皆様、お世話になっております。
イシバシ楽器御茶ノ水本店 フェンダーフロアの東ヶ﨑でございます。
過去数回の投稿に渡り、Fender ギターの各シリーズについて解説をしてまいりました。
「全てを知った上で、ベストな一本を選びたい」という方は、以下の3つの記事を読破して頂ければ幸いです。



一方、ギターを弾きたいだけなのにブランドの勉強をしなければならないのは、やや億劫に感じる方も居られるのではないでしょうか。
「Fenderのことはいいからオススメのモデルを教えて欲しい」というご要望もあると思います。
今回はそのような方へ向けた記事となります。最短距離でベストチョイスまでご案内いたしますのでご安心ください。
ギターに詳しいお客様や楽器店員も、同じくスタート地点はプレイヤーとしての初期衝動だったはず。この機会に是非、ギターライフのスタートを切りましょう!

ギター選びに迷われるのは、「ギターに何を求めるか」が不明瞭であることが原因です。
圧倒的な演奏性?上質なサウンド?ルックスの華やかさ?
「どれもあったら良いけど、どれか一つには絞れない」というお考えを持つ方が、ギターが欲しい一方で、これだ!というモデルが決まらない方の典型かと存じます。
早速結論ですが、そのような状態に陥ったら、難しく考えず ”(Fender) Made in Japan” から新ギターをお選び下さい。
現状、「ベストなギター像」が鮮明に思い描けない大多数の方にとって、「日本製フェンダー」が最適解となります。

【FENDER Made in Japan Series】
「フェンダージャパンFender Japan」という名称で長年愛されてきた日本製のフェンダーギターは、2015年4月の代理店変更に伴いライセンスを失効し惜しくも楽器店から姿を消すこととなりました。しかし嬉しいことに同様スペックを踏襲したメイド・イン・ジャパン(Made in Japan)の国産シリーズが、なんと本家FENDERの新シリーズとして登場。それが「フェンダー メイド イン ジャパン シリーズ(Fender Made in Japan series)」です。
ストラトキャスターやテレキャスターのような王道定番モデルはもちろん、ジャズマスター、ジャガー、ムスタングといったブランドを彩る各種モデル、またジャズベース、プレシジョンベース等のエレキベースも様々なバリエーションをそろえているのが嬉しいところです。日本製ならではの精巧なクオリティ、復刻プロダクトには心憎いばかりの細かいデザイン配慮がなされております。これからギターを始めようという初心者の方はもちろん、既に多くのモデルを所有されているヴェテランプレーヤーの方にもご満足いただけるハイクオリティシリーズ。大変おすすめです!
この記事の本旨は「迷ったら Fender MIJ (Made in Japan)」というごくシンプルなものとなります。
極論、これだけ頭に入れていただき、あとは店頭でご予算とご自身の直感に従ってお選びいただくのが最速です。
それではここから、「なぜ “Fender Made in Japan” なのか」という部分をお話しいたします。
その根拠をひとことで申し上げると「バランスの良さ」という表現に尽きます。
「ギターに何を求めるか」という問題に対して、先に挙げたような具体的特性(演奏性・サウンド・ルックスなど)ではなく「ギターそのもののバランスの良さ」や「楽器としての総合力」を判断基準としてお選びいただくのはどうか、というご提案でございます。ギタリストとしてのこだわりや個性は後からついてくるものですので、堅くならずお気軽にご検討くださいませ。
①各シリーズの方向性
Fender MIJ (Made in Japan) を区分けする最も大きなカテゴライズはやはり「シリーズ」です。
以前の投稿でご案内した通り、現在 MIJ ラインは “Junior Collection” “Traditional (II)” ”Hybrid II” “Heritage” の4シリーズで展開中です。
そのうち、“Junior Collection” と “Heritage” はやや特殊な位置付けとなり、メインとなるのは“Traditional ” と ”Hybrid II” の2シリーズです。


