【2024年版】ストラトキャスター&テレキャスター、その違いって結局何!?

原点にして頂点。Fender の代表的名器の違いを知る。

エレキギターの代名詞のうちのひとつと言っても過言ではないブランド、Fender(フェンダー)。そのフェンダーが生み出した名器、Stratocaster(ストラトキャスター)とTelecaster(テレキャスター)。

もはやアイコン化された存在と言え、「エレキギター」と言われると、この2モデルを想像する方も多いと思われます。

両モデルとも登場から半世紀以上経過した今も変わらず、メディアに登場するような超一流のプロ・ギタリストから、これからギターを弾き始める10代前半の方まで、実に幅広い層に使われる人気・定番機種としての地位を保っています。

しかしながら、「ストラト(Stratocaster)とテレキャス(Telecaster)、見た目のデザイン以外の違いって結局何なの?と言われると、中々一言で答えるのは難しい・・・と感じる方はギタリストであっても少なくないのではないでしょうか?

本日は王道かつ基本で触れられる機会がありそうで意外と無いこの疑問について、これからギターを始めたい方、ギターに興味がある方に出来る限り分かりやすいよう、独断と偏見も交えつつ迫りたいと思います。

ストラトとテレの共通点とは

まず両モデルの共通点から挙げていきましょう。

  • 1950年代に登場
  • ソリッド・ボディ(ボディに空洞の無い)のエレキギターである
  • ピックアップ(マイク)はシングルコイル
  • ネック(竿)とボディ(胴体)を接着剤ではなく木ネジで接合するデタッチャブル(ボルトオン)・ネック方式である

ストラトやテレキャスが登場する以前の1940年代より前の時代、所謂ギター系の弦楽器はボディ内に空洞のある「箱モノ」としての作りが常識でした。製造方法もネックとボディを接着剤で接合する伝統的な手法が主流でしたが、それらを打ち破ったのが50年代に登場したフェンダーの両モデルでした。

空洞の無い木の板材にマイクを載せ、ネックをネジで固定するという発想は、50年代当時の楽器作りとしては超・異端派ですが、今やエレキギターとしては当たり前のスタイルとなっています。このあたりはフェンダーが元々楽器職人出身ではなく、ラジオやアンプ等を手掛けていたエンジニア集団の企業であった事が背景にあります。

Fender 創始者レオ・フェンダー

ちなみにこの発想とはどちらかと言うと反対の、伝統的な弦楽器づくりのスタイルで今も作られているのがLes Paul(レスポール)等に代表されるGibson(ギブソン)系のモデルです。こちらはセットネック、精緻に加工されたネックジョイントをはめ込み接着工法にて製造されています。

Gibson USA Les Paul Standard

ピックアップについてはシングルコイルとハムバッキングの違いがありますが、今回紹介する両モデルとも基本はシングルコイルなので、あまり深くは触れません。とりあえず両モデルとも「エレキギターの中ではシンプルなつくりのピックアップが載っているタイプ」という認識でOKです。

テレキャスター』は、ストラトキャスターよりも先に設計され登場

次に両モデルの違いについて、ピックアップのレイアウトやブリッジ等色々あるのですが、今回はあえて最重要(と思われる)ポイントを1点だけ挙げさせて頂きます。それは「時代的にテレキャスターの方がストラトキャスターよりも先に設計され登場した」事です。

「ピックアップ(マイク)を搭載したギター」は、テレキャスターが登場する以前の1940年代にも存在したのですが、前述の通り「空洞なしのボディにピックアップが載っており、立って演奏する」スタイルの現在一般に想像される「エレキギター」にあたる史上初の量産モデル*がテレキャスターです

厳密にはテレキャスターの前身にあたる、”エスクワイア”、”ブロードキャスター”となります。

テレキャスターは現在の全てのエレキギターの祖先・元祖にあたるモデルと言えるかもしれません。

そうした時代背景の中生まれた為、

  • 弦はボディに直接穴をあけて裏通しして固定してあるだけ
  • リアのピックアップは元々フェンダーが40年代以前に作っていたラップスチールギター用のピックアップを流用
  • ボディの加工は比較的シンプルで、「板」感が強い

等、テレキャスターはエレキギターとしては非常にシンプルかつ原始的な設計となっています。

ピックアップ開発の元になった『ラップスチールギター』はハワイアンやカントリー等で使われる事が多いピックアップ搭載ギターで、スタンドや膝の上に寝かせて演奏するスタイルで演奏されます。歴史は古く1930年代頃から存在しました。

随所に改良が加えられ登場した『ストラトキャスター』

対してストラトキャスターが登場したのは、テレキャスターから遅れる事4年後です。たった4年と思われるかもしれませんが、

  • 弦は新開発のトレモロ・ユニット(ボディに設けられた、アームとバネを介してビブラートをかけるための機構)を介して固定
  • ピックアップはエレキギター用に新たに開発されたものを3基搭載し、音作りのバリエーションもテレキャスターより多い
  • ボディ各所にカッタウェイ(高い音程を弾く際に押さえやすいよう設けられた切欠き)やコンター(ボディが体にフィットするよう設けられた窪み)が設けられ、洗練されたデザインになっている

等、随所に改良が加えられている事が見て取れます。ボディ裏を見ると、ボディコンターが設けられ、トレモロスプリングキャビティが設けられているなど、テレキャスターと比べて、ストラトキャスターはより精緻にデザインされている事がよくわかります。

Fender American Vintage II 1951 Telecaster

70th Anniversary American Vintage II 1954 Stratocaster

この両モデルの違いはサウンドにも表れ、「どちらかというとテレキャスターはストラトキャスターよりも粗々しく、弦の振動がダイレクトに感じられる生々しいトーン、ストラトはそれよりも洗練されバランスの良い鳴り方」と表現される事も多いです。

このようにストラトはテレキャスよりも後発で、様々な箇所を改良したモデルとして登場したのですが、だからと言ってストラトの方が良いモデル!とはならないのがギターの面白い所です。前述の通り数多くのプロギタリストが未だにテレキャスターを愛用している事からもそれは見て取れます。このあたりは最終的には使うプレイヤーの見た目も含めた「好み」ですね。

モダンにアップデートされた American Professional II シリーズ

ストラト&テレキャス、本家USA製のフェンダーからは現在バリエーション・モデルも含め、様々なモデルがリリースされていますが、その中で上記の両モデルの特性をしっかり受け継ぎつつも、今の時代に即したアップデートが施されているのが American Professional II シリーズです。

必要以上に今風になりすぎず、前述のストラト&テレキャスの伝統的な性質を受け継ぎながら、それでいて現在のプレイヤーが演奏時にストレスにならないよう、あらゆるジャンルで音作りのしやすい新開発されたピックアップの搭載。

幅が狭くやや高めで押さえやすいフレットの採用等、要所要所をしっかりリファインされているのが特徴です。

Fender Made in Japan ラインナップも充実

ややお手頃な日本製モデルにも、ロックペグの採用等で現代風寄りにアレンジされたMade In Japan Hybrid II シリーズ、どちらかと言うとヴィンテージ寄りな性格ながらアメプロ同様に弾く時にストレスを感じないよう細かい箇所をリファインしてあるMade In Japan Traditional IIMade in Japan Heritage シリーズ等各種揃っていますが、ストラト&テレキャスのキャラクターの相違点はUSA製と共通です。

「迷ったらとりあえず1本持っておけば間違いない」、王道の本家Fenderのストラト&テレキャス。選んで頂く際の参考になれば幸いです。是非イシバシ楽器名古屋栄店までご相談下さいませ。

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イシバシ楽器名古屋栄店

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