ラディックの様式美 no.1

ロックファンは見逃せない、ラディック・ドラムの秘密に迫る!

2015-01-24 こんにちは!
いつも結局ラディック頼みになってしまう店員【M】でございます。
今回はアメリカン・ドラムの雄、ラディックについてご紹介させていただきます!

第一回はラディックのブレイクまで!


アメリカのドラムメーカーLUDWIG社の特徴は??と訊かれたらどう答えますか?

皆さんのイメージの中でも、
LUDWIG=ロックのイメージは有りませんか?

それもそのはず、
60年代、70年代にモンスターバンドのドラマー達が
こぞって使用していたのがそのラディックドラムでした。

1909年に創業のLUDWIG社は当時初の実用的なドラムペダルなどで成功を収め、
以来ドラムメーカーとしての確固たる地位を確立。
しかしながら、いわゆる「ブレイク」する1960年代まで、
世界の経済情勢や大戦の影響など不安定な情勢の煽りを受け
買収・社名変更を繰り返しており、意外と波乱が多いブランドとも言えます。

今でも1920‐50年代製のLUDWIGブランド(WFLやLUDWIG&LUDWIG)が
稀に流通しておりますが、まだまだ十分現役で使える物も多く、
この激動の時代を乗り越えてきた強さを非常に感じます。

さてさて、戦後の混乱も落ち着き、
1950年代を過ぎ1960年代に入り登場した
モンスターバンド THE BEATLESのリンゴ・スターが
ラディックのブラックオイスターのセットを使用した事で人気が爆発、
アメリカだけでなく世界中でラディックドラムの需要が高まって行きました。
よってこの年代以降急激に製品が増えていきます、、、

この世代のリンゴが使用してたセットと同じカラーのものは、
中古市場でも100万円以上で取引される、
「スーパーレア」なドラムセットとして今でも異様に高い人気を誇ります。




上はリストア品ですが、非常にオリジナルに近いカバリングです。

とりわけ60年代ラディックの製品は
いわゆる耳馴染みのある音色が多いとされ、
それもあってか現代の音楽でも録音などに頻繁に使われております。

やはり、音楽制作側からもやはりBEATLESの「あの音」への憧れは強く、
90年代以降のロックシーンでは特に意識した音作りが目立ちます。

そのため当時の音を出すには当時の楽器
と言うことでこの年代のヴィンテージは比較的高値で取引されることが多いです。

私もこの年代の物を以前所有しておりましたが、
実に「コシのある」音がします。
この頃の木胴は3プライで、素材も今と違ってマホガニー/ポプラ/マホガニー。
メイプルに比べると密度が低く、低音の豊かな柔らかい音が特徴。
流石にこれだけだと強度が頼りないので、レインフォースにメイプルを使用。
エッジも丸く加工された実に緩やかな物で、内側には白い塗装が施されておりました。
悪く言うと「けっこう適当」な構造のシェルですが、
何故か「ものすごい温かい音で鳴る」のです。

シェルが柔らかいせいで遠くに音を飛ばすにはあまり向きませんが、
とにかく近くでの聞こえ方がものすごいソフトです。
まさしく録音に最適なドラム!
同年代の他メーカーと比べてもラディックはものすごくソフトでファットです。

何故こんなにソフトなドラムがロックレジェンド達に愛されたのか???
恐らくリンゴ・スターが使っていたからでは無いでしょうか(笑)
だけでなく、ローエンドが非常に豊かと言う特性に惹かれ、
LUDWIGをチョイスしていたドラマーも多いはずです。



このセットは!!
とピンときた方はご期待下さい!
続きは次週「400シリーズとロック黄金期」時代です

明日より開催!

「60-70’s ROCK STAR FAIR」
当店4F特設会場にて生のヴィンテージを試せます叩けます!

ぜひともその音色を実際にお確かめ下さい
名ドラマーたちが絶大な信頼を寄せるLUDWIGドラムの秘密がわかるかも??

是非ご来店お待ちしております。