“Traditional”は日本製フェンダーの中でも最有力候補と見なされる人気シリーズです。
お安いものだと13万円を切りますが、じわじわと楽器価格高騰の影響を受けているのが実情です。
平均すると15万円前後となる価格帯です。
コンスタントに限定モデル(限定カラー)の解禁があり、その合計モデル数は50を裕に超える定番シリーズでございます。
“フェンダーの伝統的な楽器製作の美学と日本の洗練されたクラフトマンシップを融合することで導き出されたMade in Japan Traditionalシリーズ。フェンダーの正統なDNAが、確かなMade in Japanクオリティで蘇ります。”
標準仕様としてバスウッドボディが採用され、それをグロスのポリフィニッシュで仕上げています。
細めに設計されたナット幅は日本のプレイヤ ーにも弾きやすい仕様となっています。
堅実なギタークラフトマンシップと、プレイヤーのニーズに柔軟に対応する答えが、本シリーズに反映されています。
その他、豊富なカラーバリエーションや比較的優しめな売価設定と、プレイヤーに寄り添うためのバランスの良さが魅力です。
同じく日本製のヴィンテージ系シリーズ、 “Heritage” とは異なるアプローチで本格的なフェンダーギターの伝統を継承する役割を担います。



“Hybrid II” についても特筆すべきは汎用性やギターとしてのトータルバランスです。
各モデルのトラッドな外見は維持したまま、ロックペグやネックのサテンフィニッシュ、エレクトロニクスの拡張機能を備えた超人気シリーズでございます。“Hybrid”の由来はここにあるのです。
MIJラインでは頻繁にリミテッドモデルが展開されます。それらは “Hybrid II” を基盤としてつくられることが多く、人気モデルは度々復刻があります。長い間プレイヤーに注目され続けている印象がございます。
“Hybrid II”と “Traditional” の両シリーズの価格帯は15万円前後となります。1、2本目のギターに掛けるコストとして、この金額はどう感じられるでしょうか。
少なくとも、それなりのモチベーションや本格的なギターが欲しいという願望があるプレイヤーにとって、「高すぎる」とは思わせないラインかなと、個人的には思います。
いずれにせよ音楽という趣味はお金がかかるものです。ミニマムスタートはとても重要な考え方と思います。
一方、本格的にギターにハマって物足りなく感じ、すぐ良いギターへ乗り換えるならば、最初からある程度クオリティが高いギターを買ってしまった方が最終的にお得だとも、常々感じております。
ゆくゆくは個性的・特徴的なモデルも欲しくなるかもしれませんが、その時が来ても日本製 Fender は万能機として持っておいて損はないでしょう。
②オプションの豊富さ
先ほどの項や以前の記事でご案内しているとおり、まず日本製フェンダーには “Junior Collection”“Traditional” ”Hybrid II” “Heritage” の4シリーズがございます。
そこからさらにストラトやテレキャス、ジャズマスターといった機種がそれぞれ展開されます。この時点で相当な数の組み合わせが想定されますが、そこからカラーや指板材という選択肢が加わります。
“Traditional”や“Heritage”といったヴィンテージ系シリーズには、年式ごとのモデル展開があります。
”Hybrid II”では、豊富なカラーバリエーションや特殊な仕様(ボディ材やPU構成の変更など)が存在します。
“Junior Collection” については、”Hybrid II”には及ばないながらも多数のカラーや、展開が少ない<サテン仕様ボディ×パステルカラー>といった類を見ないオプションの多様さがございます。
所謂「ミニギター」ほど極端には小さくなく、女性の方やサブ機でショートスケールのフェンダーモデルが欲しい方からも人気です。

