
こんにちは、イシバシ楽器池袋店です。
ギターがもっとうまくなりたい という方は、たくさん練習をする事が第一ではありますが、
実は、弾くギターが”良いコンディション”か”悪いコンディション” かによって上達のスピードも変わります。
しかし「メンテナンスってどうやったら良いんだろう」「メンテナンスを間違えてギターを壊してしまわないか心配」というお悩みをお持ちの方も多いと思います。
今回は、お持ちのギターのコンディションを保つ、ご自宅で簡単にできるお手入れグッズをご紹介します!
目次
1.ギターのコンディションが良いメリット
ギターをお手入れして、良いコンディションを保つ事の目的は、外観を綺麗に出来ることや気持ちよく弾ける という事がありますが、
ギター/ベースを始めたばかりの初心者にとって、最も大きいのは
「良いコンディションの楽器で練習すると、上達スピードが速くなる」事です。
コンディションの良い楽器は弦を押さえる力が最小限でも演奏可能で、様々なニュアンスが表現できます。
楽器の演奏では、いかに”脱力”するかが大事です。一つのフレーズの中でも、力を抜いて弾いたり逆に力いっぱい押さえたり様々なニュアンスを組み合わせる事で奥行きが生まれ、魅力的な演奏になります。
コンディションの良いギターはやさしい力で音が出ることは勿論、力の入れ具合によって音の表情も変化するので、「こういうフレーズはこう弾くと良い音が出る!」といった発見がしやすいです。
逆にコンディションが悪いギターだと、そもそもかなり力を入れないと音が出ないという事もあり、やさしい力で押さえた時の音が出せない場合もあります。
ギターのコンディションが良いと”様々なニュアンスの表現”を発見して、自分のものにしやすくなり表現の幅が広がる事で上達スピードも上がります。
2.どうしてお手入れが必要なのか
2.1ギターは木でできている
ギターという楽器は、ほとんどが木材で出来ています。木材は自然に湿気を吸収・放出を繰り返す という性質があり、常に伸縮しています。
完璧に真っ直ぐなネック、というのは木材を使っている限り存在しません。
では、なぜ木材を使っているのに楽器として成立しているのかと言うと、
それは弦の張力を考慮し、様々な箇所で演奏しやすいように調整がしてあるからです。
- フレット
- フレット(弦を押さえたときに接触する金属パーツ)の頂点の高さが、ネックの個性に合わせて調節してあれば、音はしっかりと出てくれます。
- トラスロッド
- 弦の張力とバランスをとるため、ほとんどのギターのネック内部にはトラスロッドという金属の棒が入っています。トラスロッドはネックの個性に合わせて調整する事が可能なので、まっすぐな状態に近づける事ができます。
初心者ではわからない用語もありますが、
ざっくりまとめると、絶妙なセッティング、バランスによって音響特性の優れた木材を使いながらも快適な演奏が出来るようになっている という事です。
2.2 メンテナンスをしないとどうなってしまうのか
ギターは、木材の個性や弦の張力を考慮し、パーツのセッティングで絶妙なバランスを取ることで、快適な演奏性を実現しています。
では、その絶妙なバランスが崩れてしまう時とは、どんな時でしょうか。
①湿度によってネックが大きく動いてしまった時。
湿度が高すぎた場合、低すぎた場合 ともに弦の張力とのバランスが崩れ、ネックが反って(曲がって)しまいます。
乾燥した際には、弦の張力が上回り、ネックが”順反り”に
湿度が高い時には、反対にトラスロッドやネックの力が弦の張力を上回る、逆反りになりやすいです。
どっち向きの反りであっても、そのままにしておくと弦と指板までの距離が伸びて押さえづらくなったり、
押さえていないフレットと弦が接触して音がうまく出なくなるなど、演奏性が著しく悪くなります。
こうなったギターは修理が必要な場合が多いです。
②パーツが消耗した時
ギターの演奏性が下がる要因としては他にも、パーツの磨耗、消耗があります。
フレットやナットは”消耗パーツ”と呼ばれることもあり、そういったパーツの消耗具合にばらつきが生じることで、音がうまく出なくなってしまいます。
こちらも症状の改善には修理が必要な場合が多いです。
毎日ギターを弾いていると、いつかは必ず演奏性は下がり修理やメンテナンスが必要になります。
しかし、簡単なお手入れを定期的に行う事で良いコンディションは長持ちします!
3. 簡単に出来るお手入れをしよう!
今回ご紹介するお手入れは、弾きやすいギターの良好なコンディションを長持ちさせます。
”修理”とは異なり、湿度による変化や消耗による変化を最小限に抑え、買った時、修理から戻ってきた時の一番弾きやすい状態をより長く保てるようにします。
※演奏コンディションが不調な楽器の症状改善はリペアショップや楽器店への持ち込みをオススメします。
3.1保湿するお手入れ
湿度によるネックの変化を防ぐには、ギターを置く環境は湿度40%~50%に徹底するというのが一番良いですが、お住まいの環境によっては難しい方もいると思います。
簡単に出来るお手入れとしては、弦交換のタイミングでオレンジオイルで指板を保湿をすることが有効です。

