答え合わせ編(?)です。
2018-06-02 前回の記事をご覧頂いた皆様、全国の杢目フェチの皆様、お待たせいたしました。
前回「良い杢目の材=良いギター」説は本当か!?と題して、9本の異なるアコギのボディトップ材を撮影しお見せしました。
*前回の記事をまだ読んでいない方はこちらか是非チェックしてみて下さい!
それでは、杢目を改めてお見せしつつ、どんなギターのトップだったのかも見ていきましょう!
*それぞれのモデル名をクリックすると、該当するモデルの商品ページに移動できます。
◆エントリーNo.1


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「Martin / 000-18」税込315,900円
ヴィンテージとモダンスペックの良い所取りとなっている2018年現在最新スペックモデル!きめ細かく、いかにも上品なサウンドが出そうな杢目ですね。
*当個体は販売済となりました。
◆エントリーNo.2


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「Ovation / Pro Nylon 1773AX-4 Natural」税込162,000円
オベーションエレガットモデル!カーボングラファイトを使用したボウルバックボディながら、トップにはしっかり単板材を使用!そしてこの材は実はシダー(杉)材です。スプルースと比べると若干ウォームでしっとりとしたトーンが特徴です。
◆エントリーNo.3


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「Gibson / Hummingbird Red Spruce Antique Natural VOS w/L.R.Baggs VTC」税込425,000円
「ギブソン=荒々しい&ラフ」という先入観をお持ちの方にはこのきっちり整った杢目のトップに驚かれた方も多いのではないでしょうか?また、このスプルースは同じスプルースでも「アディロンダック・レッド・スプルース」。戦前のギブソンやマーチンのトップ材としてよく使われていたと言われる材で、一般的なシトカ・スプルースと比べると硬く、サウンドもやや異なります。
◆エントリーNo.4


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「Martin / D-45」税込955,000円
言わずと知れたマーチン・ギターのフラッグシップ・モデル!マーチンは材のグレードを社内基準で明確に分けており、D-45等の所謂トップグレードのモデルには相応のグレードの材が使用されています。水平方向に走る鱗のような杢目がNo.1の000-18のものと比べると大ぶりでダイナミックな点に注目です(この辺りがグレードの基準なのかは不明ですが・・・)
尚、今回の9本の中ではこちらが最も高価な1本となります!!正解された方、おめでとうございます!!!!
◆エントリーNo.5


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「S.Yairi / YD-305 1972年製」税込75,600円
当時の日本製ギターとしても中級グレードのモデルで、お手頃な価格帯の1本ですが、トップ材はしっかり単板材となっています。何となくNo.1とNo.4のマーチンの杢目に似ているような気もしますね。
◆エントリーNo.6


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「YAMAHA / FG-800 NT」税込31,212円
*サンプル画像のため画像のものと杢目は微妙に異なります。
今回の9本の中では最もお手頃な価格の1本ですが、こちらもしっかり単板材を使用。杢目もNo.3のギブソンのアディロンダックスプルースと似たような印象があるのも面白いですね。
◆エントリーNo.7


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「Cole Clark / Fat Lady 2 Series FL2EC-SB」250,000円
今回の9本の中では一番「ソフト」「上品」な印象を抱かれた方が多いのではないかと思われます。しかしながらサウンドはコールクラークらしくオーガニックで素朴、乾いたニュアンスが特徴的な1本です。
◆エントリーNo.8


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「Cole Clark / Artist Model CCFL2EC-LS-BM」税込298,000円
同じコールクラークでもNo.7とは印象が正反対の1本。特徴的な杢目で「これが一番高いか、もしくは安いんじゃないか」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、こちらの材はスプルースではなくブンヤ材。オーストラリア版スプルースと形容される事もある材で、サウンドの特性も似た部分がある同じマツ目(Pinales)の仲間ですが、学術分類上は別の科の材となり、杢目も大きく異なります。
◆エントリーNo.9


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「Collings / OM2H 2006」税込410,400円
個人的に最も意外だったのがこちらのコリングスです。所謂マーチンタイプのギターでありながら、トップの杢目はマーチンが好んで使いそうなタイプとは異なっている点が興味深いです。しかしながらコリングスも木材には妥協しない一流ブランドとして知られており、何かマーチンとは違う哲学があるのでしょうか・・・?
というわけで9本のアコギのボディトップを改めて紹介させて頂きました。
予想が当たった方/外れた方、いらっしゃるかと思います。
杢目について、「どのような杢目が良い杢目か」という基準は、ある程度メーカーによっては設けているものの、全ブランド共通となる絶対的な基準は存在しないのではないか・・・というのが率直なところです。
事実、伝統的にはネガティブな要素とされる杢目上の節や色が極端に異なっているような箇所についても、ブランドによっては「自然が作ったもの」「個性」とポジティブに捉え、進んで上位モデルに使用しています(その代表格がTaylorやCole Clark等の所謂新興ブランドでしょうか)。
この辺りも含め、必ずしも「良い杢目の材を使ったギター=良いギター」ではなく、ギターのサウンド/良さはトータルバランスで決まるという事を物語っているように感じます。さらにそのサウンドも弾いていくうちに変化していきます。
ですので、初心者の方もベテランの方も、杢目だけにあまり細かくこだわり過ぎず、いくつかの候補から「自分の好みと感性を信じて見た目も音も手に取った感じも含めトータルバランスで好みなものを」選んで頂くと、納得の1本に出会えるのではないでしょうか?
イシバシ楽器名古屋栄店のアコースティックギター在庫はこちらから!
前回もお伝えした通り、名古屋栄店店頭ではじっくり杢目を見つつ、実際に手に取っていただきサウンドを聴き比べた上でギターを選べます。
ご不明な点等ございましたら、スタッフにお気軽にお尋ねください。
是非一緒にこれぞという一本を見つけるお手伝いをさせて頂ければと思いますので、ご来店・お問い合わせをお待ちしております!!
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