしたときに金属がこすれる「シャカシャカ」という感じの乾いた音が聞こえます。楽器を吹いているときに楽器からこんな音がしたら、気になってしまいますよね。練習に集中するためにも、しっかりケアしてあげたいポイントです。

3.サビを防ぐ
金管楽器にとってサビは大敵。サビが進行しすぎると、ロータリーとケーシングがくっついてしまい動かせなくなることも。こうなってしまうと修理も大掛かりになることがありますし、時間もお金もかかります。
そもそもなぜサビができるのかというと、金属と空気中の酸素が反応して「酸化」という現象を起こしているからです。金管楽器によく見られる緑色のアイツも、酸化によってできています。酸素に触れることでサビが出来るのであれば、酸素に触れさせなければいい!オイルで金属の表面をコーティングしてあげれば、直接空気に触れることが少なくなるので、酸化する可能性が低くなる…というわけなのです。



ホルンのロータリーには、二種類のオイルが必要です。ロータリーはレバーを押すと中で回転し、息の通り道を変えることで音を変えるという仕組みです。

ロータリーの中身はこんな感じ。一番上のフタを外すと見えるのは、上から二番目のフタです。時計の文字盤のようなものが見えるのはロータリーの本体で、二番目のフタに刺さるような格好でケーシングに収まっています。

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で塗られた部分はサラサラのローターオイル
で塗られた部分は粘度の高めなスピンドルオイルというものを注してあげる必要があります。


まずはローターオイル
抜差し管を抜いてオイルを流し込むのは皆さんご存知かと思いますが、ローターオイルを注すときに必ず使ってほしいのがこのノズル

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ロータリーにオイルを送り込んであげるためのもので、オイルの入れ物にこれを取り付けて使います。

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なぜこれを使ってほしいのかと言うと、ローターオイルが抜差し管の壁を伝って流れていってしまうと、抜差し管に塗ったスライドグリスがロータリーに到達してしまいます。本来サラサラのオイルを使うロータリーに、ベタベタのスライドグリスが流れてしまったら…!??

もうおわかりかと思いますが、ロータリーの動きが重くなってしまいますね。グリスが固まってロータリーが動かなくなる可能性も。ロータリーのお掃除はリペアマンの手による分解が必要になってしまうので、時間もお金もかかってしまうかも。こんな事態を防ぐために、ノズルを使ってほしいのです!


次にスピンドルオイル。
ロータリーのキャップを取ったときに見える軸の隙間(青くなってるとこ)と、

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裏のローター軸
(青で囲ってあるとこ)にスピンドルオイルを注して、

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レバーをパタパタッと押して馴染ませるとGOOD!ときどきはレバー軸の隙間にレバーオイルを注してあげると良いですよ!ホコリがつくのを防ぐために、はみ出たオイルはしっかり拭き取ってあげると丁寧です。

抜差し管にはスライドグリスを塗ります。ピンクになっているところですね。

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古いグリスはガーゼなどで拭き取ってから新しいグリスを塗りましょう。どの抜差し管がどこに入ってたかわからなくならないように、位置をしっかり確認して作業してくださいね!



最後に、演奏が終わった後!

汚れや水分を管体の中から取り除くために、抜差し管やマウスピースにスワブを通しましょう。
スワブは、楽器に対応したものを使わないと、詰まりの原因になります。ホルンには、YAMAHAの「トランペット/ホルン用」と書いてあるスワブがぴったりです!

スワブを通すときは、紐や布が絡まっていないことを確認してから通します。絡まったまま無理に通そうとすると、スワブが詰まる原因になりますよ!
ときどきはクリーニングロッドにガーゼを巻いて、抜差し管の中を掃除してあげましょう。スワブだけでは取りきれない汚れをガーゼで拭き取るイメージでしょうか。



汚れや古くなったグリス・オイルがたまって固まってしまうと、抜差し管が抜けなくなってしまう可能性があるので、こまめなお掃除が大切です。また、マウスピースは中の隙間が小さく汚れがたまりやすいので、時々マウスピースブラシを使って掃除しましょう!ブラスソープやマウスピースクリーナーを使うのも良いですよ。

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片付ける前には、楽器をキレイに拭きあげます。ラッカー仕上げの楽器にはラッカークロスやラッカーポリッシュを使って磨くとキレイになりますよ!



最後に、ウォーターキイについているコルクの割れや欠けがないかを確認してあげましょう。このコルクが欠けてしまうと、息漏れの原因になります。天然のコルクは水分によって劣化してしまうので、定期的な調整と一緒にコルク交換をお願いしても良いかもしれませんね。

また、ホルンのベルはとても薄い金属なので、ぶつけたり無理な力を加えたりしないように丁寧に扱ってあげてください!



まとめると、ホルンは「お掃除とオイルを注すことを徹底しましょう!」という話でした。

金管楽器は共通のお手入れ方法も多いので、他の楽器についてのブログも参考にしてみてくださいね!
トランペット編はコチラ


それでは素敵な楽器LIFEを!

YOSHIMURA

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