YAMAHAのFシリーズは1966年に発売され、現在まで定番のアコースティックギターとして世界中で愛用されてきました。
Fシリーズは、50年以上の歴史の中で技術を培い進化してきました。ここではFシリーズの現行モデルについてお話しして行きます。

FSとFG
現行のFシリーズはFSとFGで大きく分類されます。
FSはフォークタイプという、くびれの深いコンパクトなシェイプとなっており、よく耳にする「フォークギター」という名前はこれに由来します。
FGはトラッドウエスタンシェイプという、ドレッドノート型などとも呼ばれる大きなシェイプです。
小さいギターは体にフィットしますので、やはり弾きやすいと感じるのはFSという方が多いでしょう。ボディの厚さはFGは100~118mmに対してFSは90~110mmと、少し薄いです。スケール(弦長)もFGは650mm、FSは634mmと少し短いため押弦しやすいテンション感です。一方、音の迫力ではやはりトラッドウエスタンシェイプボディのFGに一日の長があります。低音が大きなボディ空間で反響し、高音はよりクリアに鳴ります。FS/FGに限らず、大きなギターほどきれいな良い音が出ると言えるでしょう。これは前述したボディやスケールの長さの違いに起因する音のハリや伸びやかさが、耳に心地よく感じるためです。

800~850
現行のFシリーズの名前にはFS/FGのあとに800台の3桁の数字がついています。それぞれ価格の違いがあり、数字が大きいほど価格が高くなります。基本的にはサイドとバックの板の材質が違います。リーズナブルな入門機種と侮ってはいけません。しっかりと材質のキャラクターがあり、それぞれ音の個性があります。
FS/FG | トップ材 | サイド&バック材 | 特徴 |
800 | スプルース単板 | ナトーまたはオクメ | ナトーまたはオクメは、マホガニーの代用品として用いられます。リーズナブルな価格が魅力です。 |
820 | スプルース単板 | マホガニー | ギターのサイド&バック材としては定番の木で、中音域が強く、柔らかく素朴な音が特徴です。昔ながらのブルースサウンドや、フィンガーピッキングに適していると言えるでしょう。 |
830 | スプルース単板 | ローズウッド | これも定番の木材です。ドンシャリの傾向があり倍音豊かな音が特徴です。音の伸びが良く透明感のあるサウンドです。ストロークでも迫力のある伴奏として活躍することでしょう。 |
840 | スプルース単板 | フレイムメイプル | 虎の体表のような縞模様の木目が特徴です。硬質で重い木材であるため、特にストロークなどでははっきりとした輪郭を示します。見た目にも楽しめるギターです。 |
850 | マホガニー単板 | マホガニー | 弦の振動が直接響くトップの板がマホガニー単板になっているため、より柔らかい素朴な音です。他のFシリーズとは全く違う特徴的なサウンドです。 |



良い音とは
さて、アコースティックギターにおいて「良い音」とは何でしょうか。よく響く=しっかりとボディが振動するという事になりますが、その音の響き方は材質によって大きく変わります。
アコースティックギターはサイド&バック材がマホガニーなのかローズウッドなのかで音の違いがはっきりと分かれます。Fシリーズでいうところの820と830です。材の特徴として、マホガニーよりローズウッドの方が音域が広いため、多くの人は良い音だと感じるでしょう。ローズウッドボディのギターをストロークした時の迫力は素晴らしいものがあります。しかしそれならばマホガニーよりもローズウッドの方が優れているかというと、そうではありません。単音の抜けの良さや柔らかい素朴な音の質感はいつまでも弾いていたくなるような気持ちよさがあります。
このように音の好みは人それぞれ違いますので、Fシリーズにおいては、価格が高い方が良いということでは決してないのです。




おわりに
Fシリーズは50年以上の歴史の中でモデルチェンジを繰り返し、2016年に現在の800~850のモデルとなりました。現行モデルは今までの700~のFシリーズよりも音が良くなっています。弾きやすく、音が良く、低価格な現行Fシリーズをぜひご検討ください。
【ハーベストギターズ】YAMAHA Fシリーズの商品ページはこちら!!【Yamaha Acoustic Guitar Experience】
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