これらに加え、“Traditional ” と ”Hybrid II” の2シリーズでは、イシバシ楽器限定独占販売のFSRモデルや弊社スタッフが考案したオーダーモデルの”ISHIBASHI FSR”もございます。様々な方向性のシリーズが広く展開されていることがお分かりいただけたかと思います。品揃えにおいてもバランスが取れているMIJラインは、ご検討の際に同じ基準で比較が出来ます。モデルをチョイスするにあたって、日本製フェンダーは是非ご注目いただきたいです。
③価格とコストパフォーマンス
「良いギターとは何か」という漠然とした問題の答えは、「演奏性」「サウンド」「ルックス」など幾つかの尺度や評価軸から決定されます。そして当然ながら、高額なギターであるほどその水準は高くなります。
加えて、この傾向をもう少し細かく分析すると見えてくるものがあります。
まずここでは分かりやすくするために、そのギターの金額(価格帯)を【コスト】、そのギターの「良さ」を表す尺度(演奏性・サウンド・ルックスなど)をまとめて【クオリティ】と表現します。
ギターを【コスト】と【クオリティ】の2軸で捉えると、上述の通り高額なものほど高水準であり、「【コスト】が上がる→【クオリティ】が上がる」という正の相関関係が成立していることがお分かりいただけます。ここで触れたいポイントは、その相関が単純な正比例ではない点です。
分かりやすいように図示すると、ギターの【コスト】と【クオリティ】の関係は以下のようになります。

上のグラフを見ながら、次の2つの場合を考えてみてください。
①5万円のギターから15万円のギターに乗り換える
②105万円のギターから115万円のギターに乗り換える
いずれも【コスト】にして「10万円」分のアップグレードですが、ギターの【クオリティ】の「上がり幅」どうでしょうか。
【クオリティ】の「上がり幅」がより大きいのは①の場合だとお分かりになるはずです。
グラフなどをつけてしまいましたが、これは難しい話ではなく直感やイメージでも捉えていただけます。
ギターの【コスト】と【クオリティ】において、「【コスト】が上がる→【クオリティ】が上がる(=正の相関関係がある)」ということに相違はありませんが、一定量の(追加)投資に対するその「上がり幅」は、価格帯によって大きく差が出ます。
上の2つの場合を例に考えてみます。
①のように【コスト】が5万円のギターから15万円のギターに持ち替えた時は著しい【クオリティ】の向上を感じられるでしょう。
一方で②のように105万円のギターに慣れた方が115万円のギターに触れたとしても、全く別次元の【クオリティ】とは感じないと推測されます。少なくとも①の場合よりは僅かな違いだと思われるでしょう。

同じ「10万円」でも、【コスト】全体に対する比率が異なるので、それによる【クオリティ】向上の効果にも違いが出ます。
詰まるところ、楽器を購入するための割く【コスト】(ご予算・お金)の大きさやその増加が、購入するギターの【クオリティ】向上に寄与する効率は、高価格帯になるにつれ徐々に下がっていくということです。
言い換えれば、「ギターに対する出費」が効果的に「ギターの良さ」として還元されるような、 ”オイシイ“ゾーンと、その(追加)投資に対するバック(コスト増に対するクオリティ増)が薄くなっていくゾーンがあると言えます。
ここまで説明すると話が見えてくる方も出てくるかと思います。
前者の【コスト】→【クオリティ】の還元効率が高い「オイシイゾーン」の最高位に、ちょうど “Fender Made in Japan” が属しているというお話です。
一定のグレードまでは、ギターの価格帯が上がればそのギターの良さも、その分(あるいはそれ以上に)上がります。
しかしそれは青天井ではなく、ある程度のクラスからギターとしての【クオリティ】は頭打ちになっていくということは、感覚としてお分かりいただけると思います。
そのポイントに位置するのが「フェンダーの日本製ライン」であることが、本項でのご案内でした。
我々やプレイヤーの方がよく口にする「日本製はコスパが良い」という意見は、このような事情に裏打ちされたものと、ご理解いただければ幸いです。

今回のご案内は以上です!
よろしければこの機会に定番ブランドの Fender MIJ をご自身のものにしてみませんか?
店頭では詳細なスペックや各シリーズの特徴のご案内もさせていただきます。ぜひ イシバシ楽器 御茶ノ水本店 フェンダーフロア へお立ち寄りください。
引き続きよろしくお願いいたします。
担当:東ヶ﨑
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