Roland/BOSS工場見学へ行ってまいりました!!

いつもイシバシ楽器梅田店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます!

エフェクターフロア担当:米村でございます!

去る11月16日、浜松に行ってまいりました!

何故唐突に浜松へ、と言いますと…



そう、ローランド/ボスの工場、研究所を見学させていただきました!ワー!

この度はご多忙の中研修を組んでいただき、ローランド/ボスの皆様へこの場を借りて御礼申し上げます。

どれも濃い内容で、ボリュームが凄いので順を追って説明します。



○工場見学



まずBOSSブランドの技WAZA CRAFTシリーズ、Rolandブランドの電子ドラムやピアノ、デジタル製品の組立を行なう工場を見学しました。

話を聞いてまず驚いたのは、パーツの入出庫にITシステムを導入していること。

パーツの入荷、保管場所からピッキングに至るまでバーコードで読み込み管理をすることで

作業ミス防止や効率的なピッキングルートの構築を実現しているとのことでした。

またライン生産ではなくセル生産という全ての組立を一人で行なう方式を採用し、

新製品や急な需要など生産の変動に応じて納期を調整できるようになっていました。



うわー!MT-2W MetalZoneの踏むとこ!!



こっちはTU-3W Chromatic Tunerだ!!



組み上げ行程見させてもらったのですが色々と衝撃で

写真の6つ並んだ水色のカゴに組み上げパーツが入っており、

右側のモニターからどのパーツを何個取ってくださいと指示が出るんですが

違うカゴから取ろうとするとセンサーが反応し、音とランプで間違いを防止します。

またネジを取り付ける際にも電動ドライバーにセンサーが内蔵されており

適正なトルクがかかった時点で正常な取付けとカウントされるようになってました。

更には取付け時の注意事項などが各画面で表出されていて、

過去の事例や不良があった際に指示書が変わるため

週単位でなにかしら更新されて、さらに効率化がされていくようです。ヤバい。



所変わりまして、試験センターへ。

こちらは、ほとんど写真をとることができないエリアでした。。のでどんな場所か説明しますと

電源ノイズや電波、静電気、停電時や無線機器、振動、落下、高温高湿度などなど

あらゆる環境下においても製品が正常動作するように

それらの状況を色々な機械で再現し、テストする場所でした。

なんと今回特別に落下試験器を操作させていただきました。





私です。ボタンを押して箱を落とすだけのシュールな構図。

これは輸送時等に手元の高さから箱を落としてしまった際、

箱が潰れても製品を守れるよう梱包や緩衝材を研究するために使われているそうです。

これにて工場見学は終了、移動してローランド浜松研究所へ。



エントランスにあったPumaとRolandのコラボスニーカー、欲しすぎる。



○ラボ・ミュージアム見学



浜名湖のそばに構えるローランド浜松研究所。見晴らし素晴らしいです。

入って右の場所にミュージアムがあるのですが、BOSSコンやアンプはもちろん、

グランドピアノやシンセサイザー、電子ドラム、オルガン、さらには二胡まで

ありとあらゆるBOSS/Roland製品がございました。



ウオー!



ウオー!!



ウオー!!!

エフェクター中心に掲載しましたが個人的に一番テンション上がったのは



ウオー!!!!

ローランド公式ホームページで360°視点の映像がアップされておりますので

こちらで雰囲気が伝われば幸いです。。



※一般見学の受付は行なっていないそうですのであしからず。。。

その後建物奥のレコーディング・ブースへ。

製品のデモ演奏などもここで撮影されているのですが

実際のレコーディング現場で製品がどういった挙動を起こすかのチェックも

こちらで行なわれているようです。



48chアナログミキサーとオープンリール。こちらで当時〇千万とのこと。。

ちなみに現在はDAWでレコーディング、ミックスされているので基本使われないそうですが

マイクプリが優秀で未だにマイク録音などでは使われているそうです。



そして無響室!

文字通り反響を無くした部屋で、デッドな環境で楽器そのものの響きをサンプリングしたり、周波数特性を測定したりするのに使われます。

反響が無いので中に居るだけで耳が変な感じになりました。

一通りの見学を終えまして、ここからは研修へ!



○池上社長プレゼンテーション

まずボスの池上社長より、ここ5年のBOSSブランドへの取り組みについてお話をいただきました。

自分自身イシバシに勤務させていただいたのが2013年からだったのですが、

当時BOSSに対する印象が変わってきたのを覚えています。

個人的にはJHS PedalsとのコラボモデルであるJB-2 Angry Driver誕生秘話について

お話が聞けて興味深かったです。



○Xシリーズ/技WAZA CRAFTシリーズ研修

次にBOSSコンパクトの研修へ。

Xシリーズは最先端のデジタル技術MDP(Multi-Dimensional Processing)を採用し、

一つのつまみに対して多数のパラメータを動かし多次元的な処理をすることで

新たな表現力を生み出します。

基音を残し倍音成分を処理することで、ピッキングニュアンスを残しながら

レンジの広さ、和音の分離感の良さを実現させているとのこと。

特にこの技術はコンプレッサーに活きており、CP-1X、BC-1Xは

アタック時の芯を残しながら自然なコンプレッションを実現させています。

MDPについてはBOSS公式サイトにMDP Deep Diveという詳しい説明がございますので

よければこちらもご確認くださいませ。
BOSS公式サイト”MDP DEEP DIVE

この複雑なパラメータ変化、一見数式で描かれているように思えますが

実は実測で値を決め、カーブを描いているとのこと。物凄く大変な作業…!