HOWARD / Orange Oil 指板用オレンジオイル 4.7oz 140ml
当店でも人気の高い定番品です。
保湿だけでなく、指板に付着した汚れの除去も同時に出来ます。ローズウッド指板や、エボニー指板、パーフェロー指板など、指板に塗装がされていないギターでは、オレンジオイルでの保湿はとても大事です。
使い方は、弦交換の際弦を全て外した状態でクロスやティッシュに適量つけ、指板全体に塗り、しばらく経過してから拭き取るだけです。
オイルが木材に浸透し、保湿できます。
似た商品にレモンオイルもありますが基本的な機能は殆ど同じですが、レモンオイルはクリーニングに向いていて、オレンジオイルは保湿に向いています。
ハワードのオレンジオイルだと、クリーニングも同時に出来るのでオススメです。
※メイプル指板のギターなど、指板にテカりのあるギターは既に塗装で保護されています。塗装をいためてしまう場合もあるので、オイルは使わず、クロスで乾拭きだけで大丈夫です。

その他にもハードケースをお持ちの場合は、弾かない時は湿度調整材を入れて保管することも、ネックのコンディションを維持する上では有効です。
加湿器や除湿機をつけっぱなしにしなくてもハードケースにギターと一緒にしまっておくだけで40%~50%というギターに適した湿度環境をケース内で作れます。
ひとつで半年~1年程効果が持続します。
※湿度調整剤は気密性の高いハードケースでは有効ですが、ソフトケース、セミハードケースなど通気性の良いケースでは効果がありません。
3.2 パーツの消耗を抑えるお手入れ
ギターを演奏していると、フレットやナットはどうしても少しずつすり減ります。
これを100%防ぐことは出来ませんが、長持ちさせるには弦交換が有効です。
なぜならギター弦は金属のため、使用しているとサビが発生します。サビがある弦は、新品の弦と比べてフレットをより摩耗させやすく、定期的な弦交換を行うことでフレットの摩耗を最小限におさえられます。
弦交換を行うメリットは他にも音質改善があります。
古い弦は音も暗くなり、表現できるニュアンスも少なくなります。それをあえて好むギタリスト、ベーシストもいますが、始めたばかりのうちは定期的に弦交換を行い、新しい弦の明るい音で練習する事も大切です。

ERNiE BALL / #2223 SUPER SLiNKY 09-42
昔から大定番のアーニーボール製の弦です。
こちらは09-42 というゲージの弦です。
09は一番細い弦の太さ 42は一番太い弦の太さを表しています。
Fende社のギターは出荷時にはこのゲージを張っているモデルが多いです。

ERNiE BALL / #2221 REGULAR SLiNKY 10-46
Gibson社では10-46のゲージを採用しているモデルが多いです。
お持ちの楽器に張ってあるゲージの弦で交換するのがオススメです。
弦の太さを変える際は、ネックの反りなどが発生することが多いため、全体調整が必要になります。
※調整は楽器店やリペアショップに依頼することをオススメします。

Planet Waves / Pro-Winder #DP0002 ギター用ペグワインダー
弦交換の際には、余った弦を切るニッパーや、素早く巻き取るストリングワインダーがあると綺麗に仕上げられます。
弦交換の方法は、こちらの動画で解説しています。是非ご覧ください!
3.3 演奏性が上がるお手入れグッズ

Ken Smith / Pro Formula Polish
様々な塗装の種類にも対応した、定番のポリッシュです。
弾く前、弾いた後にクロスにつけて優しい力で拭くだけで、演奏をするときに引っかかりを感じる汚れを綺麗に除去できます。
ツヤも出てきますので、ギターの外観も綺麗になります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、簡単に出来る、ギターを良い状態に保てる商品をご紹介致しました。
ギターの上達には、高級なギターでもお手頃な入門用のギターでも、良いコンディションである事が何よりも大切です。
イシバシ楽器池袋店では、ギターアクセサリーやメンテナンスグッズは国内随一の品揃えがあります。
ギターの調子が悪い際のリペアの受け付けから、お持ちのギターに合うメンテナンス用品のご提案も致します。
是非、池袋店にお越しいただき、より楽しい音楽ライフを送っていただければ幸いです!
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