回答:レコーディングでマイクの前に立てられている、丸い網は何という名前かというと「ポップ・スクリーン」「ポップ・ガード」「ポップ・ブロッカー」「ウインド・スクリーン」などと言われ、様々な呼び名があります。文中ではポップ・ガードという呼称でご紹介してみます。
高性能なマイクにてボーカル録音する際に、息がマイクに直接当たってしまうことを防ぐ役割や、『パ』『プ』『ポ』などの破裂音を発声する際に、特定の音域のレベルがあがってしまうのを防ぐ役割があります。

なぜ、ポップ・ガードを使用するのか。
それらのノイズを除去しないと、聞き苦しい、クリアでない録音結果となり、プロの現場では、満足が行く録音ができないため、ほとんどのコンデンサーマイクを使った声のレコーディングでは用意されています。
ボーカル録音の他、ナレーションや、非常にクリアに聞き取りやすい点から最近ではWEB配信でもご使用になる方が増えているようです。
ポップガードがないこと、飛沫(ひまつ)によるマイク自体の汚れや、集音部への悪影響が考えられます。汚れによる金属などの腐食を防ぎ、マイク自体を長持ちさせる効果も考えられます。
ボーカルレコーディングは屋内の設備が整ったスタジオで行われることが多く、コンデンサーマイクのような高性能な収録が可能です。発音される音が鮮明に録音されるがゆえに、息や破裂音などのノイズを除去して録音することが求められます。
楽曲によっては、息を吸う音や、シャウト(叫び声)を収録する場面がありますが、コンデンサーマイクによる録音では上記の理由から「ポップ・ガード」を用いることが一般的。
ポップガードを、マイクの設置されたマイクスタンドにつけて使用することが通常ですが、別のスタンドに付けた形で使用することもあります。長さや動きの制限に上限があるので、位置の微調整の関係でそうするようです。
素材は、スクリーン部が目の細かいナイロンかポリ系の網、または金属系の網の2種類が主で、枠には、プラ系の枠、金属系の枠なしのものなどあります。
飛沫(ひまつ)による網の汚れを洗浄するには金属製のポップガードが洗浄しやすいイメージです。反対にナイロンやポリ系の網の場合洗った際に伸びてしまい、不格好で、ポップガードの破損の原因になる可能性が考えられます。
(録音中に臭いがしたら、多少ストレスを感じ、作品の完成に影響を及ぼしてしまうかもしれませんね。)
大きさについては、アミ面が大きいものがありますが、メリットとしては、顔が上下左右に揺れてしまう方でも、ポップガードの機能として求められるノイズを抑えられる点にあります。アミ面が小さい場合のデメリットはその逆であるとも言えます。
声を録る際には『ポップガードが無くてもいいや』と思う前に、安価なものでもよいので用意する方がよりよいということがお分かりいただけたら、幸いです。安価なものであれば、最悪、破損したり、臭いがしたら廃棄すればよいですし、長く使える高価なものであれば、それぞれメリットがあり、安心感は増します。
いかがでしょうか。
こちらはプロの現場でも使用されるコンデンサーマイクNEUMANN U87iです。セットでご用意していますが、単品でも販売しています。高額です。

こちらは、コストパフォーマンスに優れ、WEB配信の用途で人気が高いaudio-technicaのセットです。

どこで購入するの?
イシバシ楽器では各種取扱いがございますが、商品によってはお取り寄せの場合がございますので、店頭で確認されたい方は事前のお問い合わせをお願いします。渋谷店、御茶ノ水本店にマイク製品の取扱いがあります。
通販の場合は、商品ページの在庫状況、発送予定日をご確認ください。
ぜひ、コンデンサーマイク、マイクスタンド、そして、このポップ・ガードを購入して、ワンランク上のプロクオリティーで音楽制作、録音をお楽しみください!
裏話:家にあるもので、針金ハンガーとストッキングで代用される方もいました。金魚すくいの網でも出来る?
関連記事:マイクスタンドの一覧・・・マイクスタンドにはいくつかの種類があります。例えば、ストレートスタンドは上下のみ高さ調整ができ、スピーチやボーカルに適しています。