今日のお勧めの一枚は
Nirvana /Live And Loud (1993)

こちらは1993年に米ワシントン州シアトルで行なったライヴアルバム(レコードになったのは最近ですね。。。)
NIRVANAを知らない世代の方にもご説明すると1990年代を代表するバンドであり、
「グランジオルタナティブ」という一つのジャンルとしてシーンを圧巻。
その代表的バンドがNIRVANAになります。

90年代以前の音楽業界は80年代にマイケルジャクソンのスリラー、製作費に50万ドルをかけたMTVでの成功を受け、高級機材、高額なプロモーション費用がたれ流される成金主義へ移行していきます。
そんな中、シーンへの強烈なカウンターカルチャーとしてグランジ(汚い)ロックは洗練された音楽とは真逆の当時ロックンロールが持つ若さ故の初期衝動や破壊衝動、自身への葛藤、その生々しさを持って当時の若者に受け入れられていきました。
僕自身はどちらか言えば後追いでNIRVANAのMTVアンプラグドから聴いており、当時人気絶頂だった椎名林檎の歌詞にも「だってカートみたいだから~」って引用されたりしたので、そこから入った方も同世代では多いかもしれませんね。(学祭でやってたな。。。)

ムーブメントのカリスマとして活動してたNIRVANAのフロントマンであるカートコバーンは残念ながら、このライブの1年後、1994年にショットガンで自殺(享年27歳)
苦しくもロックミュージシャンは27歳で死ぬという27クラブを4半世紀ぶりに決定づけました。

このLive And Loudは1993年、まさに活動停止ギリギリのライブ演奏であり、(カートコバーンも色々な意味でギリギリ(ヘロイン中毒)ですが)
当時90年代、時代が抱える混沌や焦燥感が色濃く反映したフィードバックノイズと美しさが入り混じった正に鬼気迫る素晴らしい演奏になっております。
後にFooFightersで成功を収めるデイブグロールのパワー感満載のドラミング、クリス・ノヴォセリックの重たいベース音、
サポートギタリストPat Smearのギターも最高に狂っていており、
ヴォーカルカートコバーンの轟音とフィードバックの中にある素晴らしいメロディセンスがバンド史上最高のパフォーマンスを発揮した名盤であると思います。

ギタリストあるあるで良く「好きなギタリストは?」という問いがあると思いますが、
個人的にはカートコバーンはめっちゃ好きなギタリストの一人です。(ギターボーカルなので純粋なギタリストではないですが)
このアルバムの冒頭「Radio Friendly Unit Shifter」のイントロのノイズフィードバックで既に個人的には泣きそうになりますが、フィードバックで泣きそうになるギタリストは中々いません。
彼の佇まいやギターと湧き上がる衝動と歌が渾然一体となった姿はやはり時代の寵児だったのでしょう。
選曲はアルバム「インユーテロ」からがメインですが、
デヴィッド・ボウイの「世界を売った男」がカバーされていたりと
個人的にNIRVANAのベストアクトと呼ぶに相応しい完成度の高い一枚になっております。
一つの時代を捉えたバンドNIRVANA
多くのフォロワーを生み出しましたが、やはりNIRVANAの存在は唯一無二であり、
ロックンロールにある衝動、幼さ故の暴走、混乱と焦燥を一つの作品として昇華出来た稀有なバンドと個人的には思っています。
(当然というか必然として永続は出来ませんでしたが)
あの超有名曲「スメルズライクティーンスピリッツ」しか聴いたことないかなー?という方は
是非このバンドの足跡を追ってみるのも面白いかもしれません。

イシバシ楽器心斎橋店2Fはなんとレコードスペースがございますので、アコギを見られるついでに是非お立ち寄り下さいませ

皆様のお気に入りの一枚も教えて頂ければ幸いです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
店長のお勧めの一枚でしたー。