【Fender】(Vol.1) 過去シリーズを解説!-USA編-【イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア】

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・はじめに

皆様、お世話になっております。イシバシ楽器御茶ノ水本店のトウガサキでございます。

2025年の末、Fender ブランドの各現行シリーズを解説する記事を書きました。

【Fender】エレキギター現行シリーズを徹底解説!【イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア】

上の前回記事は「現行品」の話。
今回(と次回)は「非現行品」の話です。
※内容があまりにも膨大になってしまいましたので、二部作構成となりました。
Vol.1→USA製過去シリーズ
Vol.2→近日公開予定

現行 Fender 製品(新品)を扱う店舗は当店含めほとんどがセカンドハンドや非現行品、つまり「中古としての Fender 」も取り扱いがございます。
そして中古市場は(現行品/非現行品)が併存しています。生産終了となったモデルも、中古としては手に入れることができます

さらに(単純比較できない場合もありますが)、基本的に中古のほうが新品よりもお安くご購入いただけま
新品で買うなら少し手が出ないグレードの価格帯でも、中古であれば許容範囲内のご予算で入手できる場合があります。

とにかく、過去のモデル・シリーズについて知っていると、ギター選びの選択肢が増えることはご理解いただけるかと存じます。

そんな訳で今回は、Fender ブランドのエレキギターにおいて、現在新品としては出回っていない「非現行品」(過去のシリーズ)についてご紹介いたします。
廃番になったシリーズは情報も回りにくいので、情報源の一つとしてご活用いただければと思います。

本稿は以下のような場面でお役立ていただくことを目的に書いております。

  • Fender のギターをより広い視点で探したい
  • お求めのモデルの傾向と似たスペックかつお手頃なものも検討したい
  • 目ぼしい中古品があるがモデルの詳細が分からないため購入に踏み切れない

上記のようなお悩み・ご要望をお持ちの方にとって、お力になれるよう記事を作りました。是非ともご参考にしていただければ幸いです。

<目次>

<ご注意点>

※記事で取り扱うのは過去のUSAシリーズが中心となります。メキシコと日本のラインは重要なシリーズや押さえておくべきポイントをピックアップしており、完全網羅ではございませんのであらかじめご留意下さいませ。

※また記事では各シリーズごとに価格帯を示しておりますが、前回の記事と同様販売価格は変動しますのでご了承下さいませ。あくまでもブログ執筆時(2026年4月初旬)の相場価格となります。
(価格競争が発生しにくいため、特に中古商品は新品よりも目まぐるしく金額が変わる(基本的に高くなる)傾向にございますので、その点も踏まえてご検討いただければと存じます。)

※シリーズごとの相場価格は、ストラトキャスターやテレキャスターを基準に表記したものです。(ジャズマスター、ジャガー、ムスタングなどでは、同じグレードでも金額が上がる傾向がございます。)

※ご案内の流れの中で、弊社の通販サイトにて出品している商品をピックアップしている箇所がございますが、価格に関して上記の点と同じく、予告なく変更となる場合がございます。
また該当の商品の販売後、自動でブログから消去されるようなシステムは組んでおりませんので、売り切れとなっていた場合はご容赦いただきますようお願い申し上げます。
(基本的に商品ページのジャンプしていただければ在庫情報が確認できるようになっておりますが、こちらも完全リアルタイムではございません。迅速な情報更新を心がけてはおりますが、お求めの際は各店舗へ直接ご確認いただくことを強くおすすめいたします。)

