弦は消耗品……だからこそしっかり選ぶ。
2017-09-26 イシバシ楽器神戸三宮店 重信でございます。店頭でお客様に聞かれることが多いのが、弦の選び方、弦交換のタイミングについて。
確かに、分かりにくすぎますよね。笑
メーカーごとの特徴とかも色々ありますが、その前に「弦」というものを物理的に考えてみましょう。
スルーしがちですが弦はかなり重要なアイテム。
弦交換はこまめに行うべき。
よく「弦が死んでいる」と聞きますが、一体どのような状態なのでしょうか。
ピックアップが弦振動を捉えているわけですが、振動の「源」が傷んでいる状態では当然良くはありませんよね。
●錆びていることも勿論ですが、芯線が伸びきっていることも、「弦が死んでいる」という状態と言えます。(アコギ弦も同じく)
●錆びた弦は危ないし、匂いも強烈です。
触った後、おにぎりを食べるときは絶対に手を洗いましょう。病気になります。
●張りたての弦振動と、傷んだ弦の振動では、目で分かるほど変わってきますので、一度気にして見てはいかがでしょう。結構面白いです。
●弦が死んでいる状態では弦振動が乱れます。
張りたての時は規則的な様子で振動しますが、死んでいると弦が暴れているような感じに見えます。
プレイヤーそれぞれあるものの、大抵1ヶ月もすれば弦は死んでしまいます。
1週間で張り替える方もおられるでしょう。
かと言って、変に神経質になりすぎる必要もございません。
そもそもギター自体、鉄の線を自分でチューニングして手やピックで引っぱたく楽器なのですから。
1ヶ月というのは、「替え時」のおおよその目安としてお考え頂ければ幸いです。
今回は定番中の定番、
ダダリオのエレキ弦を改めてご紹介します。

まず最初は「EXLシリーズ」。
「普通のダダリオ」のことです。

プロ/アマ問わず使用者はかなり多いです。
音はブライトでギラッとしている、と言われておりますが、張りたてのエレキギター弦は大概ギラッとした音です。(小声)
まぁでもやっぱり明るめの音ですね。
世界の基準とも言える弦でもありますので、一度は使用しているかもしれません。
気になるようなクセもなく、オールラウンドです。
これといった短所もパッと浮かばないですねぇ。
寿命も中庸。
ガッツリ弾けば1週間以内、少し弾く程度なら1ヶ月以内で錆が出てきます。
(あくまで私の場合ですが)
ボールエンドがカラフルなので、見ればすぐに分かるのも良いですね?。
あまり目立たない箇所ではあるものの、お洒落に気を遣うプレイヤーはダダリオ好きかもしれません。
あくまで目安ではありますが、STタイプやTLタイプには09-42、
LPやSGなどミディアムスケールには10-46を張るのが一般的です。
これはテンション(気分ではない)の関係で選ばれています。
ST/TLタイプなどのロングスケールで、4?6弦だけもうちょいテンション欲しい、というプレイヤーには09-46などがオススメ。
どこの楽器店でも取り扱っている商品なので安心です。
次は……もはや間違い探しでしょうか。

おかわり頂けただろうか……。
画面右端に不気味に映ってなどいません。

バランスド・テンションンンン……!
そう、普通のゲージではないのです。


よく見ると、見慣れない13.5という数値が。
これは数学的にテンションバランスを考えたシリーズで、上記EXLのアップデート版みたいなものです。
そもそも10-46などのセットは60?70年代にとある人物が考えたものらしく、
ギタリストたちは「なんか知らんがこういうセットらしい」という認識にすぎないものでした。
2000年代に入りようやく、「これ定着してるけどさ、なぜ??」という疑問がダダリオ内部で浮かんだらしく、バランスド・テンションシリーズが生まれたのです。
※詳しくは公式ページをご参照ください。
1?6弦のテンションのバラつきを感じにくいので非常に弾きやすいシリーズ。
正直もっと売れても良いんじゃないかな、と私は思います。
まだ認知度が低いのでしょうか。
実は13.5の弦とかを作っているのは2017年現在でダダリオのみだと思います。
かなり先進的だし、もっと流行るべき!
価格も普通のダダリオと同じです。
一度試してみてはいかがでしょう。
まだまだシリーズはあるのですが、最後にご紹介するのは、

エヌワイ・エックスエルゥゥウ……!
最近発売されました「NYXL」シリーズ。
誤解を招いてはいけないので先に書いておきますと、ちょっと高い弦です。
いわゆる高級品です。
・チューニングの安定度が高いのでアームを多用するプ レイヤーにとっては最高。
・普通のダダリオより中音成分が多く、前に出てくるようなサウンドです。
・切れにくいし、寿命も気持ちちょっと長め。
などが特徴。
結構人気もあり、とても良い弦だと思います。
パワー感も充分ですので、深く歪ませることにも耐性があります。
「弦についてあまり考えたこともない」という方も多いのではないでしょうか。
弦選びは楽しいことでもありますので、是非とも考察してみてはいかがでしょう。
少し長い記事にはなってしまいましたが、これからちょくちょく続けていこうかと思っております。
それでは失礼致します。
ありがとうございました?
ダダリオ弦一覧