続いて技WAZA CRAFTシリーズ

2013年までで他ブランドが行なうBOSSのモディファイ品が多数市場に出回っており、

それをBOSS自身が行なうと…といった発想から始まったとのこと。

音声信号をアナログで組み上げることにこだわり、

他社では出来なかった大胆な回路の変更を行なうことで

ノイズの低減や緻密な音作りが可能になりました。

またDM-2W DelayやCE-2W Chorus、DC-2W Dimention Cに使用される

BBD等パーツの選定も厳選しており、品質の安定化を図っています。

説明の中で気になったのは、やはり新製品のMT-2W MetalZone、DC-2W Dimention Cですね。

MT-2W MetalZoneはオリジナルのキャラクターを残しながらも、DISTを9時ぐらいにして

手元のボリュームを絞るとクランチサウンドが作れるなど幅広い表現を得ました。

DC-2W Dimention Cはボタンを電子スイッチ化しLEDを搭載することで視認性を確保、

更に裏ワザ的仕様であったスイッチの同時押しが可能になり、

サウンドのバリエーションが格段に増えました。加えてステレオINステレオOUTに。

オリジナルを踏襲しながら現代でも扱いやすい機能をプラスし、

ワンランク上の極上なサウンドを提供する技WAZA CRAFTシリーズ。

今までも良いクオリティのエフェクターたちだなと思っていましたが

製作現場のお話やこだわりを知る事ができ更に興味が湧きました。



○GT-1000研修

そして現在のBOSSのフラッグシップ・マルチGT-1000についても研修を受けて参りました!

WAZA Amp、Blues Cubeに採用されたTube Logicを基に開発された

A.I.R.D.(Augmented Impulse Response Dynamics)という新技術を採用。

プリアンプ、パワーアンプ、キャビネット、スピーカ等、アンプ全体の相互的な挙動による

チューブアンプ独特の粘りあるサウンド、レスポンスをフロア・システムに落としこみ、

ギターアンプのみならずあらゆる環境でリアルなアンプサウンドと弾き心地を再現します。

更にはXシリーズで採用されたMDP技術、DD-500、MD-500、RV-500に採用されている

アルゴリズム技術で設計されたエフェクトも内蔵し、まさにオールインワンな一台。

研修で改めて重要だと感じたことは、適切な設定を行なわなければ十分にパフォーマンスを発揮できないということです。

その中でも操作前に気を付けなければいけない点として

入力レべルと出力先の設定が挙げられました。

ギターのパワーによってINPUT GAINを調整し、加えて

JC-120のインプット、リターン、コンボアンプ、スタックアンプ、LINE/PHONEなど

出力先に応じたOUTPUT SELECTを行なうことでレスポンス良く

粘りあるサウンドが出来上がります。

GT-1000買ったけど音作りが上手くいかない!って方は

一度この辺りの設定を見直してみるのはいかがでしょうか。



○新作アンプ『Nextone』について

最後にアンプの新製品Nextoneも少しだけご紹介いただきました!

こちらはWAZA Amp、Blues Cubeでお馴染みTube Logicをベースに設計された、新しいコンセプトのアンプです。

アメリカンサウンドの6V6、6L6、ブリティッシュサウンドのEL84、EL34、

計4種類のアナログ・パワーアンプ・セクションを切り替えることができ、

それぞれのチューブアンプ特有のサウンドとレスポンスを追求しました。

また真空管アンプをクランクアップさせた状態を

パワーコントロール機能を使い自宅でも楽しめるようになっております。

実際試奏しているのを聞いていたのですが、巻弦の鳴る感じや

チューブ独特の絡みついてくるニュアンスが上手く再現されていました。

WAZA AmpとBlues Cubeの間をついてくるような歪み量で、

特にクランチが好みでした。手元でボリューム絞っても良い音。



〇研修を終えて

一日通してBOSSにどっぷりと浸ってまいりましたが、

開発にしろ品質にしろここまでやるか!?という点をとことん突き詰めて

高品質な製品を提供し続ける姿勢に敬服するばかりでした。

またデジタル、アナログの枠にとらわれず、あくまで

良い音を追求するための手段として使い分けている点も素晴らしいと感じました。

今後も既存の発想にとらわれない、それでいて

プレイヤーの想像力をかき立てる様な製品づくりを期待しています。

この度は誠にありがとうございました!



以上とんでもなく長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

ここでは書ききれなかった小話など沢山ありますので

また店頭でお声かけて頂けましたら幸いでございます。

それでは!!

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株式会社 石橋楽器店 梅田店 担当 米村
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