ヴィンテージサックスが入荷!!
2017-07-08 皆さんコンニチハ!!イシバシ楽器名古屋栄店 ヴィンテージサックス担当のミスミでございます。
本日ご紹介するのは???1979年製造のセルマー・マーク7。アメセルかフラセルかと聞かれれば、フラセルでございます。画像が多いのでチョット長くなります(汗

約20年間製造されたマーク6からモデルチェンジを果たし、各キィパーツの大型化、管厚・管体設計を見直し、当時サックスに要求された更なるダイナミクスの拡大とパワフルなサウンドへと進化を遂げ・・・うんたらかんたら、とどこのサイトでも説明しておりますので今回は管体各所をクローズアップしていきましょう!!


ネックoctキィは青ロゴ、正面には「M7」の刻印が施されたプレート。オクターブキィ台座も肉厚で重量感があります。

マーク7からはアメセルにもフラセルにもHighF#キィが標準装備されております。無いほうが音が良いと言われますが、あった方が何かと便利なHighF#キィ。

フロントFキィはオールドスタイル。ティアドロップ型に慣れた方は、指の肉が挟まるかもしれません(笑

LowCキィ、E♭キィは巨大化し、手の小さい方にはチョット操作しずらいかもしれません。

SELMER PARISのロゴ下にもう一つ、SELMERロゴ。マーク6から続くロゴですね。オールドセルマーらしい雰囲気を醸しだしているように感じます。


スーパーアクション80シリーズまで続く見慣れたフラセル彫刻。MARK VIIの刻印も。

マーク7最大の不人気ポイント・テーブルキィ(笑)武骨でたしかに操作は難しいですが、個人的には「曲中で使うのはG#だけ」と思っているのでさほど気になりません。さほど。

ベルー主管を繋ぐ支柱は3点止め。より頑丈で、奏者の息圧にも耐えられるタイプです。以降のモデルもこのタイプが定番となりました。

写真中央のキィガードは、入荷時に欠品していたため代替パーツを取り付けております。・・・ここだけピカピカしていて恥ずかしいですが構えたら見えないので(笑
サムフック横にラッカーの剥がれが集中しておりますね、前オーナーさんは手が大きかったのかもしれません。

U字管のボウガードもがっしりしています。今のセルマーとは大違いです。

さてさて、兎角重いとか首が疲れるとかヘヴィ級だとか戦車みたいだとか言われるマーク7ですが、その重量は約2.58kgでした。隣に並べていた現行のジュビリーシリーズ3も計ってみたところ、2.52kgでしたので、特別重いといったことはないようです。なぜでしょうか、キィパーツのバランス?重心が違う?またの機会に調べてみることにします。じっくり見まわしてみると、マーク6とも違う、現行とも違う個性が見えてきますね。
1974年から1981年までの約8年間製造され、近代セルマーのモデルでは比較的短命ともいえるマーク7。一昔前は、(あ?いやだいやだ年寄みたいな言い方w)それほど珍しくもなく中古を扱う楽器店であればよく見かけましたが、今探してみると意外と流通量が少ない。手放す方も少なくなったのでしょうか。
しかし、ヴィンテージサックスのカテゴリでは、まだまだお値段も抑え目で射程距離に入れやすい価格帯。現行楽器に満足できない方にぜひお試し頂きたいモデルです。
長々とお付き合いいただき誠にありがとうございます。