BESSONってイギリス製?フランス製?それとも・・・USA製?っていう話

BESSONってイギリス製?フランス製?それとも・・・USA製?っていう話

2021-01-20 こんにちは。

イシバシ楽器店渋谷EAST店の小林です。






今日のテーマはベッソンです。

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金管プレイヤーにとっては馴染み深いブランドですが・・・






みなさんお好きですか?

僕は好きです。





さて、ベッソンと言いますと、どんなイメージがありますか?





「ブリティッシュブラスで有名なイギリスのブランド」



「フランスのF.BESSONって聞いた事ある」



「ブージーアンドホークスの時代が好きです」





などなど・・・





色々な声が聞こえてきそうです。

しかし、なぜこんなにいろんな国の名前が出てきてしまうのでしょうか。




というか「・・・なんかブランド名が多くない?」と思った方もいるかと思います。




BESSONなのか

F.BESSONなのか

プイプイ アンド ナントカ なのか








今日はこのへんの話について、かんたんに解説したいなーと思います。


そして、最後の方にF.BESSON MEHAモデルについて触れておこうかなと思います。






さてさて本題に参りましょう。













まず、どこの国製かという話ですが



イギリス

フランス

アメリカ






これらはすべて正解です。

いろんな国で製造されてきました。





細かい年表はメーカーサイトに細かく乗っていますので省きますが

だいたいこんな感じです。






まずフランスでBESSONブランド誕生



フランス国内だけでは都合が悪くなり、イギリスに新規工場設立



イギリス工場はBESSONというブランド名に、元のフランス工房はF.BESSON(フォンテーヌ・ベッソン)にする

↓  その後、イギリスのBESSONは「コンペンセイティングシステム」を発明!凄い!



↓ この間、イギリスでもフランスでも楽器製造をがんばります。1930年ごろ、フランス製のMEHAモデルがアメリカに輸出され、

超大人気になります。



1945年ごろ、フランスの工場はフランスのケノンに、イギリスのBESSONはBoosey & Hawkesという会社に買われてしまいます。





1970年ごろ、ケノンに買収されていたフランスのF.BESSONの工場が火災で焼失。
(ベッソンのフランス工場と、かの有名なケノンの工場は隣に
あったので、ケノンも一緒に焼けてしまいました。)

フランスのF.BESSONの工場が火災にあってしまい、焼失。



1980年代ごろ、↑この火災で焼失した工場から発掘した、トランペットのベルの金型を使用した復刻モデルを発売。

製造は、USAのトランペット工房、カンスタルに依頼。(現代に出回っている復刻版メアモデルなどはこれです)



↓イギリスのBESSONはビュッフェクランポンに買収されます。



現代に至ります










かんたんに書くつもりが結構長くなってしまいましたね。

ポイントとしては・・・


1 最初はフランスから始まった

2 イギリスにも工場を作った

3 イギリス工場製は、コンペなどを使用したユーフォをはじめとする、ブリティッシュブラス系の楽器が大人気になり、フランス工場製のMEHAモデルはアメリカに輸出されて大人気になった。

4 最終的にはBESSONブランドは別の会社に買収されてしまいますが、現代にまで残る超有名ブランドに成長。





ベッソンとは、イギリスのブリティッシュブラスと根強い結びつきのある伝統的なブランドであり



アメリカのジャズシーンに多大な影響を与えたブランドでもあるのです。








さてここからはフランス製ベッソン・メアモデルに関するお話。

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実は、ベッソンのメアモデルがアメリカに渡るまでの間、アメリカには旧世代の楽器しかありませんでした。

(1920年製のC.G.CONNやKINGなどを画像検索してみて下さい)


こういうやつです。

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(カッコいいんですけどね・・・)



そして1930年代ごろにアメリカはジャズ黄金期に突入するものの、肝心の楽器が古臭いものばかり。
これでは理想の大きなサウンドが出せません。

そんな中、アメリカに渡ってきたF.BESSONのメアモデルは当時の需要にピッタリで理想的な設計だったんですね。



その後、1945年ごろフランスのベッソンは終了しますが・・・



そのころから台頭してくる超有名トランペットブランドがありますよね。







そう、ヴィンセント・バックです。

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現代のトランペットの超スタンダード、BACHの180ML。

トランペット界のストラディバリウスだとも言われた、その優れた楽器は突然生まれたわけではなく、

当時大ブレイクしたメアモデルをリスペクトした楽器だったりします。





そんなベッソンメアの復刻版ですが

今なら(2021/1/20)当店にも中古がございます。



メアモデル



BESSON一覧はこちら。





現代の感覚からすると、若干「軽すぎるかも」っていう人もいるかと思いますが

この軽めのボディから生まれる軽やかな音色は最高ですよ。

バリバリのクラシック系プレイヤーの方にはあまりお勧めしませんが(別に使っても良いと思いますが、やっぱり少し軽すぎる)

ジャズ系の方にはおすすめですよ~~!






あと、カンスタルはメアのついでに他のモデルも作ってまして

入門者向けのエントリークラスも作ってました。安い割に良いです。






< br>以上。「BESSONってイギリス製?フランス製?それとも・・・USA製?っていう話」でした。

またの更新をお楽しみに。





担当小林




KOBAYASHI