アンラッカー仕上げってよく聞くけど、どうなんでしょう?
2016-01-28 WEBSHOP管楽器担当でございます。
ヤマハのアルトサックス82Z 「Custom Z」と言えば、【Z】の名の通りヤマハがJAZZシーン向けに云々?というのは説明するまでもなくですね。
実際、プロミュージシャンからハイアマチュア、趣味の方まで本当に多くの方に支持されているモデルです。(意外にも吹奏楽の現場でも普通に使っている学生さんも多いです。)
初代82Zから評価が高く吹き手への反応の速さ、奏者のそばでビリビリとダイレクトに響く「アンラッカー仕上」という表面仕上げを特注ながらラインナップしてくれています。
で、今回はお店によってはショーケースに並べているだけでも管体表面の変化が進んでしまう事もあるので、なかなか展示されていない事も多い「アンラッカー仕上」が新品ほやほやのばあいはどんな姿なのかをご覧頂こうと思います。
■開けてみます。
外箱ダンボールを開けると。。。見慣れないケースが。

そうなんです。アンラッカーモデルは専用のフライトケースが標準付属品なのです。

■中身はどうでしょう。
ケースを開けると。。。ピカピカのサックスが。。。あと、注意書き。

■注意書きにはこう書いてあります。
『このサクソフォンは表面にラッカー仕上げを施してありません。楽器の管体表面が直接空気にさらされるため、表面が徐々に変色していきます。特に手や指が触れた箇所は、皮膚に含まれる酸性成分によって色あせたり、茶色に変色したりします。こうした楽器表面に生じる変化が音色や演奏性に悪影響を与えることはありませんが、表面のざらつき等の変化を予防するためにも、使用後は清潔な柔らかい布で拭くことをお勧めします。』
■つるつるのピカピカのようです。
表面にラッカー仕上げを施していないって。。ピカピカじゃないですか。

恥ずかしながら、初代が出たての頃にアンラッカーを発注した当社の担当が「アンラッカー頼んだのに、ラッカー仕上げが納品された!」とヤマハにクレームを入れた過去がございます。。
あと、お客様から同様のお叱りをいただいた事があります。
が、これが「ほやほやのアンラッカー」なのでございます。
ちなみに、使い込むことで(経年変化)こんなルックスになります。
こちらは御茶ノ水本店で今販売しているG1ネック時代のYAS-82ZUL です。

※リンク切れの場合は売り切れでございます。
うーん。渋いルックスですね。
ただ、ヤマハの注意書きにもありますが、「・・・楽器表面に生じる変化が音色や演奏性に悪影響を与えることはありませんが・・・」ということは、このルックスになっても音色に変化はあまり無いという事になるのでしょうか。
表面にざらつきがあると、ミクロの世界でみると表面に凹凸面があることで、振動する表面積が広がるので、音も良くなる。こんにゃくを手でちぎると表面積が増えてよく味が染みこむと同じ・・・では無いですね。例えを間違えました。 とか、いやオカルトだ。とか、ちょっと意見の分かれるところなので、言及しません。
ラッカー仕上の楽器がラッカーが剥がれてアンラッカー状態になると音が変わるというのは、まあ、そうだと思いますが。
とにかく見た目は「格好良く」なります。格好良いですよね?
■High F# キー無し。
こちらの個体は「High F# キー無し」モデルです。

先ほどの中古YAS-82Z ULはHigh F#付きの個体です。この強調した部分が付いていないのです。

これに関しては好き嫌いは別にして違いは「吹いて」頂ければ分かると思います。
理屈で言うと、振動する管に「穴が一つ少ない」「台座などパーツが少ない」ことで、管体が響きやすくなるという感じです。
担当の私は「High F#無し」のほうが好きです。特別感ありますし。
■ラッカー塗装していない、High F# キー付いていない・・・そのくせに価格普通のより高い
そうなんです。ご意見はヤマハまでお願い致します。
ということで、アンラッカー仕上の紹介でした。
■余談
2013年8月に現行の仕様にモデルチェンジした82Zの大きな変更点と言えば、ベルが1枚取りになった点と、タンポの反射板がメタルレゾネーターになった点です。

前のモデルに比べ、さらに反応が良くなり響きも明るくなったのですが、前のヤツのほうが・・・って意見もあるんですよね。
カタログに小さくあるんですが、ヤマハにオーダーの段階で「プラスチックレゾネーター」に変えることは可能なんです。
で、担当は考えました。でも地味な特別オーダーだから「売れないモノは仕入れちゃいけません。」と言われてしまう可能性大。
「YAS-82Z ラッカー仕上げ High F#キー無し ネックはAC1 フライトケース付き」ってのはどう思いますか?結構イイ感じだと思うのですが。
ネックに関しては現行標準装備のAV1ネックに対し・・・余談が長くなったので、また今度にします。
失礼しました。
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