セルマーのご紹介1
2006-06-01 SELMER ALTOSAX REFERENCE最新の技術を駆使して完成させたSELMER社によるセルフカバー作品
長年ジャズプレイヤーがMARK6を崇拝する傾向は変わりませんが、技術革新により格段に良くなった最新モデルの音程精度と比べると1950?1970年代に多くを人の手で製造されていたMARK6はより玄人向けと言えるかと思います。
そんな音程の問題を最新の製法でクリアし、MARK6らしい音色の良さを継承したSELMER社によるセルフカバー作品として位置付けられるのがこの「REFERENCE(リファレンス)」です。
ビンテージサックスを彷彿させるダークラッカー、アメセルを意識した彫刻模様、MARK6を強く意識したキィデザインなど心憎い仕様になっておりセルマー社の意気込みが感じられます。

明らかにアメセルを意識した彫刻、線が細かく丁寧に彫られています。

ダークラッカーがビンテージ感を醸し出す

ネックにもリファレンスの刻印

クラッチ付きテーブルキィはシリーズ3譲り、サムフックは金属製
SELMER ALTOSAX REFERENCE商品一覧
◎ゆうせんせい試奏レポート◎
最近、巷を騒がせているリファレンスを試奏した。各社からマーク6の復刻版?タイプが発売されているので、比較検討しながらレポートしてみることにする。
まず、リファレンスだが、まあ「やればできるじゃんセルマー!」ってな感じですが、造りとしては現代の最新技術を駆使しているのは変わりない。したがって、シリーズ3やシリーズ2を触った感じにも似ている。
外見的にはアンティークラッカー(暗いラッカー)塗装であることで昔風の色を再現している。よく言われるアメ色というやつだ。キーの形状も各所意識されていて、マーク6っぽくなっているのだが、使いやすいかは、使う人次第といったところ。彫刻もマル。全体的にはヴィンテージ好きの人に好まれるだろう。
そして肝心のサウンドだが、管体がやや厚いこともあり、『豪快』な感じ。マーク6よりかはマーク7に近いようなイメージである。例えばヤマハの82Zなどは管体をやや薄めに造ってあり、程よく使い込まれたマーク6のイメージがあるため、初心者にも吹きやすくなっていると思う。専用設計により、管体を薄くした時の音程の不安定をカバーしている。リファレンスは初心者向きというよりかは中級者向き。やや重たい吹奏感は息のスピードを必要とする。しかし、ヤマハと比べても、音色のダークさはよく再現されていると思う。ダークさは楽器選びの際に重要視するポイントだが、ヤナギサワのブロンズとも似た感じ。セルマーの中で比べるのなら、パワフル感で言えば、シリーズ3とシリーズ2の中間ぐらい。ダークさで言えば、一番ダークであると思う。そして大事な音程感も一番取りやすいだろう。
今現在マーク6を使っている人が今後移行するには、一番移行しやすいのではないだろうか。すぐに良く鳴る楽器としては82Zも魅力的だが、数年先を見るのならリファレンスがおすすめ。ヤナギサワに慣れている人はやはりブロンズがいいかもしれないが・・・、購入を検討している人は価格差もあるが、82Zとヤナギサワブロンズと吹き比べて決めて欲しい。
※REFERENCE発売当時(2003年頃)のコメントです。
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