【アルトサックス吹き比べてみた】YAMAHA & ANTIGUA

YAMAHAとANTIGUAのアルトサックスってどこが違うの?検証しました!

2019-04-17

こんにちは!最近切り絵にハマっている管楽器担当の吉村です!紙切るのタノシイ。

さて今回はメーカーごとの違いについて調べてみようかと思いまして。検証レポートというよりは感想文みたいになりました。めっちゃ文章長いので暇つぶしにもおすすめ。

楽器を選ぶときに気になるところって、音や使いやすさはもちろんだけど、(リアルな話)お値段とかご予算とか色々あるじゃないですか。少しでも安く良いものを手に入れたいというのは人類共通の願いだと思うんです。

「同じメーカーでモデルが違うだけで値段めっちゃ違う」とか、「同じくらいの値段だけどメーカーが違う」とか、お値段とスペックの差がどこで生まれているのかわかりにくい場合がありますよね。

前者はカタログから読み取れることもあると思うので、今回は後者「同じくらいの値段だけどメーカーが違う。どっちを選んだらいいの…?」というパターンを想定してみます。

今回比較したのはこの2本!

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・YAMAHA アルトサックス YAS‐280(写真左)
・ANTIGUA WINDS アルトサックス GL(写真右)


ヤマハはもはや説明不要、日本を代表する楽器メーカーですね。
対してアンティグア。ヤマハほど名の知れたメーカーではありませんが、近年着実にユーザーを増やしている新興勢力です。

選考理由は、
・価格帯が比較的近い
・どちらも初心者の方にも演奏しやすいモデルとされている
・どちらも製造国が日本ではない

というところです。

ヤマハって日本製じゃないの!?って思った人もいますよね。そうなんです。アルトサックスで言うとYAS‐280、380、480といったいわゆるスチューデントモデルたちは、現在インドネシアで生産されています。当店に在庫しているのは既にインドネシア製のものに切り替わっています。
ちなみにアンティグアは台湾製。輸入代理店のノナカさんでチェックされてから店頭へと並びます。台湾製のメーカーもどんどん有名になってきている今、伸びしろのあるメーカーともいえそうです。


まずはルックスから違いを探していきます。
左がヤマハ、右がアンティグアです。

【管体の色味の違い】
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ヤマハはオレンジ味を帯びた鮮やかなゴールド、アンティグアは少し沈んだようなダークなゴールド。おそらく表面仕上げのラッカーの色味の違いですね。



【キイのデザイン】
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1 サイドF♯
ヤマハは四角っぽい・アンティグアは楕円
2 HighF♯レバー
ヤマハは四角っぽい・アンティグアはV字
などなど、これらのキイ以外にも違うところがあり、メーカーごとに個性が出るようです。



【U字管のプロテクター(U字管の下についている板状の金属・紫で囲ってあるところ)】
ヤマハは薄め・アンティグアは厚みがあってがっちり
【キイガード(低音側の大きいキイを覆っているパーツ・青で囲ってあるところ)】
ヤマハは一体型・アンティグアは分かれている
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【彫刻(水色で囲ってあるところ)】
ヤマハは彫刻がなくシンプル・アンティグアは彫刻があって豪華
【サムフック(赤で囲ってあるところ)】
ヤマハは樹脂製・アンティグアは金属製
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【タンポ(トーンホールをふさぐクッションのようなもの)】
レゾネーター(反射板)と呼ばれるパーツが
ヤマハはプラスチック製・アンティグアは金属製

写真はうまく撮れませんでした。。


と、見た目だけでもかなり多くの違いが見つけられました。もちろん他にもあるけどキリがありません。
アンティグア、ゴツめですね。嫌いじゃないですよ。

これらが実際のサウンドにどんな影響を及ぼすのかというところですね。



それでは試奏してみたいと思います!

