アンプ・エフェクターフロア担当:米村でございます!
FREE THE TONEのディレイ、FT-2YとFF-1Yが揃って入荷しました!!

どちらも高音質かつ多機能ですげーデジタルディレイなのですが、
一体どういった機能が備わっているのか?これらの違いはなんなのか?
そもそもツマミ少ないけどどうやって操作するのか?など
初めて見る方には何がどうすげーのか伝わりづらいかなと感じます。
そこで膨らむばかりの疑問を順番に紐解いていこうと思います。
・FLIGHT TIME FT-2Y

2016年に生産完了となった前作FT-1Yの後継機種で、
2017年5月に発売。FLIGHT TIMEの特徴としては、
世界初のリアルタイムBPMアナライザー機能とディレイタイム・オフセット機能が
搭載されていることが挙げられます。
リアルタイムBPMアナライザー機能はタップテンポ使用時に演奏をリアルタイムで解析し、
±20%の範囲でBPMを自動調整しディレイタイムを再設定してくれるものです。
またディレイタイム・オフセット機能はBPMとあえて少しずらしたディレイタイムを設定することで、
スピーディーな雰囲気を出したり、逆にタメて深みを加えたりと
より音楽的な表現に優れた機能になっております。
前置きはこれぐらいにしまして、本体を見ていきます。

上部。付属のDC12Vセンターマイナスで駆動します。
モノラルIN/OUT、MIDI IN/OUT(THRU)とドライ音を切り替えるスイッチに、
HOLD(REC)という端子が。これはアンラッチタイプのスイッチを取り付けることで
ディレイ音のホールド及び20秒間のループを作ることが可能になります。
KILL DRYはONにすると原音が消えます。センドリターンに通すのに有効ですね。

側面。スラント筐体になってます。
奥まったところにスイッチがありますがこれはINPUT LEVELの切替を行なうもので、
ギター、ベースなどは向かって右(INST)に、シンセなどは左(LINE)に切り替えることで
最適なディレイ音を得ることが出来ます。

左半分。
左上のインジケーターはDELAY、FEEDBACK、OUTの設定を表示及び編集するもので、
LED右のボタンを押すことで各パラメータの調整が可能になっております。操作は後述します。
真ん中上はLPF(ローパスフィルター)、HPF(ハイパスフィルター)でディレイの音色調整、
RATE、DEPTHでモジュレーション機能の調整を行ないます。
中央左はプリセットの切替、その下の3つはそれぞれ
TRAIL(OFF時ディレイ音を残すか残さないか)、REC&REPEAT(ループ機能)、
DELAY PHASE(ディレイ音の位相切替)になっております。
ど真ん中はディレイタイムの設定。BPMかmsecか表記を選択できます。
その下にはBPM ANALYZER機能のスイッチ、BPM解析用のマイクがあります。

右半分。
SUBDIVISIONではディレイの音符(付点4分、2拍3連など)の設定、
OFFSETでは+/-99msecの範囲でディレイタイムをずらすことが出来、
勢いのあるディレイにしたり、ゆったりと感情豊かな表現のディレイを作ることができます。
その下のINC/+、DEC/-スイッチは各パラメータの調整に使用し、
右のSAVEでプリセットの登録、ENTERはパラメータの確定に使用します。
最下部はタップテンポスイッチで、ホールドするとプリセット1or2への切替が可能です。
肝心の操作方法ですが言葉では伝わりづらいので…

こいつを押すとDELAY、FEEDBACK、OUTが選択でき
対応したパラメータの数値がインジケータに表示され、点滅します。
この表示だとDELAYの音量が33になってます。

数値の点滅中にこのINC/+を押すと数字が増え、DEC/-を押すと数字が減り、
ENTERを押すとパラメータが確定します。
このときプリセットナンバー右下にドットが点灯しますが、
これはプリセットからパラメータの変更を行なったことを表しており
このままSAVEして保存するとドットは消灯します。
というわけでFLIGHT TIMEではツマミを一切廃し、
各パラメータを全てボタン操作で行なう形になってます。
ツマミ操作の方が直感的で扱い易い反面
衝撃で動いたり正確な値が不明な分その都度セッティングが必要ですが、
こちらはありとあらゆる設定を数値化して保存出来るので管理がラクですね。
・FUTURE FACTORY FF-1Y

2019年2月に発売、「新たなサウンドの創造」を掲げて開発されたFF-1Yは、
世界初RANDOM FLUCTUATING PHASE MODULATION(ゆらぎモジュレーション)機能を
搭載したデジタルディレイとなっております。公式の説明を拝借しますと
“一般的にモジュレーション機能に使うLFO(低周波発信器)の位相は、
設定された周期で規則性をもって変化します。FUTURE FACTORYでは、
信号が一定の減衰レベルを通過した際、ランダムに位相が変化する独自の方式で
モジュレーションサウンドを作り出す事に成功しました。これにより、音が揺らめきながら
浮き上がり、空間を埋め尽くす様なこれまでに無かったサウンドを創り出します。
(ステレオモードで使用した時、この機能は最も効果を発揮します)”
従来のものとは違っており、減衰時ランダムに変化することで
独特の揺らぎを生成する、といった感じだと思います。
ランダムな変化ってサラッと書いてますけどめちゃめちゃ演算とか難しそうですね。。。
長くなりましたが本体を見ていきます。

上部。ステレオIN/OUTにMIDIのIN/OUTがスイッチ切替になっております。
EXTには外部エクスプレッションペダルを追加することで
リアルタイムにパラメータを変化させることが出来るようになります。

