店長の 今日のお勧めの一枚 Vol.4 Four & More / Miles Davis(1964)

ロックが続きましたので、好きなJAZZ名盤もお勧めさせて頂きます。
今回ご紹介させて頂くのはライブレコーディングとして白熱するインプロビゼーション(即興演奏)が楽しめる
マイルス・デイヴィスの「Four & More」
マイルスの名盤『マイ・ファニー・バレンタイン』が同じ日の1964年2月2日に行われたので相対する一枚となっております。
マイファニーがバラード的な解釈が多い中このFour & Moreはもうこれ以上ない位の熱いアップテンポ。
もうそれは喧嘩腰ですか?みたいなテンポ設定。

またこのアルバム一番凄まじく神がかっているいるはドラムのトミーウィリアムズであり、なんと当時18歳!という若さ溢れる怖いもの知らずのドラミングでガンガンマイルスに仕掛けている演奏は圧巻。(なんですか・・・あのハイハットは・・・・!)
またピアノのハービーハンコックのピアノも楔の様に随所にドラムと会話する伴奏やインプロ(即興演奏)とは思えない様な発想力と破壊。
サックスのコールマンもマイルスに触発されたリリカルで情熱的なソロを展開。
ベテランロンカーターがグッと全体を支えてその上でマイルスが一心不乱にあのトランペットを響かるという名盤になっております。
このライブレコーディングは「黒人地位向上のために行った慈善ライブ」でありメンバーが全員ライブ前にこの演奏はノーギャラですとマイルスから伝えられたそうです。
マイルス・デイヴィスの自伝を読んでも伝わりますが、
この方は終始一貫して既存の価値観の破壊と創造をされた方だと思います。(音楽的見解は勿論、人種差別に関しても)
彼の口癖として SO WHAT (だから何だ?)というものがあり、またこのアルバムでも1曲目に演奏されますが、名盤Kind of BlueのSO WHATとは
全く違っており、メンバー同士の触発、インプロビゼーションでここまで同じ曲が変わるのかというところも非常にジャズらしいところかと思います。
個人的にはマイルスはパンクスやなという結論になっておりますが。。。(笑)

このFour & Moreはこのメンバーでしか成しえない刹那的な美しさとその瞬間のパッションが凝縮されておりますので、「ジャズ苦手やなー」という方にも一度聴いてほしいアルバムです
また当時のアメリカの社会情勢、1960年代のアメリカ合衆国は街頭抗議、デモ、暴動、社会不安、反戦抗議、および文化の変革で特徴があるのも予備知識で知っておくとより味わい深いものになる気がします。
最後はちょっと小難しかったのですが、
ジャズを聴く方が少なくなっている?現代、これをきっかけにジャズが好きな方が増えたら嬉しいなと思っております。
今日の店長のお勧め一枚でしたー。
Miles Davis (tp)
George Coleman (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)