Matin 診断会にイシバシ梅田中古買取品リペア担当が参加しました!
2016-06-03 イシバシ楽器梅田店はU-BOX Guitars UMEDAとしてイシバシ楽器西日本最大の中古楽器販売店でもあります。そしてその膨大な数の買取楽器、ギター、ベースなどをひとつひとつ丁寧にクリーニング、調整し店頭へ送り出す部署がございます。その中古買取品リペア担当 土元 は自身もMartin OOO-28のオーナーでもあります。というわけで、先日のMartin診断会にて西日本のMartinリペアを一手に請け負っていらっしゃる、Martin国内総代理店 黒澤楽器店 福井さんに日ごろの疑問をぶつけてみました!

土元 『楽器のコンディションを見る手順はありますか?』
福井さん 『基本的にはまずチューニングをします。チューニングをした状態でネックの反りの有無を確認し、弦高とナット高を適切かどうか確認します(3フレットを押さえて1フレットと弦の間にスペースがあるか)。』

土元 『それから内部を確認していくんですね!』
福井さん 『そうです。それからブレーシングの剥がれをチェックします。具体的には外側からタップしてみて異音がないかチェックをします。あれば弦を外して反射鏡などで目視します。10年単位以上での経年でのブレーシングのトラブルは木材の特性上、トップよりバックのほうが多いかもしれませんね。トップの状態も見ていきます。後バインディングの剥がれは、やはり大きく曲がった部分やジョイントヒールの継ぎ目が多いのでそのあたりもチェックします。』

【イシバシ梅田❤️Martin!】
— イシバシ楽器梅田店 (@1484umeda) 2016年5月28日
Martin診断会٩( 'ω' )و !トップ板の状態も合わせてスチールの30cmスケールで。トップ板は若干ドーム状、スケールを当てて両端が2?3mm浮くのが適正の状態の様です。湿度で変化します。 pic.twitter.com/ZsK8EXmNQl
土元 『良く使われるツールはありますか…?(福井さんの手元のツールが気になる土元)』
福井さん 『楽器のコンディションを見るのに、このスチールの300mmスケールを使います。トラスロッドの効く範囲とちょうど同じくらいの長さで使いやすいですよ。後は12フレット上で弦高を測る時も12フレットから13フレットの長さより若干幅があるので真っ直ぐ正確に測れます。昔楽器製作時にネックの削り出しなどでストレートを見るためにも使っていたので反対側は少し削りこんであります。ネックヒールに当たらないようにです。ちなみにネックピローは自作です!』

土元 『ネックピロー使いやすそうですよね!チューナーがギターではなくピローについてるのすごく効率的ですよね…なるほど!と思いました!』
福井さん 『リペアをお待ちのお客様がたくさんいらっしゃいますから、出来るだけ早く、そして出来るだけギターに負担をかけないようにしたいと思っています。』
土元 『僕自身OOO-28を弾いているんですが、保管の仕方で気をつけないといけないことってありますか?』
福井さん 『ホントにケースバイケースで個体のコンディションによって変わるんですが、乾燥する冬場の湿度管理が一番要注意かもしれませんね。ニトロセルロースラッカーは水分も浸透しやすいので、お手入れもなるべく乾拭きがおすすめです。まめに乾拭きしてやればキレイに維持できると思います。汚れがどうしても取れない時はポリッシュやコンパウンドなどもアリですが、残らないように拭き取ってくださいね。』

その後も色々専門的な質問をさせていただきましたが、どれも丁寧に教えてくださいました。取り組んでらっしゃる姿勢に楽器への愛情が溢れていました。イシバシ楽器 梅田店 U-BOX Guitars UMEDA でも一本ずつ丁寧に心をこめて取り組ませていただきます!