以上をご確認の上、本稿を読み進めていただければ幸いです。

少し意気込みをお話させてください。
前回(新品)の記事を作成後、今回(中古)のような記事を書く発想自体はあったのですが、なかなか重い腰が上がらず着手できずにおりました。
というのもブランドの性質上、特定の軸で網羅的にシリーズを解説するという作業において、新品と比べ中古は圧倒的に難易度が上がるからです。歴史あるブランドです。各シリーズ・モデルの管理体制も違いますし、Fender Japan に関しては、運営元まで異なってきてしまいます。保険をかけるようで格好悪いですが、自分の力が及ぶかは分かりません。
ただ、当店に関してはカスタムショップと一部ヴィンテージを除き、すべての Fender エレキギターを集約させた「フェンダーフロア」を設けております。自分が担当しているフロア内にある全ての商品について、それぞれがブランド内でどういった位置づけのモデルなのかをご案内するには、この作業から逃げられません。その他にも色々あり、この難題に挑戦することにいたしました。気合いを入れて書きます。
膨大な文量・情報量になるので、一通り読むだけでも結構疲れると思います。皆様におかれましてはご興味あるシリーズ・内容をかいつまんで、情報の取捨選択をしつつ上手にご利用いただければと思います。
長い戦いになると思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

それでは、早速始めます!

American Vintage (1982-2017)

系統:ヴィンテージ系
価格帯:20万円~
(製造時期で大きく変動し、35万円ほどで頭打ち)

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※前回の記事でご案内した(ヴィンテージ系/モダン系/スタンダード系)の分類は本稿においてもある程度有効です。ピンと来ない方は冒頭のURLからチェックしてくださいませ。
ただし、今回の記事では

「ヴィンテージ系」=伝統的
「モダン系」=最先端
「スタンダード系」=その中間


という大まかな捉え方でも読解に支障はございません。
早く読み進めたい場合は上記の3点だけ念頭に置いて、本題に入ってしまいましょう!

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Fenderでおおよそ「シリーズ」と呼べるモデル群の展開は、本シリーズ American Vintage が先駆けです。

とは言ったものの、本当に初期の初期は “American” という修飾などなくともUSA以外ではヴィンテージリイシューの概念さえありませんでしたので、単純に「 “Vintage”シリーズ」と呼ばれていたようです。(モデル名も “‘52 Vintage Telecaster”など)

価格帯は非常に幅広いですが20万円を下回るものはあまり見かけません。市場価格を分布図で示すとしたら、ボリュームゾーンは25-28万円の区間です。初期の個体には高いものだと35万円ほど値段がついているものも存在します。シリーズ最高評価の2012-2017年製、いわゆる「ニューアメビン」(後述)の個体は30万円が相場かと存じます。

以上を踏まえると初期個体(30万円以上のもの)はヴィンテージ的価値を帯びはじめていると考えられます。ルックスも70sヴィンテージだと言われても分からないような個体もございます。
そして恐ろしいことに、「ニューアメビン」の個体はそういった個体でさえ、鳴りの良さにおいて凌駕してしまうことがあります。フェンダー好きのプレイヤーの方や我々ディーラーの間でもニューアメビンの完成度の高さには定評がございます。

【中古】FENDER USA / American Vintage 62 Jazzmaster Olympic White 【御茶ノ水本店】
(2005-2009)年製
販売価格: ¥ 338,000-(税込)
※ジャズマスターのモデルなのでやや高めになっております。
同じような年式と状態で、仮にモデルがストラトやテレのケースを想定すると、感覚的に取引価格は28-30万円ほどに落ち着くと思います。

製造時期によって少しずつ仕様は異なりますが、先述の通り最も評価が高いのは(2012-2017)の時期に製造された個体です。
一般に言う “New American Vintage” はこの時期のAmerican Vintage のモデルを指します
(“New American Vintage”は厳密に言うと正式名称ではありません)。
海外では “Pure Vintage Era” と呼ばれることも多いらしいです。
ちなみに、所謂「ニューアメビン」以前の「アメビン」は、区別をつけるため American Vintage Reissue (AVRI) と呼ばれることがございます。

一度整理しましょう。
American Vintage(1982-2017)※正式名称
・(1982-2012)のアメビン= American Vintage Reissue (“AVRI”)※通称
・(2012-2017)のアメビン= New American Vintage (“Pure Vintage Era”)※通称

