現在(いま)ギブソン アコースティックを買う理由

現在(いま)ギブソン アコースティックを買う理由

楽器店の販売員として、一人のギター好きとしても、
”Gibson Montana Acoustic”は、今こそ手に入れるべき間違いないタイミング。
何度目かの旬。実は黄金期であると、強く推させていただきます。

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工業製品 商品であるという事

ギターという楽器も、工業製品 商品という側面を持つ以上、時代(経済事情等)と無関係に存在する事は出来ません。大きな時代のうねりに翻弄されることもあったはずです。

新品や、近年物の中古品等、現在比較的容易に手にする事の出来る”今ここにある”Gibson Montana Acoustic達が、いかにありがたい存在で、人生を幸せにする道具なのか!
現在の状況がいかに恵まれているのか!
過去を振り返ってみます。

以下、スーパー短縮形の合衆国経済史のお話
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1941年から60年代末までと言われる米国の高度経済成長
 ○大量生産、大量消費の時代
 ○フォードシステムに代表される機械化(自動化)の流れ

70年代の低成長経済
 ○優勝劣敗・弱肉強食の時代へ
 シェアの奪い合いはやがてコングロマリット化を加速させる大きなうねりとなった
 生き残りをかけて、吸収合併再編成をして(されて)いった企業、業界
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無関係?いえ大いに関係あるのです。
楽器メーカーも、アメリカを代表する工業分野であり、時流と無関係ではなかった事は、容易にかつリアルに想像出来ます。例えば、『ギブソン』も、、

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1969年 Norlin Industriesがギブソンを買収
1974年 テネシー州メンフィスに新工場建設
1984年 ミシガン州カラマズー工場を閉鎖
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マンドリンから始まりバンジョー、そして何よりギターメーカーとして、知名度、出荷数、音楽シーンへの影響など世界屈指のブランド『GIBSON』も、1969年、ECL(後のNorlin社)社に買収されます。

50年代、60年代前半と、
○オリジナル初期設計のビジョンとの”繋がり”が途切れていない。(パッションを失っていない。)
○製品を使う人の気持ちが高揚する
○信頼できる道具としてパートナーとしていつもそばにある
そんな存在だったギブソンギター
そして、それらを生む製造工程や製品

やはり”新”経営陣は、新(当時の)経営手法に則り、改革(当時の感覚)を断行します。
それまでの製造工程は、見方を変えれば”のんびりした””怠惰な”と、映りかねないものでした。
そこから、もっと大量生産に適したコスト管理がしやすい製造工程へと移行を余儀なくされました。
結果、いわゆる”品質”の低下を招き、他国(代表的なのは日本)製品にシェアを奪われていく。

ノーリン買収後、70年代中期はナッシュビル新工場へ製造拠点が移っていきます。
1984年 カラマズー工場は閉鎖します。

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HARLEY DAVIDSON との相似

この感じ、既視感があるような
何か相通じる
なんだっけ?
そう ハーレーダビットソンだ!

AMFと資本提携 (つまり買収され)
コスト削減 リストラ
ストライキと品質低下
という負の連鎖

ちなみに、この買収劇の翌年に、あの映画『イージー・ライダー』封切りされる。
このあたり、レス・ポール モデルと類似点がある気がします。
メーカーサイドは”見切って”製造を終えた機種が、その後革命的な表出の仕方により再評価。
市場がそれを求める、、という

クラプトンがフレディー・キングに憧れ、レスポールを手に入れようと思った時は、現在とは状況が違います。
そもそも工業製品は進化すべきモノで、再発 復刻という概念が無いのではなかろうか?この時代。
海を隔てた英国米国という地理的事情も含め、P90マウントのゴールドトップを入手する機会は得られず、サンバースト ハムバッカーを手にします。
そして、マーシャルに繋いだ大音量ドライブサウンド、スクィーズギターを”発明!”する事に。
神とまで表現されたカリスマ性と影響力ゆえに、仲間やライバル、フォロワー達は、レスポール(ハム)をゲットし、スインギンロンドンで切磋琢磨していく、、


ノーリン期のギブソン アコースティック

この期間、まさに”翻弄されて”という表現がぴったりな仕様変更を繰り返します。
代表的なところでは、

J-45 主な仕様変更
1969年 スクエアショルダー
25 1/2 スケール
ブラック・ティアドロップ・ピックガード
    
      なんともライバルに白旗を上げたような変更!?

