トグルスイッチを観る 其の2
2014-10-28 「パーツの人」でございます。Facebookで投稿していました、「パーツの人」の”観る”のコーナーですが、前回、前々回の分を当店ブログスペースにも掲載させていただきまっす。投稿の時間軸が逆転してしまいますが宜しければご覧下さいませませ。
—– 以下、転載 —–
「パーツの人」でございます。
”観る”、2回目です。引き続きトグルスイッチを観てみます。

今回は取り付けに関係するサイズについて。 とは言いましてもトグルスイッチの全体のサイズに関してはほぼ見たままです。箱型が背が低く、次に国産系縦型、一番背が高いのがスイッチクラフト縦型です。下の段は横型のトグルスイッチで、一般的にボディ厚が薄いギターなどに使用されています。ちなみに左が国産タイプで右がスイッチクラフトです。サイズ的には箱型も横型の代用が利きそうです。この辺りは単純にその大きさで入る・入らないに関係してきますので、交換する際は今使用しているトグルスイッチがどのタイプなのか?また今使用しているトグルスイッチに対してギター側のスペースにどの程度余裕があるのか?でチョイスする幅が変わってきます。
ところで、各トグルスイッチの取り付け部分のネジ切りの長さに注目してみると、手持ちのサンプルでは箱型が一番長く、スイッチクラフトだけ縦型も横型も極端に短いのが判りました。実はこの部分が少々判りづらい問題点となっています。トグルスイッチはボディやプレート挟み込んで固定しますが、このネジ部分が短いと取り付けたい場所に厚みがある場合は取り付けが出来なくなります。クオリティが高いスイッチということで、スイッチクラフトに交換希望のケースも多いですが、その時プレートやピックガードなど板物に固定する場合はさして問題になりませんが、ボディトップに直接取り付ける場合などは注意が必要になります。
ちなみに画像にはありませんが、スイッチクラフトから縦型でショートタイプという、国産系トグルスイッチに似た形状の物もあります。そちらの方はネジ切り部分が国産系並みに長いです。またスイッチクラフトの横型でもネジ切り部分が長くなったバージョンもあります。これなら安心!?


という訳でギブソンなどでは(ギターで一般的な)スイッチクラフトのトグルスイッチ固定には右側のようなナットを使用します。ディープ・スレッド・タイプなどと言われたりするようです。このナットは左側のような個体に比べて背が高くネジ切り部分が長くなっています。そして取り付けの際は一段細くなっている下側がボディ内部に埋まるようになりますので、結果、少し厚みのある部分にもこのナットが埋まる長さ分であれば対応できる訳です。
しかしこれも万能ではありません(苦笑)。結局このナットを使用したとしても、対応できる厚みは国産系等には及びませんし、このナットをギリギリの状態で取り付けてしまうと、ナットにスイッチの軸が干渉し切り替え自体に支障をきたします。個人的に所有していた国産LPタイプも結局対応できず、一段ザグリを掘り下げた記憶があります(笑)。
スイッチクラフトに限らずネジ切り部分の長さは少し注意が必要かもしれません。今どの程度長さが付いていて、その長さに対してどの程度の位置でナットが止まっているか。例えばすごく長いネジ切りのトグルスイッチで、そのネジ部分限界のところでナットが止まっていたなら、それだけボディ厚があるということですので、場合によっては同形状のトグルスイッチが入手できず、交換に木工加工が必要になるケースもあるかもしれません。
ちなみに先程のディープ・スレッド・タイプのナットですが、お恥ずかしながらスイッチクラフト用のいわゆるインチサイズしか販売されているのを見た記憶がありません。いわゆるミリサイズのディープ・スレッド・タイプのナットを使用しているギターは見たことはあるのですが、国産系はネジ部が極端に短いわけでは無いので需要があまり無いのですかね。
ギターは基本的に統一規格のような物が無く、このトグルスイッチ部分のようにサイズがまちまちで、個体ごとにケアをしなければならない部分が少なくはありません。ただそれらに目を配り、頭を使い、対応していくのもパーツの楽しみ方の一つでは無いでしょうか?右も左も全部同じではつまらないですしね。
それでわ!