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当店に一時期居てくれた様々なギターたち。
その中でも逸話付きのものを中心に紹介していきたいコーナー
【レジェンダリーな俺たち】
16回目は
Greven Oshio OM Special
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2009年製と、このコーナーで紹介するギターとしてはかなり近年物ですが、ネタになるものはドンドン握っていきまっせ!
「Grevenと言えば押尾コータローさん」という構図は皆さんご納得頂けるかと思います。
もう少し掘り下げればご本人は初期物を愛用した後シグネチャーモデルも誕生するのですが、一般的にはそのモデルは「Oshio-D」ですよね?
そうなんです、こちらは「Oshio-OM」という特別モデルなんです。
1本1本がGrevenさんご本人のハンドメイドですのでリクエストすれば対応してくれるようですが、こちらは元々はルシアー系も積極的に取り扱っていらっしゃる超有名店のオーダー品という事が分かりました。
「分かりました」というのは、実はGrevenさん、直接メールでコミュニケーションが可能で、かなりレスポンスも早く細かな事も気軽に教えてくれます。
略歴としてはユーザーさんが色々書かれていますので興味のある方は検索頂ければと思いますが、個人的に一番驚いたのは過去2,000本以上制作しているという実績!(今は2,500本くらいになっているかも知れません、、、)
これ、全てハンドメイドの話しですから!
たしかにGrevenさん、結構お年を召していらっしゃるのでキャリアは世界的にも相当長い方ですが、それでも、それでもですよ、「2,000本」って仮に月産5本としても30年以上作り続けてやっと達成する数字ですから!
そもそも完全ハンドメイドギターが月産5本というと同時進行であっても週1本以上のハイペースです、そんなハイな訳もないと思います、まさに「達人」「鉄人」です。
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Grevenギターと言えばヘッドのインレイワークやネックヒールのエングレーブも魅力。
これマジで一人でやってるの?影武者居ない?(居たとしてもそれはそれでスゴいけど)
で、ハンドメイドであるが故の部分でもあるのですが、良くも悪くも作りの雑さは指摘されるところです。
しかし実際手に取ると「雑」というのではなく「本当にハンドメイドなんだな」というあたたかさ、アメリカンな大らかさを日本人である我々でも共有出来てしまう魔力があります。
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過去何本か様々な時代の個体を手にとってきましたが、毎度なんですよ「左右のショルダー部の形状が正対称でない、、、」
「これワザと?というか気にしていないのかなぁ?」というほど現物を見ると「この値段で、マジか」ってくらい歪んでいますwww
でもそういうもんなんです、イヤなら他のブランドをどーぞ、って事で、、、
そんな事も軽々と黙らしてしまうほどの特有のサウンドクオリティが内在します。
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サウンドの表現は千差万別ですが、「肉肉しい」「生生しい」そんな天然の素材感たっぷりで迫ってくる印象を強く受けます。
ルシアー物は精度への強いこだわりや繊細さが売りになる物が多い中、こういうスタンスで確固たる地位を築き上げなさったのは素晴らしいです。
細部のつくりはルーズだったりしますので、音を楽しむのではなく音楽を奏でる道具としてしっかり機能させるには相応の調整費も大らかに許容して予算を組むのがよいでしょう。
でもそれもこういった個人系の醍醐味だったりします。
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余談ですが、この個体の詳細を御本人におうかがいしたのですが、第一報は「全体画像とネックヒールの彫刻が分かる画像を送ってくれればmeがいつどういった内容で作ったギターか答えられるよ👍」でした。
「ホンマかいな???」
フツーそう思いますよね?シリアルナンバーとモデル名、念のために全体画像を、というのがセオリーと思い込んでいた我々は脳天を打ちのめされたのでした、、、
そうやって2,000本以上のギターの見当を付けられるのでしょう、うん、間違いない、絶対、だって作った人が言うんだから!
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因みにネックヒールの彫刻も確実に非対称でした、、、汗
また、ある時には他の近年個体でブラジリアンと言われているがホンジュラスじゃない?と当のお客様も巻き込んでワチャワチャ盛り上がった事があったのですが、このギターの経験を活かして御本人へ直メール、、、
「あぁ、間違いなくハカランダだよ!すっごくいい音してるだろ?!👍👍👍」
との端的な回答。
だって作った本人が言うんだから間違いありません!
当店としてはそれをエビデンスとしてご提示しましたが格安でお買い求め頂き双方円満に「材は何だ?」問題は解決したのでした。
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そんないくつになってもチャーミングなGrevenさん、最近は中古で入ってきていませんが、まだまだ素敵なギターたちを全世界に届けてほしいです。