ジルジャン工場に続きヴィックファース工場を訪問!
2016-11-01 こんにちは、渋谷WESTの松岡です。
基礎知識シリーズ番外編、
前回のジルジャンツアーに引き続き
<ジルジャンファクトリーツアーレポVol.1はこちら>
<ジルジャンファクトリーツアーレポVol.2はこちら>
<ジルジャンファクトリーツアーレポVol.3はこちら>

VIC FIRTH スティックファクトリーツアーレポ!
前回はボストンにあるジルジャンファクトリーのレポートでしたが、
その翌日、こちらのヴィックファース社にもお邪魔して参りました!
【VIC FIRTH 製品はこちらから検索】
ヴィックファースと言えばスティック
何故にヴィックファース?とお思いの方もいらっしゃるかとは思いますが、
現在はジルジャン社の傘下であり、
ジルジャン社のスティックもこちらで製造しているのです。
※実際は10年ほど前からヴィックファース製に移行してます。


ジルジャンのあるボストンよりさらに北、車で約4時間半の長旅
木々に囲まれたメイン州のニューポートにあるVIC FIRTH FACTRY
空気の澄みきった環境で空が高い!
湖に面していて、ボストンとは違いのどかな印象。
どこか「町工場」的印象ですが、実際にはなかなか広い!


パレット積みされた乾燥前の木材
ヴィックファース社は
なんと世界のスティックの約6割を生産しているといわれるトップメーカー
自社の製品はもちろん、先述のジルジャン、日本でもパール社の一部モデルを生産しており、
その品質においても最も信頼されているブランドともいえるでしょう。
そんなヴィックファース社のスティックの内部に潜入!
まずは最初の工程です。

このような状態の木材を





加工に適したサイズにカット!

カットされた木材は、専用のボイラーで乾燥させます。
この時含水率を6-8%程度まで落とすことで、
曲がりにくい良質なスティックに最適な木材になります。
ここがヴィックファース最大こだわりポイント、
ストレートなスティックの秘密はここに有りました!

選定された木材は

専用の機械で筒状に削られます

だいぶスティックらしくなってきたぞ

ここで、木材の選定
重さや反りなど基準を満たさないものを選別
いよいよ「スティックの形」に削られていきます。
しかし、
この専用の型になったグラインダーの工程は撮影NG
手法には企業秘密が詰まっているようで、
多種多様な型のグラインダーにより的確に成型されていきます。

ちなみにナイロンチップのモデルは


このように専用の型に液化した素材を流し込み硬化させます、プラモみたい。
すっぽ抜けにくいヴィックファースのナイロンチップはこのような工程で作られているのです。
スティックの形状が出来上がると、
モデルによってクリアラッカー塗装や、カラフルな塗装を施されていきます。

豪快に塗料にドボン!

ちょうど作っていたこの色はデイヴ・ウェックルモデルでしょうか?
このようにバラエティに富んたカラフルなスティックもヴィックファースならでは!
塗装まで終われば、もうほぼ完成間近

ロゴプリントが施され、いよいよ完成?
しかし、ヴィックファースはここからの工程が重要!
THE PERFECT PAIRと称される、スティック同士のマッチングが行われます。
この工程はやはり撮影NG
具体的には
まずは各モデル重さごとに選別され、
専用の機械で数回コンコンと叩き周波数を測定。
近似の周波数をもつ同じ重さのものがペア化され、
いわゆる「スリーブ」でパッケージ化されていきます。
そしてダースごとにラッピングするのですが、
この12ペアは全く同じグループでかためず、
ある程度個体差を持たせてラッピングしているとのこと。
これにより、ダースの中からも自分の好みのものを探せますね、
ドラマーからするとこれは非常にありがたい!

このような工程を経て、
ヴィックファースのスティックは皆様のお手元に届くのであります。
私個人も、ヴィックファースの1ユーザー、3Aを愛用しております。
やはり、このTHE PERFECT PAIRの信頼度は高く、
スリーブごとに重さもピッチも揃っているのは選びやすいです。
しかも何よりも、「反りにくい」のはうれしいところ。
反りってふとした時に気になってしまったりするものです、、、
とりわけ海外アーティストのシグネチャーモデルが多いのは、
やはり徹底した管理によるクオリティの高さにあるのではないでしょうか?
今までヴィックファース使用していた方も、
ヴィックファース未体験の方も、
是非店頭でそのクオリティを体感してみては如何でしょう?

訪問が9月下旬でしたが、ハロウィンの準備でしょうか?
でっかいオレンジのカボチャがいかにもアメリカン
非常にのどかな風景ときれいな空気に癒された
VIC FIRTH スティックファクトリーツアーでした!
※ちょっと寒くてこの後カゼ引いたんですが(笑)
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■この記事を書いた人
松岡 武 Takeshi Matsuoka中学生の頃突然ドラムに目覚め、そのままのテンションで音楽の専門学校に入学。卒業後よりお茶の水イシバシに勤務し13年、2016年6月より渋谷WEST勤務。20代のころはジョン・ボーナムにあこがれすぎて24インチのライドをバカバカ打ち鳴らしてました。豊富な現場経験を生かしたその人に合った楽器のチョイス、チューニングやメンテナンスポリシーで、様々なタイプのドラマーをサポート致します! |