American Vintage を2つの時期で呼び分けているということです。

そして、アメビンと言えば必ずついて回るのがフィニッシュ論争です。
その個体の塗装がオールラッカーなのか、トップラッカー(下地ポリ)なのか、ネックのみトップラッカーなのか、など様々なケースが混在し、しかも資料が少ないゆえ結論が出ないこともしばしば、、というのも製造時期で明確に仕様を変えている訳ではなく、特に初期の頃は実験的に様々な仕様で製造されていたのが原因です。
今ではほとんどないサイレント仕様変更が、頻繁に実施されていたということですね。
販売員やメーカーの立場上、明言できない部分であるからこそ、この論争には終わりがなく、公式な情報も出回りにくい背景があります。

実際アメビンの塗装の話に限らず、ギターのスペックにおいて、後に反例が出てくる可能性を考慮して明確な回答をしかねる要素はたくさんあります。Fender や Gibson など歴史が長いブランドほど、それは顕著です。
とはいえ楽器店やそこで働くスタッフとして、そのような難しいお問い合わせをいただいた際に「何とも言えないですね〜」では少々情けないですよね。
たびたび出張や工場見学で諸関係者にそのブランドの商品で不明確な点について聞き込みをしてきたつもりです。
その結果の一つとして、アメビンの塗装に関して、次のことは限りなく100%に近い信憑性がある事実だと私は考えています。

American Vintage において、(2012-2017)年の時期に製造された個体はオール(フル)ラッカーフィニッシュである」

つまり、「ニューアメビン」はネック・ボディともに、そして下地・トップコートともに、ラッカー塗装であるということです。
Fender レギュラーライン史上で最高傑作と評されるだけありますね。

以下は直近で当店に入荷した59モデルのストラトです。経年による色焼けがお分かり頂けると思います。この風格で製造後10年ちょいというのだから驚きです。

FENDER USA / New American Vintage 59 Stratocaster Sonic Blue

個人的には中古アメビンのオススメ度は高い順に、

ニューアメビン(2012-2017の個体)
>なるべく経年変化が進んだ個体(なるべく古い個体)
>その他の要素( 重量/価格/カラー/消耗パーツの残量 など)で優れている個体

です。ラッカー塗装の性質上、経年で塗膜が薄くなり、木材の鳴りが良くなると言われます。
これが上の順番におすすめする根拠となります。
なるべく古い個体をオススメするのは、経年変化が進行しているのと併せて、オールラッカーの個体を引き当てる確率が高いことにも拠ります。
(後に作られた個体ほど、コストカット狙いでアンダーコートのラッカー塗装は避けられていたそうです。)

もちろん、NOS(New Old Stock)のようなピカピカで綺麗な個体をお探しの場合はこの限りではございません。
そのような方は、それこそ現行品の American Vintage II シリーズがベストかと存じます。

American Original (2018-2022)

系統:ヴィンテージ系※やや現代的な要素あり(後述)
価格帯:25万円前後

現行の American Vintage II American Vintage (~2017) が終わった直後に発表された訳ではございません。
その解禁は2022年末ごろであり、その間の期間(2018-2022)の時期に展開されたのが本シリーズAmerican Original です。

トップラッカー(下地はポリ)のフィニッシュで、指板ラジアスは9.5インチ
PU(ピックアップ)もレンジの広さが目立ち、フレットはやや高め(かつ細め)と、雰囲気はヴィンテージ志向でありながらもそれ一辺倒という訳ではない絶妙な塩梅のシリーズです。
塗装についてはコストカットの目的もあったかもしれませんが、他の要素は比較的選択の余地があるので(その上でこのスペックということは)、コンセプトの段階で「ヴィンテージ完全再現」を目指しているわけではないことは確かでしょう。

「アメビン II の前身」と言われがちですが、寧ろ考え方は(ヴィンテージ×モダンという意味で) American Professional や最新シリーズの American Professional Classic と近いように思えます。日本製現行ラインだと Hybrid II も近いと考えます。上の3シリーズはいずれも「スタンダード系」に該当しますが、それらよりも American Original はヴィンテージ感が強いため「ヴィンテージ系」としております。

実際は、より近いコンセプトのラインとして “American Vintage Thin Lacquer”(下記の補足で紹介)や、“Vintage Hot Rod”(スタンダード系のパートで紹介)などもございます。

ヴィンテージトーンで黄金期のアメビン(ニューアメビン)と無理に張り合わせるより、プレイアビリティや実用性において差別化を図るほうが遥かに合理的な経営判断かと思います。

補足)American Vintage Thin Lacquer (2005-2012)(?)

