コラム:BOSSエフェクター・Rolandアンプへの誘い

Vol.1個人的推しピッチシフター「BOSS PS-6」

個人的推しピッチシフター「BOSS PS-6」
個人的推しピッチシフター「BOSS PS-6」・我妻

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新宿店ペダルホリック・我妻

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新宿店ペダルホリックのBOSSコーナー
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日本のエフェクターブランドと言ったら、皆様どのメーカーを思い浮かべるでしょうか。

おそらく大多数の人が「BOSS」を思い浮かべると思います。

初心者から中級者、果てはプロのアーティストまで幅広い人々に支持されるブランド、「BOSS」。

今回はBOSSのエフェクターで個人的に推している「PS-6」をご紹介いたします。

PS-6

PS-6とは、現在BOSSで発売されているエフェクターの中でも「ピッチシフター」と呼ばれる機能のエフェクターです。

ギターの音を指定した音程まで上げ下げしたり、原音+2音の合計3音を鳴らしたりなど「音程」に関わるエフェクトを掛けることができます。

ギターが一人でもソロでハモってくれたり、リードの一部をオクターブ上げたり、オクターブ下げてベースのように演奏したりなど様々なことがアイディア次第でできる素敵エフェクターです。

このPS-6、実は2010年発売と15年選手のエフェクター。

※ちなみに前モデルPS-5は1999年発売です。

しかも最近新製品のXSシリーズが発表されてしまい、ピッチならXSがいいんじゃないかという声も聞こえてきそうです。

ピッチシフター

もちろんXSシリーズは開発に数年単位で掛かっている、かなり気合の入った製品。BOSSの最新デジタル技術の結晶とも言える機種ですので、比較してしまうと精度などはどうしても劣ってしまいます。

ですがこちらにはキー指定のハーモニー、S-BENDなど固有の機能もあるため、バッチリ差別化出来ています。それでは、このPS-6の面白ポイントを紹介していきます。

PS-6

ピッチシフターモード

こちらはシンプルなピッチを変更するモード。±3、5、7、12、24の中で選択し、音程を変化させることができます。

3 VOICE部では「+7」&「-5」、「+12」&「-5」の3声を選ぶこともできます。

使いづらいという声も出てきそうですが、機種名は「ハーモニスト」。メイン機能ではないのでご勘弁ください。

このモードは和音対応もしているので、1オクターブあげてもきれいに和音を弾くことができます。コードでも濁らず、ちょっとキラキラしたサウンドになるので、1オクターブシフトはお気に入りです。

ハーモニーモード

原音のほかに最大2音追加し、ハーモニーを作り出すモードです。

キーと度数を設定することができ、手軽に重厚感のあるリードを作り出すことができます。

こちらは当たりまえですが単音のみに対応しております。また、チューニング(440Hz)をしっかり行ってください。

最近だと楽曲を聴かせてキーを割り出すようなアプリもあるらしいです、便利な世の中になりました。

このアプリとPS-6があればだれでも簡単にハーモニーを作り出すことができる... かも?

なお、複雑な処理を行うことでシンセサイザーのような音色になります。

一部界隈ではこのサウンドが人気という噂も... 。

デチューンモード

原音に対して微妙にピッチをずらした音を加え、厚みと広がりを加えるモード。

コーラスなどに近い印象のサウンドになりますが、揺らぎがない分扱いやすさと厚さをより感じるとができます。

最大で2音も加えることができ、かなりの重厚さと広がりを得ることができます。

80年代のようなサウンドを作る際、大きな助けになるモードだと思います。

こちらは単音と和音両方に対応しています。

S-BENDモード

最後に紹介するこのモードは、PS-6の目玉ともいえる面白モード。

踏んでいる間だけ指定したピッチへギューンと上げ(下げ)ることができます。

指定したピッチへ向かう速さと原音の音程へ戻る速さを指定することができ、オクターブを上げるにしても動的なアプローチを行うことができる素晴らしいモード。

このモードは単音に限られておりますが、よくある短2度を重ねるフレーズなどの音程感というよりは不協和音であることを重要視するフレーズなどに掛けたりする飛び道具的な使い方であればギリギリ破綻しない感じではあったので和音でも使えなくはなさそうです。

ざっくり紹介しましたが、これを踏まえて公式で上がっている動画をご覧いただくと、より理解が深まるかもしれません!ぜひチェックをして見てください!

発売から15年経っても、ピッチ系で上位機種が出てもなお、1台でできる幅広い面白さという点ではPS-6はまだまだ戦える機種であると思います。

実は個人的にも長いこと愛用していて思い入れのある1台で、中でもS-BENDの面白さは随一ともいえるでしょう。

短2度を重ねるフレーズのときにオクターブ上げて意表をつく使い方や、リフなどの繰り返しが多い場面で抑揚をつける際によく使用しています。

音程の上がり方がPS-6でしか出せないものとなっており、サイズ感も含め自分のサウンドメイクの中でかなり重要なポジションに位置しています。

PS-6の面白さはS-BENDだけではなく、重厚なハーモニーと独特な広がりを魅せるデチューン含めピッチに関する様々なエフェクトの良いとこどりをしているのもポイントです。

ピッチ系のエフェクトの導入を考えている方に強くおすすめしたい1台なので、ぜひお試しください!