Cメロサックスが入荷して参りました!!
2015-12-15 「C Melody Saxophone」通称Cメロ
その名前の通り、C管のサックス。
「ピアノ譜で演奏ができるサックス」ということで、20世紀初頭に誕生し生産されておりました。
「C管テナーサックス」「メロディサックス」などの呼称もあったようです。
管楽器以外を演奏されている方はあまりピンと来ないかもしれませんが、この「ピアノ譜で演奏ができる」というのは大きなポイントでして。
サックス、クラリネット、トランペット、ホルンなどなど、「B♭管」「E♭管」の管楽器は、それぞれの調に合わせた専用の楽譜を使うのが一般的。
マイナスワンCD付ジャズ教材として有名な「Jamey Aebersold」も、C、E♭、B♭、ベース譜が入っていますね。これは、ギター、ピアノ、フルートなどはCの譜面、アルトサックスはE♭、 テナーサックス、トランペットはB♭の譜面を使用、と楽器ごとに使い分けるためです。
ただし、「Jamey Aebersold」のようにきめ細かく対応された譜面は稀でして。
今現在でも、世の中に流通している楽譜はピアノ用のものが圧倒的に多いのです。
演奏したい楽曲の譜面がピアノ譜しかない場合は、移調して使用せざるを得ませんでした。
しかし、そんな便利だと思われたC管ですが、複数人数で演奏する楽団などでは既に「B♭管」「E♭管」が定着していて、あまり普及しなかったようです。
そのためか、現在はほとんど見かけなくなってしまいました。
そんな、非常に珍しいサックスが、イシバシ渋谷WESTに入荷致しました!

【中古】Wurlitzer American C Melody Saxophone #13****
ブランド名は「Wurlitzer American」
サックスブランドとしてはあまり馴染みが無いかもしれません。
違う楽器をイメージされる方もいらっしゃるかと。
しかし、このルックスを見れば、サックス好きの方はこう思うでしょう。
「これって、アレじゃん!!!」




というわけで、皆さんがイメージされる「アレ」と比較。
Martin Hand Craft Model アルトサックスと並べてみました。

こうして並べると、外観や仕様が非常に似ていることが分かると思います。
ここからは推測の話になってしまいますが・・・
当時のメーカーが違うブランド名で 似ている(stencil)サックスを生産してたそうで。
おそらくこちらのCメロも、取引先の依頼か何かで生産されたものの1つではないかと。
MARTIN氏やBUESCHER氏はもともとCONNに勤めていた、というのも有名な話ですし、この中の何処かが生産していても不思議ではないかもしれません。



彫刻やネックの感じも、もう・・・ですよね。
というわけで、おそらく1920年代から30年代ごろのモデルであろうこのCメロ。
やはり、年代相応のダメージがございます。



U字管には凹み、ベルのインナーゴールド(おそらく)は色褪せています。
付属のエンドプラグも、この年季の入り方!


キィの感じも今のものとはかなり違う、古い時代のモノという感じ。
しかし、80?90年以上前のモデル、ということを考えれば、比較的良い状態ではないかと思います。
調整もしっかり行っておりますし、入手が難しいC管サックス用専用マウスピースも付属しておりますので、安心して演奏をお楽しみ頂けると思います。


ただし、付属のケースはかなりダメージ大です・・・ちなみにCONNのロゴ入り。




【中古】Wurlitzer American / C Melody Saxophone #13**** C管サックス
気になる方はお早めにどうぞ!