系統:ヴィンテージ系※やや現代的な要素あり(後述)
価格帯:25万円前後

【中古】Fender USA フェンダー / American Vintage 62 Stratocaster Thin Lacquer Surf Green 【福岡店】
販売価格: ¥264,000-(税込)

日本人としては無視できない題材です。
American Vintage Thin Lacquer は当時の正規輸入代理店の限定モデルとして展開されました。
公式な記録は発見できませんでしたが(2005-2012)あたりの時期で展開されていたようです(2001年にラインナップに追加された、という情報もあり)。
スペックとして着目すべきポイントはもちろん、その名の通りの極薄のラッカー塗装(ニューアメヴィンに比肩しうる薄さ)ですが、ここではそれに加えて9.5Rの指板ラジアスとやや高め(大きめ)なフレットサイズにもご注目ください。

これらを踏まえると、ヴィンテージ風味なルックスその枠は外れない程度のモダン要素という組み合わせは American Original と非常に類似していることが分かります。

American Vintage の項でこちらを紹介しなかったのは、展開時期が重なっているが故の混乱を防ぐ目的もありますが、American Original との共通点を指摘したかったのもあります。時系列的にはThin Lacquer → Original なので、American OriginalAmerican Vintage Thin Lacquer から着想を得て開発されたのかもしれませんね!

シリーズAmerican VintageAmerican Original
展開時期1982-2018(年)2018-2021(年)
位置付け年式単位でのヴィンテージ完全再現年代単位での実用的ヴィンテージ風モデル
コンセプト実機の寸法・仕様を可能な限り
忠実に再現/マニア向け
(50s/60s/70s) の『らしさ』を抽出
やや現代プレイヤー向け
再現の基準年式(例:1957年、1962年、1965年)年代(例:50s、60s、70s)
指板ラジアス7.25インチ(完全ヴィンテージ)9.5インチ(ややモダン寄り)
フレットヴィンテージサイズナロー・トール
ネック形状年式ごとに細かく異なる年代イメージを再現
演奏性ヴィンテージそのまま(人を選ぶ)非常に弾きやすい
ピックアップ年式別 Pure Vintage(当時仕様)年代別 Pure Vintage(調整あり)
塗装ニトロセルロース・ラッカー
(一時期はオールラッカー)
ニトロセルロース・ラッカー
(トップコートのみ)
後継American OriginalAmerican Vintage II

ヴィンテージ系USA製過去シリーズは以上です。
既に何度か名前を出していますが、現行シリーズでいうところの”American Vintage II ”に相当する系譜となります。
原作が存在しますので、必然的に似通ったシリーズではあるものの、こまめな改良と挑戦の軌跡が確認できます。時間が経っても価値が減退しにくい(むしろ付加価値がつくことさえある)のが、商品としてのヴィンテージ系モデルの強みです。

前のオーナーの元で弾き込まれた貫禄あるギターを、次の弾き手として受け継ぐのもロマンがあって悪くないものですよ。

お次はスタンダード系のUSA製過去シリーズのご紹介になります。

American Professional

American Professional をさらにブラッシュアップするかたちで、2020年に登場した American Professional II が、2026年の3月をもってそのシリーズに幕を下ろすこととなります、、

正直なところUSA製シリーズ内で、非現行シリーズを含めても、最も高いコストパフォーマンスを持っていると評価していたシリーズだったので少し残念に思います。
勿論、American Vintage II や ULTRA II もギターとしてのクオリティにおいて勝るとも劣らないシリーズですが、この2シリーズはそれ以外のシリーズと比較して価格が跳ね上がります。
コスパという観点で考えた場合、American Professional II は頭抜けて価値があるシリーズだったと思います。

