♪★♪管楽器の小さな世界♪☆♪
2016-09-30だいぶブログの更新をサボっていたら、、、
気がつけば秋らしいさわやかな気候になったお茶ノ水界隈でございます。
随分前のブログで少し触れましたが、
修理の際に取り替えた不良パーツを捨てられずに、
(自分でも治したいクセではあるんですが、、、)
どんどん古いパーツが手元に溢れかえっています汗;;
言ってしまえば、
ちょう!大したことないパーツばかりですが、
このパーツが原因で楽器の不調を起こしていたという訳ですから、
この小さなパーツもバカに出来ないもんだっ!
という独り言的なお話を、、、
お暇があれば、お付き合い下さいm(. .)m
さて、はりきってタイトル通り小さなパーツを選びました!

主役はメガネではございませんッ
その横にいる、、、

これは、、、

そう!ねじです笑
このワンショットで管楽器のどこに使われているネジなのか
かわかるツワモノも世の中にはいらっしゃるのかな、、、
きっと私はネジ単体で手渡されたら
「なにこれ?」
っと言ってしまうだろうな?
このネジ、、、
サックスのスプーンキィとも言われるHighキィを閉じる為の
バネを固定しているネジです。
右手で操作する主に高い音を吹くときなんかに使うこのキィ↓
※参考画像

ここのキィを外してバネを固定しているこのネジッ!
※参考画像

なぜこのネジを交換せざる得なかったというと、
楽器の調整依頼をいただいた時にユーザー様のお話を伺っていて、
「異常とは思えないし支障がないレベルだけど低音域ってこんなもんでしたっけ?」
とおっしゃっていたのが印象的で、
いざ吹いてみると、
確かにユーザー様がおっしゃるようにこんなもんだっけレベルですが違和感が、、、
低音域については様々な箇所が連動しているので、
バランス調整やタンポの合いを確認しましたが、
ここだッ!!
っという原因箇所にめぐり合えず、、、
あとはHighキィのバネちょっと弱い気がするけど、
わざとだろうな?っと思いながら分解してみると板バネがプラプラしてました。
(プレイヤーによっては好みの程度でバネを弱くして欲しいとご依頼いただくこともあるので。
個人的にはあまりやりたくないですが、、、)
※参考画像

ネジを締めてもう一回吹いてみようっと思いましたが、
ネジがこれ以上回らない;;
ネジの長さがネジ受けに対して長すぎてネジがバネを固定出来てないッ;;
だめじゃんッ!!
って事で、バネを固定しているネジを少し長さが短いものにチェンジ!!
無事に、あぁ?やっぱりね、このかんじだよね。
っという低音域の音色になりました。
そんな経緯で、
元々ついていたバネを固定できない長すぎるネジが手元に残っていたわけですね。
ちなみに、ネジを交換したこの楽器がもしVintageだったら、
オリジナルのネジを削って長さを短く改造して、
なんとしてもオリジナルパーツを活用してたと思います。
これだけ小さいので、すっごく大変なんです;;
できればやりたくない(笑;;
でもVintageのパーツが手元にあるなら、やるほかないワケですね?
それほどVintageのオリジナルパーツには価値があるということッッ!
サックスのHighキィは元々閉じられててキィを作動させると開く
「クローズキィ(クローズドキィ)」と呼ばれています。
わりと口元に近いトーンホール(音孔)を塞いでいる為、
万が一ここのトーンホールのタンポの合いがイマイチ(穴が塞ぎきれていない)だと
楽器が本領発揮出来ていない状態になりますので、すごく重要な役割を担っているのです。
そして、最も影響が出やすいのが低音域の音色とボリューム
っということで、強く印象に残っています。
このような小さなパーツやキィ側のネジ受けの長さについても楽器の製造精度に関わってくる部分でして。
製造精度が高いということは、
このような小さなパーツまで設計・調整が行き届いているということだと思います。
その点で個人的にはやはり日本国内メーカーのクオリティは
海外メーカーと比べ秀でていると感じています。
(パーツ供給もしっかりしていますしね♪)
日本製のYAMAHA SAXはこちらから
YAS-280

YAS-380

YAS-480

こんな小さなパーツに左右されてしまう管楽器ですが、
逆に言うとこんな小さなパーツでどうにでも出来てしまうということなので、
これからの進化が楽しみです♪