【イシバシ梅田❤梅雨対策!】
先日は弦のサビについてご案内しましたが、本日はご要望にお応えしてネックコンディションに関して、いわゆる『反り』についてご案内していきたいと思います٩( ‘ω’ )و 季節の変わり目、動きやすいですからね!

まず、ネックってどういう構造でどんな力がかかっているのかを知る必要がありますね。色んな要素がありますが、まず弦の張力。そして木材の剛性。そしてトラスロッドという弦張力に対するアゲインストの力です。

弦の張力はゲージによりますが数10kgです。一方ネックは細く加工した木材。剛性だけでは弦の張力に負けます。いくら硬い木材を使っても。経年の累積荷重を考えると当然ですね。そこでトラスロッドがあるんです。

汚い図解ですがご容赦を(ー ー;)大まかにこの3つの力が均衡している状態が良好な状態と言えるのではないでしょうか。この他の要素としては木材のクセとかもあるんですが、それはまた別の時に(^^)

ネックが良好な状態では、理屈でいうと真っ直ぐネックジョイント部にトータルの荷重がかかりますよね。なので、どのギターを見てもこうやってジョイント部には少しゴツいネックヒールという部分が設けてあります。

ネックが弦に引っ張られて順方向に反っている場合、この辺りに徐々に荷重がかかって来ます。反り具合に応じてこの部分にかかる荷重が増えていくので、放置すると加速度的に反り始めます。危険です。

ヴィンテージタイプのフェンダーなんかはネックを外さないとトラスロッドが回せません。コレ、プラスになってますが、マイナスドライバーで回して下さい。でないと確実に山をナメます。

ネックのストレートを見てみましょう。特殊な工具はいりません。エレキなら1フレットと最終フレットを押さえて真ん中あたりのスキマを見ます。厳密にストレートではないですが少しスキマがあるくらいが適正ですね。
【イシバシ梅田❤梅雨対策!】
― イシバシ楽器梅田店 (@1484umeda) 2016年6月10日
ネックのストレートを見てみましょう。特殊な工具はいりません。エレキなら1フレットと最終フレットを押さえて真ん中あたりのスキマを見ます。厳密にストレートではないですが少しスキマがあるくらいが適正ですね。 pic.twitter.com/nrRyyQJzaW
何で真っ直ぐにせえへんねん、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、弦は3次元的に振幅するのでフレットとの間にある程度の余裕が必要ですし、何より木材の剛性が常に一定ではないから双方向に動いた場合の余裕が必要です。周囲の環境でネックのコンディションが変わる。それが梅雨時の問題なんですね。

梅雨時は多湿です。少し木材が柔軟性を持つので順方向に反りがち。ネックのストレートを見て、順反りだなと思ったら、トラスロッドを時計回りに回します。今までの理屈を念頭に、手にかかるトルクを感じましょう。

クッとトルクが変化する瞬間があります。木材の剛性との綱引きでトラスロッドのトルクが変化しますからね。これくらいかな、って思ったらネックを戻してチューニング。こうして繰り返しながら詰めて行くんです。

ストラトなんかはネックを外す時この辺の塗装を割っちゃいがちなので、慎重に外して下さい。弦張ったままネックのジョイントボルト外したらダメですよ(ー ー;)!数十キロの荷重が一気に開放されて危ないですし最悪壊れたり怪我をします!
![]() |
![]() |
今回はフェンダーをモデルにお話しましたが、ギブソンも理屈は同じです。3つの力と手にかかるトルク、後はストレートの見方。これが分かれば意外と簡単なんです。後はサウンドを変えるための攻めのセッティングがあるんですが…

…とりあえず今回はココまで٩( ‘ω’ )و ネックの構造の理解のお力になれたら幸いです。まだまだネック周りは奥深いんですが、基本は今回のお話くらいです。簡単でしょ?大切な相棒、面倒みてやりましょう!

※当ページに掲載されている画像、文章等の転載、二次使用等はご遠慮下さい。また、当ページをご紹介いただく場合は、画像、動画等に直接リンクをしないようにお願いします。
※商品情報や価格、在庫などは投稿時点の情報です。既に在庫切れ、販売終了となっている場合がございます。現在の正しい状況については下記店舗へ直接お問い合わせください。また、当ページに掲載されている画像、文章等の転載、二次使用等はご遠慮下さい。