上の画像の左側3モデルような、アメプロ2のアイコニックなカラーはしばらく手に入らないと考えた方が賢明です。
(左から Mercury, Dark Night, Miami Blue)

仕入のラストチャンスなので、当店でもガッツリ在庫補充を行いました。とはいえ、各モデル1本ずつが基本ですので、通販含め販売中の個体が基本的にラスト1になります。
ご検討中だったモデルがあれば、新品で入手する最後の機会となりますのでお早めに

当店の在庫状況はこちら!

ネットニュースを一通り見た限り、現状そこまで情報が浸透していないようです。
本稿をご覧いただいた皆様は、市場が激戦区と化す前に、一足先に動き出して貰えればと思います。

※終了時期未定

もちろん Fender USA 1万円引きクーポンの対象です!(アウトレット品を除く)
タイミングとしてはベストなので、この機を逃さないようにしていただければと存じます。

それでは、過去シリーズ(USA製スタンダード系)の紹介に戻ります(上述のアメプロ2もスタンダード系です)。まずはこちらから!

American Standard (1987-2016)

系統:スタンダード系
価格帯:15~20万円

引用元:楽器カタログの世界
https://guitar-catalog.com/guitar-and-amp/fender/1995/jp_index.html

アメスタ」の愛称で通っている、ザ・王道シリーズです。American Standard と言うぐらいなので、スタンダード系に分類されます。ロングランに裏付けられたそのバランスの良さは、実用性という観点において現在でも高く評価されています。

中古市場では15万円ぐらいからで取引されている印象です。カラーや状態、モデルの人気度などに応じて上がっていきますが、20万円を超えるものは少ないです。よって価格帯は15-20万円ほどとお考えください。

現行なら先ほどご案内した American Professional (II) が、割とコンセプトそのままで展開しています。まさに正統後継者(シリーズ)と言ったところでしょうか。
珍しいカラーもございますので、気に入ったモデルがあれば本シリーズを選ぶのも良いでしょう。
ポリ塗装ですが、古い個体はなかなか風格があるものを目にすることがございます。

Fender / American Standard Stratocaster Vintage White 【名古屋栄店】

Highway one (2002-2011)

系統:スタンダード系
価格帯:15万円前後

【中古】Fender USA / Highway One Telecaster Midnight Wine 【梅田店】
販売価格:¥ 154,000-(税込)

密かに推しているシリーズです。中古で入ってくる当シリーズはみんな良い音しますし、稀に異常に鳴りがいい個体に遭遇します。弦振動の伝達効率が高いというか、ちゃんと木材が鳴っている感じがします。
おそらくその要因は、本シリーズ最大の特徴でもあるサテンラッカーのフィニッシュ。経年で出る雰囲気も非常に独特でカッコいいです。
ヴィンテージ系ではないものの、その荒削り感やタフな印象は、良い意味でフェンダーらしからぬ雰囲気を演出します。

店頭には毎日のように Fender の中古が入荷してきますが、本シリーズはなかなかお目にかかれず、体感かなり本数が少ないです。
個人的にニューアメビンの次に復刻して欲しいシリーズです。

Vintage Hot Rod (2007-2014)

商品サムネイル

系統:スタンダード系
(ヴィンテージルックス×モダンスペック)
価格帯:25万円前後

Vintage Hot Rodヴィンテージ・ホットロッド)シリーズは、2000年代後半に登場した「ヴィンテージな雰囲気(外見)+現代的改良」をコンセプトにしたアメリカ製シリーズです。

着目したいのは指板について、コンパウンドラジアス(7.5R→12R)が既に採用されている点です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ハイポジションに行くにつれて指板面がフラットになっていく仕様となります。
この仕様はモダン系シリーズのオハコで、スタンダード系のモデルに採用されるのは結構珍しかったりします。

