H.SELMER Balanced Action が入荷
2020-01-12 皆さんコンニチハ！！名古屋栄店管楽器担当のミスミでございます。
※1/12 調整完了しました！
さてさて、本日ご紹介する「#今週の逸品」は、紛れもない一品！「今年度の逸品」といっても差し支えない一本でございます。
H.SELMER Alto Saxophone Balanced Action #31***
ポールデスモンドらが愛用されていたとされるバランスドアクション。こちらのシリアルは3万一千番台。1943年頃製造のセルマー・バランスドアクションアルトサックスです。現在のアルトサックスのキィ形状などの基本となったモデルで80年近く昔の楽器ながら実用的な一本です。
銀メッキは恐らくリプレートと思われますが、その後もよく吹き込まれている印象で剥がれや全体的に細かな凹みが見られます。ネックレシーバー、ベル支柱や低音キィガードなどに修復痕が見られます。
ここまで画像をご覧になって、あれ？なんかキィが多いぞ？？？と感じられた方はよっぽどヴィンテージサックスにお詳しいか鋭い方でしょう！
こちらは以前のオーナー様によって手が加えられており、HighF#キィの追加、G#トリルキィの増設、sideHighE♭キィの追加が施されるなど、実用性へのこだわりが感じられる逸品です。ジャズプレイヤーはキィを取り外し管体重量を減らし、鳴りの良さを追求したり、重量バランスを変えて吹奏感のバリエーションを持たせたりする傾向がありますが、こちらの個体はキィの増設まで踏み切って操作性に重きを置いているような気がしますので、クラシック奏者の方だったのかな？と想像できます。（あくまでも主観です）
各々の増設キィレバーは以下のようになっております。
手が加えられていたりシルバープレートもオリジナルではないと思われますが、吹いた印象としてはオールドの雰囲気を良く残しておりヴィンテージサウンドが楽しめます。この時代のモデルは絶対的な音量こそないものの、滋味深い心に訴えかけるような繊細な音色と音程バランスの良さが良く、キィ配列も違和感少なく持ち替えることが出来ます。改造品ですがネガティブな印象な全くなく、むしろ実用性を考えれば素晴らしい逸品です。
これよりオーバーホールとなりますのでお楽しみにどうぞ。