1970年 ダブルX ブレイシング

      強度確保の為というアナウンスですが、音響上不利な変更と言わざるを得ません

1975年 ラージピックガード
1982年 製造終了



ハミングバード 主な仕様変更
1971年 ダブルX ブレイシング
1984年 24 3/4スケールへ戻る(1965年~25 1/2スケールであった)
1985年 シングルX ブレイシング
1989年 再度 25 1/2スケールへ変更


例に挙げた両機種共に、現在の視点では”改悪”と言ってしまいそうな”改良”(仕様変更)が行われます。
ギブソンに対してよく言われる”迷走の時代”と言えそうです。


自らのブランド 価値 再発見

ハーレー社のいわゆる低迷期にありながらも気を吐いたのがウィリーG氏(デザイナーであり、創業者の孫にあたる象徴的人物)。
彼の企画を中心に、古い常識(ある種のプライド?)を捨て、”市場で行われている、流行っている、話題になっている、だけど自分自身では出来ない?”という際どいラインを、メーカー自身が言わば『ファクトリーカスタム』として世に出す、、という事が始まった。
FXSローライダー また異色のカフェレーサーXLCR等は有名ですね。

1981年 ウィリーGら13名はAMFより社を買い戻す。自分達の思い描く”ハーレーダビッドソン”の為に。
その後、ジャストインタイムの生産体制導入など、良い意味での進化、品質向上をしていく。
『レトロ』は一つの大きなテーマとして、初期モデルやオーナーカスタマイズの雰囲気を取り入れていく手法は、定番として現在も続いている。

レス・ポール モデルも市場の渇望により復刻を果たし、基本的には50年代オリジナルの再現を目指し続けて、現在に至るわけですね。

自分(自社)の良いところというのは意外と本人にはわからない。あるいは、違うところを自覚している事が多々ありますね。日本の魅力は~や、日本人の美点は~なんて、主に外国の方に指摘されて「なるほどな」となるのに似ています。一種の外からの視点。

生産者、技術者としては後戻りか?との自問自答あったかも知れません。プロダクトアウト マーケットインの狭間で、それでも!です。

アコ(モンタナ)からは脱線しました。また、時系列でもまったく同じでは無いのですが、企業買収、自ブランドの価値再発見、市場の期待と対応の点で、アメリカブランド同士の相似を強く感じます。

ハーレーの『ファットボーイ』による完全復活と、ギブソンの『ヒスコレ』による再評価。
通じる気がします。

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現在へ繋がる”復活”

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1985年 Norlin Industriesがギブソンを
    Henry Juszkiewicz.Dave Berryman.Gary Zebrowskiへ売却
1986年 The Flatiron Mandlin Companyを買収
1989年 モンタナ州ボーズマンにアコースティックギター新工場建設
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1986年ヘンリー・ジャスコビッツ氏が新たにリーダーとなり同年
モンタナ州ボーズマンのフラットアイアンマンドリン社を吸収します。
今に繋がるモンタナ工場製造への道筋がつきました。

低湿度で木材環境に恵まれた土地で、
構造と品質において良き時代へのリスペクトと共に、
研究と研鑽を重ね、
良い楽器を生み出しています


現在(いま)ギブソン アコースティックを買う理由 (その1)

シンプルに、この製品クオリティーの点です。
上記の低迷と不遇の時代を知るほどに、
現状の選びやすさ、買いやすさは雲泥の差です。

主観ではありますが、全体的に2000年代、2010年代と楽器の”鳴り”が良くなってきていると感じています。
品質管理の面でも、当ブランド特有のキャラクターの個体差を伴いながら、全体の底上げ(昔は当たり外れをよく話題にされるブランドではありました、、)が出来ています。
販売員としても自信を持ち、安心しておすすめ出来ます。

「今は ギブソン アコースティックを買って良いタイミングである」と声を大に!
断言します!!

理由(その2)以降はまた次回、、


イシバシ池袋店のギブソン・アコースティックの在庫は
こちら

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田川 卓史 (タガワ タクシ)
大好きな『THE ROLLING STONES』からルーツを辿り関連ジャンルを聴いてきた遍歴から、今の音楽的嗜好があります。
BLUES.RHYTHM&BLUES.COUNTRY.REGGAE.ROCK’N ROLL等
一方”年を食ってから”VIOLINのレッスンを受けるなど、楽器全般 技術習得には絶えず興味を持っています。ギターを始めたきっかけは、父親叔父が弾いていたから?今でもギターを弾き、歌い、バンドで演奏が出来る、、、幸せなことです。
楽器選びのお手伝いをさせていただきます。ご相談ください。手にした”その先”にある音楽ライフ 想像してみてください


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イシバシ楽器池袋店

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