「ヴィンテージ系」と「スタンダード系」、どちらに分類するか難しいところですが、スペックにおけるモダン要素が非常に強いため、間をとって「スタンダード系」にしました。
American Original American Vintage Thin Lacquer は、あくまでヴィンテージを基盤にプライアビリティのエッセンスを加えた印象でしたが、こちらは明確にモダンとヴィンテージの両面を兼ね備えています。

スタンダード系は大きく分けて、全体的にニュートラルな(スタンダードな)タイプと、ヴィンテージ×モダンの掛け合わせのタイプがあるかと思います。

本シリーズは後者のヴィンテージ×モダンの折衷タイプ。言い換えれば、足して2で割るとスタンダード系に分類されるタイプですね。
(現行のAmerican ULTRA Luxe Vintageなんかもここに分類されます。)

全体を見るとスタンダード系ですが個々の要素に着目するとそれぞれがヴィンテージorモダンに傾倒していることがわかります。その総和から平均をとるとスタンダード系になる、という考え方です。

商品サムネイル
商品サムネイル
商品サムネイル

Vintage Hot Rod 57 Stratocaster Modiied【御茶ノ水本店】
以前ウチに在庫していた個体です。
パット見だとモダン系スペックを持っているモデルとは判断できないのではないでしょうか。

(指板ラジアスやフレットサイズ、ネック裏のサテンフィニッシュなどプレイアビリティに直結するネック周りはモダン色が強いです。 

一方で塗装はラッカーフィニッシュであったりカラーバリエーションやルックスの部分はかなりヴィンテージ要素で固めていますモデル名が年式を冠するのもヴィンテージ系シリーズの特徴です。)

American Special (2010-2018)

系統:スタンダード系
価格帯:15万円前後

【中古】FENDER USA / American Special Stratocaster 2TB 【御茶ノ水本店】
販売価格:¥ 148,000-(税込)

フェンダージャパンの文脈でもたびたび現れる、Texas Special というピックアップが標準搭載。
USA製フェンダーの入門機として弾き手を選ばないスペックと比較的優しめな価格で、American Special は多くのギタリストに愛されてきました。

前項でスタンダード系は2種類あるとご説明しましたが、Vintage Hot Rod が(ヴィンテージ×モダン)だったのに対し、こちらは全体的にバランスが取れた正統派のスタンダード系です。American Standard (アメスタ)もこっちですね。

十分メインを張れるクオリティのギターですが、サブ機(例えば未所持のモデルなど)をここからピックアップしてみても良いかもしれませんね!

補足) “Hand-Stained” とは

American Special, American Standard の2シリーズに見られる、木材に手作業で染料を染み込ませ、木目を活かして色を出す仕上げを Hand-Stained といいます。
かなり製造本数が少なく、2012年ごろのごく少数のモデル(FSRや Limited Edition が中心)でのみ展開していた仕様です。

【中古】FENDER USA / FSR American Special Hand-Stained Stratocaster Honey Burst 【御茶ノ水本店】
販売価格:¥ 168,000-(税込)

このグロスともサテンとも異なるフィニッシュの質感、画像で伝わるでしょうか?肉眼で見ると一目でわかります。
認知度が低いからか、国内市場では希少性に対して売価はそこまで高く設定されていない印象です。

サテンほどマット感はないですが、グロスのような光沢もありません。去年 Made In Japan のリミテッドから出た Limited Edition Raw Ash のモデルなんかが近いです。

Fender / Made in Japan Limited Stratocaster Raw Ash Rosewood Fingerboard Vintage Natural [限定モデル]【S/N JD25005784】【御茶ノ水本店】
販売価格:¥ 146,700-(税込)

American Performer

系統:スタンダード系
価格帯:15万円前後
(中古の場合)
※一部新品在庫あり→18万円ほど

こちらもついこないだ製造が終了となったシリーズです(泣)
PUにはYosemite ピックアップを搭載。レンジが広くバランスが良いと言われますが、個人的には少しヴィンテージ風味というか、いなたい感じもあったと思います。Highway one と少し近い感じでしょうか。ラッカーではありませんが、サテン仕上げの限定モデルも展開していて、少し意識して作られたのかなと邪推しています。

