皆さんこんにちは!御茶ノ水本店ベースフロア担当のウスイでございます!
さてお久しぶりのPick Up Vintage第三回でございます!長ったらしい前置はありません!そんなことより見てほしい一本です!
今回ご紹介するのはこちら!
FENDER USA / Precision Bass Sunburst 1966

¥2,280,000
ビジュアルだけですでに圧巻、見ているだけでご飯が進みそうなこちらは1966年製のプレシジョン・ベースでございます!
もはや説明不要、エレキベース界の先駆者Fenderが製作したプレシジョン・ベース。本機はそんなFenderがCBSに買収された直後の1966年製です。
アルダーボディにメイプルネック、ハカランダ指板というマテリアル。当然ラッカー塗装が施されており、各所に見られる「本物」のエイジングがその存在感を際立たせます。特にピックアップ付近の凹凸を見て震えない愛好家はいないのではないでしょうか。また60年代中盤にしては珍しいといっていいほどの黒い部分が幅広い特徴的なサンバーストや、現代ではまず見ない柄のピックガードなどビジュアルだけで触れる部分が多すぎて困ってしまいますね。



ボディの随所に使用によるエイジングが見られます。
そして本機の年代を証明するネックデイトは「5 AUG 66 C」。有識者の方であればご存知かもしれませんが、頭文字の「5」は当時のプレシジョンベースの型番。(ジャズベースの場合は「7」となります)次に「AUG」は「AUGUST(8月)」。そして「66」は「1966年製」の意。最後の「C」はナット幅を指しています。この時期のナット幅はA~Dまでのサイズ表記が存在し、Aが「38.1mm」、Bが「41.275mm」、Cが「44.45mm」、Dが「47.625mm」となっており、今回のCはプレシジョンベースの標準サイズとなっています。(ジャズ・ベースの標準ナット幅はAです。最近は市場にA表記のプレシジョンベースが登場して話題になりましたね)個人的には読むだけであればこの時期のネックデイトが一番わかり易いのでは…と感じています。



ネックジョイント内部です。トラスロッドの効きも問題なく、素晴らしいネックコンディションです。
(余談ですが、今回入荷した本機の詳細を調べるにあたって1966年製のプレベを一通り軽く調べてみました。すると異常に本機と同じネックデイト「5 AUG 66 C」の個体が多かったように感じます。もちろん私が見落としているだけの可能性もありますし、そもそも確認できた個体数が少ないのでなんとも言えませんが、偶然1966年8月製のものが市場に多く出回っているだけなのか、この時期だけ生産数が多かったのかは謎のままです。)
さて本題に戻りましょう。続いてはポットデイトですが、ボリューム側は「304 66 18」と記載があり、トーン側はほとんどがハンダで隠れてしまっていますが最後の一文字が恐らく「8」であることが確認でき、改造の痕なども見られないことからオリジナルであると判断いたしました。「304」は当時ポットのを製作していた「スタックポール社製」の意、「66」はネックデイトと同じく「1966年製」を指し、「18」はその年の18周目に製作されたことをそれぞれ指しています。ちなみに最前の製作社を表す数字ですが、他にもいくつか存在が確認されておりまして、「137」はCTS社製。「134」はCentrelab社製。「106」がAllen Bradley社製となっています。私自身は今回のスタックポール社製のものしか触ったことがありませんので他社製とのサウンドの比較は難しいものにはなってしまいますが、いつかビンテージ品を集めて弾き比べなんてしてみたいものですね。



PG裏です。ボディの焼け方やPGに押されているスタンプなど見どころ満載です。
そしてサウンド。どう文章で表現するか迷いましたが、まずサウンド面においてこれほど完成度の高いプレシジョンベースを初めて見ました。Fenderの現行モデルやCustom Shop、大手海外メーカーや国内外で評価の高い国産メーカーなど数多のベースを弾いてきましたが、そのどれとも違うクオリティの高さを肌で感じることができました。ここで言う「完成度」「クオリティ」とは使用されているパーツやマテリアルのことではなく、ベース本体の熟練度とでもいいましょうか。何十年と弾き込まれてきたが故の鳴りの良さは筆舌に尽くしがたいものがあります。中にはヴィンテージ品の鳴りを再現しようというコンセプトの商品もございますし、実際それらは非常にクオリティが高くどれもオススメできる一本であることは間違いありません。しかしながら完全に再現することは困難を極めることを再認識いたしました。
要するに本機のようなヴィンテージ品に比べると、現行品はどうしても「若い」のでしょう。もちろん今後の育ち方、伸びしろが未知数であることは非常に魅力的で素晴らしいことです。経過年数によって優劣が決まるわけではありません。しかしながら成熟と言っていいほどに鳴らされたベースの響きは唯一無二。そう簡単に得られるものではないことを雄弁に語ってくれています。
低音の圧力、ミドルのコシ、高音の抜けの良さ。鳴りだけでなく各音域の均整の取れたサウンドは一般的なプレシジョンベースのイメージとはかけ離れた表現力を持っています。手にするプレイヤーによるピッキングの違いや表現によって、幾重ものサウンドバリエーションを生み出す千両役者ぶりには驚嘆の声を上げずにはいられません。

左は前回ご紹介したCustomShopの66年モデル。奇しくも66年モデルと66年製が揃い踏みを果たしました。
さていかがでしたでしょうか!一度お手にとっていただければ「ヴィンテージは沼」という格言の意味を痛感できる逸品であることは間違いないでしょう…!
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