「Martin D-45」あえて旧スペックを選ぶ理由

「いつかはD-45!」という方、要注目です!

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近年、Martinは主要モデルの仕様変更を進めています。
この流れは2012年のD-18のモデルチェンジに始まり、昨年はD-28、そして今年に入りついにD-45も仕様変更が行われました。

D-45の仕様変更については、

●フォワードシフテッド・スキャロップド・ブレーシングの採用
●オープンギアペグの採用により、ヴィンテージライクなルックスへの変化
●ネックのプロファイル(形状)をモディファイド・ロー・オーバル+ハイパフォーマンス・テーパー・ネック(現代風のシェイプ)に変更
●ボディトップにエイジングトナーを塗るようになり、やや黄色がかった色合いのヴィンテージライクな顔立ちに変更

…といった内容となっており、昨年までのD-18やD-28の仕様変更とコンセプトは概ね同様で、「戦前のマーチンらしいヴィンテージライクな仕様」と「今風でモダンな仕様」のハイブリッドタイプとなっています。

サウンドの傾向としてはブレーシングの変更の影響が大きく、より派手に鳴る傾向があり、例えば
「ノーマルのD-28よりもHD-28Vの方が好み」
「戦前のヴィンテージライクなルックスの方が良い!」

という方としては嬉しい仕様変更と言えます。

しかしながら、「いつかはD-45!」とお考えの方の中には、実はむしろ戦前のD-45よりも、1968年以降の再生産された後のD-45を思い浮かべる方/思い入れのある方が多いのではないでしょうか?
実際のところ、60年代末期から70年代にかけてD-45を携えて活躍したプレイヤーの愛器は再生産期のものが大多数で、ニール・ヤングの愛器のブレーシングを削った1968年製の個体等はその代表格と言えます。


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名古屋栄店のこちらの個体は旧スペック仕様です。
ブレーシングはフォワードシフテッドでない(トップの力木の交差位置がブリッジ寄りの)スキャロップドブレーシング、ペグはロトマチック・タイプ、ネックシェイプは一般的なロー・プロファイル・ネックです。
サウンド面で2018年仕様と比較すると、ボディトップの振動がある程度抑えられる傾向がある為か、比較的どっしりした重量感のある印象で、良い意味であまりうるさすぎず、派手すぎないキャラクターと言えます。
派手すぎないとは言ってもそこはD-45、「鈴なり」と表現される事も多い豊かな倍音成分と特徴的な煌びやかな響きはしっかりと感じさせてくれます。

前述の再生産期(60年代末期-70年代)のD-45はノンスキャロップド・ブレース、スクエアロッド(さらにモノによってはジャーマントップやハカランダサイド&バックなどなど)とまた細かい仕様が本器とは異なりますが、「60年代-70年代の音楽シーンのサウンドを!」という方にとっては最新スペックのものよりむしろ旧スペックの方がキャラクターが近く狙い目と言えるかもしれません。

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