FENDER / FSR American Performer Spruce Stratocaster Rosewood Honey Burst(重量:3.20kg) 【御茶ノ水本店】
販売価格: ¥ 179,800-(税込)

生産終了になったばかりなので、ちょろっと当店にも新品在庫が残っております。もちろん中古は引き続き入荷してくるでしょうが、新品は今が最後の入手機会です。ご興味あれば是非お試しください。

シリーズAmerican StandardHighway OneVintage Hot RodAmerican SpecialAmerican Performer
製造期間1987–2016(年)2002–2011(年)2007–2013(年)2010–2018(年)2018–2025(年)
位置付けUSA定番スタンダードUSA廉価・実戦向けヴィンテージ+モダンUSAコスパモデルUSAエントリー
コンセプト現代的Fenderの基準価格優先のUSA製50s/60s外観
+弾きやすさ
シンプルで力強いUSA伝統+現代的実用性
指板R9.5インチ9.5インチ7.5→12インチ(コンパウンドラジアス)9.5インチ9.5インチ
フレットミディアムジャンボジャンボミディアムジャンボジャンボミディアムジャンボ
ピックアップAmerican Standard PUHot AlnicoVintage系+モダンTexas SpecialYosemite
塗装ポリウレタンサテン・ラッカー
(トップコートのみ)
ラッカー
(トップコートのみ)
ポリウレタンポリウレタン
後継American ProfessionalAmerican PerformerAmerican Professional Classic

上記の数シリーズの紹介でわかるように、スタンダード系はかなり多種多様なシリーズ展開がされてきました。時代ごとに「スタンダード(基準・標準)」は入れ替わりますので当然といえば当然ですが、それに逐一アジャストしたラインナップを展開し続けてきたのは Fender というブランドの成功要因であったと言えると思います。
今後も新しいシリーズの登場が楽しみです。

American Deluxe(1998-2016)

系統:モダン系
価格帯:20万円前後

【中古】FENDER USA / American Deluxe Stratocaster 【御茶ノ水本店】
※販売済み

今でこそ URTRA II シリーズですっかり定着している、モダン系 Fender のはしりです。
当時としては革新的なスペックを盛り込んだ、American Standard の上位シリーズとして展開されたのが起源です。

exe.)

  • ハムノイズを限りなく取り除いた Noiseless PU
  • フラットな指板面とミディアムジャンボのフレット
  • ロック式のチューニングマシン
  • S-1スイッチで呼び出せるタップギミック
  • コンパウンドラディアス

現行や後継のモダン系 Fender でもこれらは標準搭載されているので、初期の段階でモダン系フェンダー方向性は出来上がっていたことが伺えます。

American Elite (2016-2019)

系統:モダン系
価格帯:20万円前後

【中古】FENDER USA / American Elite Stratocaster HSS Shawbucker Olympic Pearl 【御茶ノ水本店】【値下げ】
販売価格:¥ 187,000-(税込)

短命ではありましたが人気が高いシリーズです。
American Deluxe は実験的導入の意味合いが強く、一方こちらの American Elite は「モダン系でも戦えるな」ということが分かった上で Fender が、前者をより洗練していくような方向性で始めました。

本シリーズ唯一無二の特徴として「Modern “C” to “D”」という表記のネックシェイプがあります。
お察しの通りCシェイプから始まり、ハイポジションに向かうにつれてDシェイプになる仕様です。
発想はコンパウンドラジアスと似ていますが、カスタムショップを除けばこの仕様のギターは存在いたしません。
ハイポジションはDシェイプのように薄ければ当然弾きやすいものの、ローコードなど握り込むように抑えるときは指が若干余ってしまいます。
このジレンマに対するフェンダーの回答が、このネックシェイプでした。