側面。FT-2Y同様INSTとLINE入力の切替が可能になってます。
こっちはストレートな筐体ですね。
FLIGHT TIMEは主に足元で使われることを想定してスラント、
FUTURE FACTORYは手元、卓上に置いて使われることを想定してストレート、
という差別化を図っているのでしょうか。設計思想が知りたい。

左半分。設定項目多っ!!順番にいきます。
左上はMIXレベル調整、FEEDBACK量調整ノブですが、
別のパラメータを任意に割り当てることが可能になっております。
EXT1,2と書かれているのはそのためですね。
その隣のDEPTH、SPEEDは
ステレオでの接続時はパンニングの深さ及び速度、
シリーズでの接続時はトレモロの深さ及び速度を調整できます。
ステレオはともかく、シリーズとは一体…?となるのですが
実はFUTURE FACTORYには2台のディレイが内蔵されておりまして、
2台のディレイを並列(ステレオ)で出力するか
直列(シリーズ)で出力するかを選択することができます。
説明が飛びますが左下のSTEREO、SERIESというLEDがそれに当たりますね。
ステレオの際には広がりある揺らぎを、
シリーズの際には複雑なデュアルディレイを構築することが可能です。
戻りまして右の
DEPTH、RATE、RFPMはディレイのモジュレーションを設定します。
深さ、速度、そして目玉のRandom Fluctuating Phase Modulation機能ですね。
RFPMはON/OFFの切替になるんですが、
ONにすると不規則に揺らぎが浮いたり沈んだりを起こしまして
何と言うんでしょう…ここではないどこかへ連れ去ってくれるような…
ホントにこれまでのモジュレーションディレイとは異なる空間作りをしてくれます。
是非試してみて欲しいです。
下に降りてSOFT CLIPPINGという項目。
これはディレイ音にクリッピング、すなわち歪みを加えることができ、
ヴィンテージディレイのような質感を与える事が可能です。
歪みを加えてローファイ感を演出っていう機能、良いですね。
隣のSTANDBYでは内蔵している2台のディレイを
片方だけ出力したいときに使います。
FUNCのS.DIVはSubdivision、すなわちディレイの音符の設定、
TRAILはOFF時の残響を残すか残さないかの設定を行ないます。
その隣のOUTPUTでは、
MIXはミックスレベル、OUTは出力レベルの調整、
DRYでは原音のON/OFFを設定します。
FLIGHT TIMEの本体上部にあったKILL DRYスイッチですね。
あとOUTPUTスイッチを2秒間長押しすると位相の設定ができます。
その下のディスプレイでは
BPMかmsec表記の切替、PSで現在のプリセット番号を表示します。
FLIGHT TIMEは各パラメータごとにインジケータが備わってましたが、
FUTURE FACTORYにはインジケータが一つしかないため
パラメータをいじるときは全部ここに表示されるようになってます。

右半分。
EQではディレイ音のイコライジングを設定します。
上からTREB(高域)、MID(中域)、BASS(低域)の順番で、
またEQスイッチを長押しすることで各EQの周波数ポイントを調整できます。
右のPARAMETERノブはFLIGHT TIMEでいうINC/+、DEC/-スイッチですね。
パラメータの調整方法については後述します。
DLYは基本的なディレイの設定ですね。
D.TIMEで時間、FBでフィードバック量、TONEで音色の調整を行ないます。
その右SELスイッチでは2台のディレイ各々で設定を変えたいときに
切り替えるためのスイッチです。Aだけ、Bだけを変更したいときは
該当のLEDを点灯させればOKです。両方点灯時はどちらも変更されます。
その下PRESETスイッチはプリセット呼び出しに使います。
TAP TEMPOではA、Bどちらにタップテンポを適用するか選択できます。
選択しているディレイの速度で緑LEDが点滅します。
SAVEは設定の保存時に押します。
一番下、スイッチが見切れているのですが
プリセット切替及びタップテンポスイッチになっておりまして、
長押しするとプリセット1-4を順に切替、
二度押しするとその速さでディレイタイムを変更します。
続きまして操作方法を…

FLIGHT TIMEと同様ボタンを押して各パラメータを選択、
真ん中ディスプレイの数値が対応したパラメータの値で点滅しますので

右上のPARAMETERノブを回して数値を変更、SAVEで保存します。

とFT-2Y、FF-1Yの各パラメータ、操作方法を紹介させていただきましたが
書き連ねた印象としては
プレイング目線での追求を重ねたのがFT-2Y、
サウンドクリエイト目線での追求を重ねたのがFF-1Yと感じました。
ディレイ音の走った感じやもたった感じという、ツマミで何となくでしか演出しなかったものを
数値化することで具体的に表情として付加出来るのはFT-2Yならでは。
その上演奏に合わせてBPM検知してくれるのも現場ではありがたい機能ですね。
対してFF-1Yはデジタルディレイ上でサウンドメイキング出来うる限りの機能を
詰め込んだモデル。RFモジュレーションも勿論ですが
クリッピング回路を足してアナログ的な飽和感を演出できたり
デュアルディレイで複雑なパターンを組んだりと
どちらも優れた個性を持ち、一台導入しただけで音楽表現の幅を広げてくれる、
“音楽全体を捉え、総合的アプローチによって設計を行っている”
FREE THE TONEならではの視点、プロダクトだなと感じました。
以上、長々文お付き合いいただきありがとうございました。
両機種とも店頭在庫ございますので、
是非店頭にてお試しいただければ幸いです。
皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
それでは!!
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