試奏のセッティングはこんな感じ。2本ともこの条件で吹いています。

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マウスピース…某楽器店オリジナルブランドのサックスについていたマウスピース
リガチャー…某楽器店オリジ(以下略)
リード…RICO(Daddario)グランドコンサートセレクト3
奏者…吉村(バスクラの人)


「たまたま部室にあったから使おう」的な、あまりこだわりのないセッティングにしてみました。



ここからの感想は全て吉村の主観になりますので、参考程度にどうぞ!↓

比べるポイントとしては
・抵抗感(息の入りやすさ、音の鳴らしやすさなど)
・音色の明暗
・音程感(吹いていて違和感がないか・口で調節しやすいかなど)

を中心に、それ以外にも気付いたことをまとめました。



まずはヤマハ

抵抗感は少なめ。特に中高音域は息が少なくてもサラっと鳴ってくれました。低域は少し吹き込む必要がありますが、全体としては息が入りやすい楽器という印象を持ちました。
サウンドは明るめで、派手ではないけれどキラキラしていて、なんだか第一印象が良いですね(?)。クセがないので扱いやすい音色だと思います。遊び心は少なめの、まじめチャンという感じ。
音の立ち上がりも尖っていなくて、アンサンブルの中にもやわらかく馴染んでくれそうです。

続いてアンティグア

抵抗感はヤマハに比べると大きめ。嫌な抵抗感ではなく、吹き込むとしっかり反応してくれる感じです。どの音域もバランスよく鳴らしやすい気がしました。
サウンドはちょっと雑味とか良い意味での荒っぽさみたいなものがありますが、これはこれでサックスらしいと言えるかも。暴れすぎないようにコントロールしてあげる必要がありそうですね。
音の立ち上がりは、ヤマハよりエッジが感じられます。発音がハッキリしている、というと伝わりやすいでしょうか?

気になったのは、演奏に支障はないですが、ネックと本体とのジョイント部がちょっと引っかかることくらいでしょうか。

気になる音程感ですが、どちらのメーカーだから音程とりやすい!というのはあまり感じませんでした。
どちらも悪くはないけれど、どちらも多少のコントロール力が必要だと思います。そもそもサックスは音程取るのが難しいのだ!!



ちなみに体重測定もしてみました。

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[本体]
ヤマハ…2.22kg
アンティグア…2.32kg
[ネック]
ヤマハ…99g
アンティグア…123g

本体の差はなんとなく予想できますが、意外とネックに差がでました。アンティグアの吹奏感が若干重めなのは、重さも影響していそうですね。




まとめ。主観です。

やっぱり楽器って安かろう悪かろうなところがあるんじゃないかと思っていましたが、そうとも言い切れないんだなあと思いました。どちらも比較的お求め安いお値段ですが、使いにくさとか物足りなさはあまり感じません。また作りに関しては、日本製じゃない=ダメ!ってわけじゃないことを実感。どちらも丁寧に作られていてキレイな仕上がりです。

ヤマハはやはり多くの人に支持されるだけあって、明るくてキラキラした人当たりの良いサウンドという印象を持ちました。おりこうさんな感じですね。また、世界のヤマハですから、楽器になにか問題が起こったときやリペアに出したときに対処してもらいやすいのではないかと思います。

アンティグアは、大人の方や他の楽器をやっていたことがあるという方にも一度吹いてみていただきたい楽器ですね。サブ楽器として持っていただいても十分活躍してくれるのではないかと個人的には思っております。マウスピースとかのセッティング次第で、結構遊べるんじゃないでしょうか。



もちろん、どっちが良い悪いとか優劣の話ではないですし、楽器それぞれの個性と、自分の好みや使うシチュエーションがマッチするものを選ぶのが一番!憧れのプレイヤーさんと同じメーカー・同じモデルにする!とかで選ぶのもモチベーションが上がって良いと思います。
ちなみにワタクシはひじょーに面食いなので、楽器は割と見た目重視です。これだけ仕様とか吹奏感とか検証しといてアレですけど。イケ楽器(=イケてる楽器)だとテンション上がりますのでね。

まあ迷いますね!どっちも良いところありますからね!いっぱい迷ってください!当店では試奏もできますので、実際に吹いてみたいよって方ぜひお待ちしてます!



かなーり長くなりましたが、皆さん素敵な楽器LIFEを!

YOSHIMURA

店舗情報

イシバシ楽器池袋店

IKEBUKURO STORE

〒170-0013

東京都豊島区東池袋1-50-35 P’Parco 7F

TEL:03-3980-1484

営業時間:11:00 ~ 21:00

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