【レジェンダリーな俺たち Vol.11】

幻がもはや夢じゃなくなる、、、
そんなオアシスを目指すシリーズ

【レジェンダリーな俺たち】

11回目は、この一本以外個人的にはネットでも見たことがないジャパンヴィンテージのご紹介。

YAMAHA F-90

その昔むかーし、赤ラベルの愛称で親しまれた(おそらく)国産初の真っ当なアコギとしてFG-180とFG-150が産声をあげました。
しかし、それより僅か数ヶ月前に試作機レベルとして同モデルの赤ラベルでない個体、通称ライトグリーンラベルという個体が存在していました。
「ライト」とわざわざ付けるのは後発の色の濃いグリーンラベルと区別する意味合いがあると想像します。
後追いのネーミングという事でよいでしょう。

このライトグリーンラベル、希少価値もさることながら、初期赤ラベルまでは作り、鳴りが良かったという評判が多く、実際手にとって弾いてみるとたしかにそう感じます。
何がどう違うのか?同時に2本同じようなセッティングの個体を並べたことがないので断定はできませんが、おそらくは合板材でもその「厚み」の差ではないかと考えます。
とにかく初期FGの合板Topは驚くほど薄く感じます。
ここが一つミソで、単板なら一定の厚みを稼がないといとも簡単に割れてしまう、ブリッジが持ち上がる、など、強度面での不安がつきまといます。
適度な厚みを維持していても種々トラブル管理が大変な事は周知かと思います。

何でもかんでも合板なら丈夫、という訳でもないと思います。
YAMAHAの卓越した技術があってこその強度を維持した極薄合板ゆえの響きの凄さがそこにあると思います。

通称「平体ロゴ」と呼ばれるヘッド。

カバ材のエンドピンなどの特徴はライトグリーンラベル共通の特徴です。

さて、ひとえにライトグリーンラベル物、と言っても極々一部に単板モデルがあると言われているのが通説です。
しかしながら現物はもちろん、画像でもその存在を確認できた事はありません、、、
「一部のプロにだけ渡ってあまりの良さに放出されない」
「アコギの本場アメリカへの輸出も視野に入れ作製されたが板割れが多く単板仕様を断念した」
など、諸説ありますが、単板の存在自体が都市伝説化しています、、、

その中更にミステリーへ引き込むのがこの「F-90」
「FG」ではなく「F」、、、FG-180にも同様に「F-110」というライトグリーンラベルの存在があります。
当店では過去F-110も手にした事がありますが、F-90もいずれも合板、、、
単板神話はますます謎が深まるばかりです。

音は間違いなく轟音です。
しかしいずれもオール単板の上品な響き方ではなく、雑味も含めとにかく鳴る!という印象が強い極薄合板で組み上げた個体と考えます。
現在はわざわざ同スペックで作成したところでコストはオール単板と変わらない(それ以上?)と予想されるので、オール合板の良ギターというのは実は発売当初で既に最後だったのかも知れません、、、

また同時期にSUZUKIが激似のFG-180タイプを販売しており、なんと工場自体もお隣さんレベルだったという情報を、過去に書いたブログつてで情報提供頂きました。
大量生産の時代で、今より緩~い古き良き時代ですから色んな事があってもおかしくないのかなぁ、と、、、、、、

店舗情報

イシバシ楽器心斎橋店

SHINSAIBASHI STORE

〒542-0086

大阪府大阪市中央区西心斎橋1-9-13 AH御堂清水町ビル 1F / 2F

TEL:06-6241-1484

営業時間:12:00 ~ 20:00

アクセス:【市営地下鉄】心斎橋駅 出口7 [心斎橋OPA出口] (徒歩3分)

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