プレーヤーにとってより合理的な仕様となり、Fender ギターの「道具」としてのキャラクターを象徴するシリーズでもあります。

とある研修で「Fenderのギターは『道具』で、Gibsonのギターは『楽器』である」というお話を聞くことがありました。お恥ずかしながら当時はあまりピンときていませんでした。むしろFenderのギターを貶す文意だと思って少しムッとした覚えさえありますが、今はその意味がよく分かります。
もちろん大多数のギタリストにとって、Fender は「道具」以上の存在(楽器や作品、芸術品、相棒?)だし、Gibson にも「道具」としての実用性が求められます。ですがそれぞれ売りしている要素が異なります。

そして Fender のギターの真価はその機能美(実用美)にあります。時間の流れに伴ってその様相は今なお変化し続けていますが、この哲学についてはレオフェンダーが確立して以来ブレずに受け継がれてきています。「Fenderのギターは『道具』である」とは、これが真意でしょう。改めて、”Stratocaster” は Fender というブランドを象徴するモデルだとしみじみ感じます、、

また、伝統あるギターブランドの両者が意外とバチバチじゃないのはこの棲み分けがあるからなのだろうと思います。「一本の Fender と一本の Gibson があれば全てのことができる」なんて言葉もあります。どこまで突き詰めてもそれぞれには異なった価値があるということですね。

解禁当時の NAMM SHOW 2016 展示の様子
(弊社スタッフによる過去のブログ記事より)

American ULTRA (2019-2024)

系統:モダン系
価格帯:20~25万円

現在は American ULTRA II として展開中です。
II になる以前の American ULTRA シリーズの段階でも、すでに演奏性は完成されており、「Fender 最速のネック」と謳われます。

II になって変わったところはほとんど電装系(→Haymaker PU)や素材(→アノダイズドピックガード)です。
ネック周りは指板エッジがさらに洗練されたとのことですが正直、American ULTRA の時点で既に相当滑らかです。

価格帯は American Deluxe ,American Elite よりやや上がります。モダン系の性質上、プレミア価値は付きにくく、新しいモデルの方が高額になる傾向があります。

【中古】FENDER USA / American Ultra Stratocaster HSS Arctic Pearl 【御茶ノ水本店】【値下げ】
販売価格:¥ 219,780-(税込)
項目American DeluxeAmerican EliteAmerican Ultra
製造期間1998–20162016–20202020–2025
位置付けUSA上位モダンUSA次世代モダンUSAハイエンド
コンセプトノイズレスPU+快適性最新技術による演奏性最高峰の演奏性と汎用性
指板ラジアス9.5–14インチ
(コンパウンド)
9.5–14インチ
(コンパウンド)
10–14インチ
(コンパウンド)
フレットミディアムジャンボミディアムジャンボミディアムジャンボ
ピックアップN3 Noiseless4th Gen NoiselessUltra Noiseless
ネック形状Modern CModern “C” to “D”Modern D(Ultra)
塗装ポリウレタンポリウレタンポリウレタン
後継American EliteAmerican UltraAmerican Ultra II

以上のモダン系USA製過去シリーズをもって、USA製は終了です。かなりボリューミーだったと思いますが、エレキギターの本場としてやはり中心は向こうでした。

まとめを兼ねて、ご紹介いたしましたUSA製過去シリーズの各位置づけを図示しますので、今一度ご確認下さいませ。

ひとまず本記事はここまでとなります。
USA製に続き、次の記事では日本製・メキシコ製の過去シリーズについてご紹介する予定です。
→近日公開!

引き続きよろしくお願いいたします。

イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア
担当:東ヶ﨑(トウガサキ)

店舗情報

イシバシ楽器御茶ノ水本店

OCHANOMIZU HONTEN

〒101-0062

東京都千代田区神田駿河台2-2

TEL:03-3233-1484

営業時間:11:00 ~ 19:00

アクセス:【JR】御茶ノ水駅(徒歩1分)

【東京メトロ】丸の内線 御茶ノ水駅(徒歩2分)

【東京メトロ】千代田線 新御茶ノ水駅(徒歩2分)

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